「ピクテ新興国インカム株式ファンド」は高配当株への投資がカギ! NISAでオルカンやS&P500型投資信託の次の一手に
新NISAではオルカン(全世界株型)や米国株型が人気だが、この先も高成長が見込める新興国にも投資しておきたい。複数の新興国を投資対象とする投資信託の中で、ピクテ新興国インカム株式ファンドの1年決算型は、「ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2024」で昨年に続き2年連続で最優秀賞に輝いた。3年で40%超と長期で高成績を出しているのと同時に、下がりにくさでも高得点を獲得したのがその理由だ。
値動きの激しいイメージがある新興国株投資信託の中で、この安定度の高さは、新興国の高配当株への投資がカギとなっている。ピクテ・ジャパンのエグゼクティブ・ディレクター、運用本部投資戦略部長の塚本卓治さんに特徴を聞いた。
【※関連記事はこちら!】
⇒【NISA投信グランプリ2024・新興国株部門】最優秀賞は組入銘柄の平均配当利回りが5%の「ピクテ新興国インカム株式ファンド(1年決算型)」!
世界の投資サイクルは10年周期で動いている!
新興国株を買うならインフレ進展の今か!?
──新興国株投資の魅力について教えてください。
塚本 世間では、オルカン(全世界株式)とか米国株が注目されていますが、1998年を100とすると先進国株よりも新興国株のほうが高成績を出しています。世界の投資サイクルは10年周期で動いており、2000年代前半は新興国株が高いリターンを出していました。2008年のリーマン・ショック後は、米国株が相対的に強くなっていきました。
──再び新興国株が強い時代が来るのでしょうか。
塚本 新興国株は商品価格に連動します。ブラジルとか南アフリカとか資源を持っている国が多く、インフレが進展して商品価格が上がり始めると、資源国が潤い始める。それを先取りして新興国株が上がり始めています。
オルカンの新興国の比率は1割程度と低い!
新興国株型投資信託を組み合わせると分散効果が生かせる
──ここから先も上昇は続きそうですか。
塚本 IMF(国際通貨基金)の経済成長率予測では、2025年まで先進国は2%未満に鈍化しますが、新興国は4%台を堅持します。先進国はコロナ禍で量的緩和をしすぎてインフレが長引いています。一方、新興国はその余力がなかったので、先進国ほど緩和していない。そのぶん早く経済正常化に戻れます。
オルカンは新興国の比率が1割程度と非常に低い。ご自身の投資先にそれ以外に新興国が入っていない人は、別でも持っておいたほうがいいでしょう。
配当をしっかり出せる企業は利益も出ている!
配当収入と値上がり益の両方で安定成長を狙う
──新興国株の中でも高配当株に投資しているのが特徴です。
塚本 新興国企業には、業績が不安定だったり、問題を抱えたりしている企業もある。しっかり配当を出せる企業は、利益が出ており、国の経済成長とともに伸びていきます。高配当株に厳選した投資は、新興国株全般よりも、長期で高いパフォーマンスが出せています。
──投資している国は、中国、韓国、台湾と東アジア圏の割合が多く、中にはハイテク株もありますね。
塚本 どの国に何%と決めているわけではなく、ボトムアップで積み上げた結果です。中国では銀行や保険会社など金融に高配当銘柄が多い。また、従前から台湾は高配当の傾向が強い。半導体大手の台湾セミコンダクターも配当を出す企業として知られています。
──配当利回りが高いということは、株価が割安だということ。これが下がりにくさにもつながっているのでしょうか。
塚本 PER(株価収益率)で比較すると、先進国株21.2倍、新興国株14.0倍に対して、新興国高配当株は9.5倍です(2024年1月末時点)。過去20年の平均は11.4倍なので、歴史的に見ても今は割安な水準。割安な時に投資するほど、3年後、5年後に得るリターンが高くなる傾向にあります。
少し前まではPERが9倍を割れていた時期もありました。投資の鉄則は、割安な時に買うことです。
新興国株というとハイリスクハイリターンのイメージが強いが、高配当株に厳選した投資で、株価の変動率を抑えている。新興国全般に投資するよりも高い実績を残している点も魅力だ。ポートフォリオに新興国株を入れる際に、検討するといいだろう。
「ピクテ新興国インカム株式ファンド(1年決算型)」の販売会社
auカブコム、 SBI、 松井、 マネックス、 楽天、 SMBC日興、 大和、 野村、 岩井コスモほか
⇒販売会社一覧はこちら
【※その他の新興国株部門受賞ファンドはこちら!】
⇒【NISA投信グランプリ2024・新興国株部門】最優秀賞は組入銘柄の平均配当利回りが5%の「ピクテ新興国インカム株式ファンド(1年決算型)」!
月刊マネー誌『ダイヤモンド・ザイ』では毎年、良い投資信託を表彰。第2回となる今回は、“新NISAで買える”好成績のアクティブ型投信30本を表彰した。本グランプリの特徴は、「5年以上の運用成績があり、みんなが買っている分野・投信に限定し、1.どれだけ上がったか(成績)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの基準で選定している点。完全な実力主義で評価し、「個人投資家にとって本当にイイ投資信託」かという点にこだわっている。特別枠として5年未満の好成績投資信託を厳選し、フレッシャー賞を設けている。
⇒詳しい選定基準はこちら
⇒受賞した投資信託全30本のラインナップはこちら
- インド株型投資信託の合計残高が4兆円の大台に迫る! 個人投資家のインド株型の選択肢が拡大中!【投資信託の最前線】
- 世界の10倍株を見つける「テンバガー・ハンター」の最新格付を発表! NISAのつみたて投資枠でも買えて中長期の成績が“オルカン以上”の投資信託は?
- NISAで“オルカンの次”は? 「日本の成長株」ならS&P500との組合せでも地域分散でリスク軽減になる! おすすめ投資信託4本を紹介
- 「オルカンとは何なのか」をマンガで解説! 新NISAで話題沸騰の「全世界株型(オール・カントリー)」投資信託は、低コストで分散投資ができる優れもの!
- 「ひふみプラス」&「さわかみファンド」 純資産額が大きい2つの人気投資信託の運用成績を星の数でズバリ判定! 最新格付を発表
- NISAで注目! つみたて投資枠で買える低コスト投資信託も! 企業が長期的に成長を続けるために欠かせない「エコ・ESG」関連のテーマ型3本(2024.11.16)
- NISAで買える好成績のテーマ型投資信託! 米国が超巨額予算で整備中のインフラ・製造業に投資する「USルネサンス」「グレート・アメリカ」など3本(2024.11.02)
- NISAで“オルカンの次”は? 「日本の成長株」ならS&P500との組合せでも地域分散でリスク軽減になる! おすすめ投資信託4本を紹介(2024.10.19)
- NISAで買う投資信託の選び方は? キホンはオルカン1本! 全世界株型と米国株型の組合わせなど「ありがちな失敗」に注意しよう(2024.10.05)
- 世界の10倍株を見つける「テンバガー・ハンター」の最新格付を発表! NISAのつみたて投資枠でも買えて中長期の成績が“オルカン以上”の投資信託は?(2024.09.21)
- NISAで買えるインド株型投信「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」の最新格付は? オススメの新興国株型は「ピクテ新興国インカム株式ファンド」!(2024.09.07)
- 「ひふみプラス」&「さわかみファンド」 純資産額が大きい2つの人気投資信託の運用成績を星の数でズバリ判定! 最新格付を発表(2024.08.24)
- 新NISAで人気のインド株型投資信託! 「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」で人口増加と消費拡大の恩恵を享受しよう(2024.08.10)
- 武藤十夢が自作した「オルカン」を先輩FP藤川太がガチ診断! 新NISAならナスダック100も検討の余地あり?(2024.07.27)
- 「オルカン+α」のNISA投資戦略! 指数以上の成績を狙うアクティブ型投資信託と「全世界株型(オール・カントリー)」を組合せるのも手(2024.07.20)
- 「ピクテ新興国インカム株式ファンド」は高配当株への投資がカギ! NISAでオルカンやS&P500型投資信託の次の一手に(2024.07.13)
- 「オルカンとは何なのか」をマンガで解説! 新NISAで話題沸騰の「全世界株型(オール・カントリー)」投資信託は、低コストで分散投資ができる優れもの!(2024.07.06)
- 「テンバガー・ハンター」の運用担当者に聞く10倍株の見つけ方! 日本のテクノロジー分野や欧米の銀行株に注目だ(2024.06.29)
- 【NISAおすすめ投資信託】「USルネサンス(米国製造業株式ファンド)」は米国のものづくり成長企業に投資! 躍進の秘密を運用チームのプロダクトマネジャーに聞く!(2024.06.22)
- 【NISAおすすめ投資信託】「ブラックロックESG世界株式ファンド(為替ヘッジなし)」が実現するESG投資と好成績の両立! 「転職サイトのクチコミ」まで投資に生かす(2024.06.15)
- 「ひふみプラス」は復活する? 立て直しに挑戦中の藤野英人さん「1兆円規模ではまだまだ、10兆円規模を目指す」と意欲【特別インタビュー・後編】(2024.06.08)
- 「ひふみプラス」は復活する? 運用責任者の藤野英人さんに聞く“苦戦のワケ”と“巻き返し策”【特別インタビュー・前編】(2024.06.01)
- 「ニッポン中小型株ファンド」が指数を上回る好成績を続ける秘訣とは? スゴ腕ファンドマネージャー・苦瓜達郎さんインタビュー(2024.05.18)
- 「One高配当利回り厳選ジャパン」が3年の上昇率79.5%を記録できたワケ! ファンドマネージャーが明かす銘柄選びのポイント(2024.05.11)
- 【NISA投信グランプリ2024・番外編】「オルカン」やS&P500型など新NISAで買えるインデックス投資信託の信託報酬ランキング! 低コスト投資信託が集結(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・もっとがんばりま賞】人気なのに成績が悪い「ひふみプラス」「さわかみファンド」は復活できる?(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・フレッシャー賞】「One高配当利回り厳選ジャパン」や「フィデリティ・世界割安成長株投信Bコース」が受賞!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・リート部門】最優秀賞は割安銘柄の比重を高くする「ダイワ米国リート・ファンドII(年1回決算型)」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・新興国株部門】最優秀賞は組入銘柄の平均配当利回りが5%の「ピクテ新興国インカム株式ファンド(1年決算型)」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・世界株部門】最優秀賞は米大手ITにも投資する「ブラックロックESG世界株式ファンド」! つみたて投資枠でも購入可(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・米国株部門】最優秀賞はGAFAMなどに早くから投資した「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・日本中小型株部門】最優秀賞は成長期待が高い割安株に投資する「ニッポン中小型株ファンド」!(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024】新NISAで買える本当にいい投資信託の「3つの選定基準」とは? 「成績」「損しにくさ」「安定性」をザイが採点(2024.04.19)
- 【NISA投信グランプリ2024・日本株総合部門】最優秀賞はつみたて投資枠で買えて信託報酬も低水準の「大和住銀DC国内株式ファンド」!(2024.04.19)
- 【ザイNISA投信グランプリ2024】受賞投資信託の販売会社一覧(2024.04.19)