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高配当株の魅力や投資術を、実際に高配当株で儲けた株主優待名人・桐谷広人さんと、資産"億超え"の個人投資家・www9945さんが、本音で語る!
株には2つの儲け方がある。1つは「値上がり益」を狙うこと、もう1つは、配当や株主優待などを受け取る「利回り」を狙う儲け方だ。注目したいのは、ここ20年、会社員の給料は横ばいだが、上場企業の配当額は倍増しているという事実。「高配当株」は株価が比較的安定しており、株初心者にもおすすめなのだ。そこでダイヤモンド・ザイは「高配当株 超入門」と題し、長期で持ちっぱなしできる高配当株を徹底的に取材している。
今回はその中から、配当株も100銘柄以上持つ株主優待名人・桐谷さんと、夢の配当生活を謳歌する個人投資家・www9945さんによる「高配当株のココがすごい&儲けるワザ ホンネ座談会」から前半部分を抜粋して紹介しよう!(以下、桐谷さん⇒「桐谷」、www9945さん⇒「ww」と省略)
2人とも”値上がり益狙い”での失敗を経て「利回り投資」へ!
──まずは、お2人が配当株投資を始めたきっかけを教えてください。
1949年生まれ。元プロ棋士で、株歴は34年め。TV「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)などで株主優待株のユニークな活用スタイルで有名に。
桐谷 私が株を始めたのは、約35年前の1984年。当時はバブル絶頂期でね、銀行の預金金利が8%近くあったんです。一方で、配当利回りは平均で1%以下しかなかった。
ww 銀行預金で年率8%で回せるんだから、誰も配当株目当ての投資をしようとする人はいないですよね。
桐谷 そう。株主優待株も大してありませんでした。映画会社の日活が映画の株主優待券を出してたから買ったけど、業績悪化で使える直営の映画館も少なくて、「使えないな~」と思って売った後、倒産したりね。企業も個人投資家向けにほとんどIRなんてしていなかったし、「利回りを狙って買う」という発想がなかったですね。
ww 株主優待の伝道師ともいえる桐谷さんが、値上がり益狙いから株を始めたとは、意外!!
桐谷 ははは。バブルの真っ最中でしたから、株は上がるのが当たり前、株で30億円くらいあれば、仕手筋の親分になれると思ってね、無謀にも最初はそれを目指したんです(笑)。信用取引もめいっぱい使ってリスクをとって。バブル崩壊で大損してひどい目にあいました。
億の資産を築くも、家賃5万円台のアパートに住み続ける50代。著書に『年収300万円、掃除夫の僕が1億円貯めた方法』(宝島社)がある。
ww 僕が株を始めたのは、バブル崩壊後の1992年。勤め人が嫌で、「将来は株の配当金で暮らしたい」と思って始めたんです。なのに、根がギャンブル好きなので、始めてしばらくは投機的な売買ばかりしていたから全然増えず……。
桐谷 じゃあ、私と同じで最初は値上がり益を狙ってたんですね。
ww そうですね。桐谷さんは、いつから「利回り」重視の投資をするようになったんですか?
桐谷 金融危機があるたびに、せっかく増えた資金が大きく減って、信用取引は止めようと思うんだけど、相場が戻り始めると信用取引に再挑戦の繰り返し。2008年のリーマン・ショックから、3億円が5000万円にまで減ったときに、本当に懲りた。
株価が上がらなくても配当がもらえる安心感
桐谷 上値を追う猛獣狩りは、うまく立ち回れないと猛獣にやられて死ぬことがある。そこで、タネを植えて実を刈り取る、利回り重視の農業型投資に切り替えようと。その前年の2007年にプロ棋士を引退して、株主優待や配当で生活費を賄うしかなかったことも大きかった。
ww 僕は、株を始めて10年目の2002年から、割安株に注目したバリュー投資をベースにしたことで、資産が安定して増え始めたんです。その上で、これぞという値上がり期待株は信用取引で大きく投資します。「スカイツリー」に例えると、土台となっているソラマチタウン部分を割安のバリュー株、その上の高層タワー部分を信用取引を使った集中投資で時流に乗った成長株に投資しています。このスタイルに変えてから資産が大きく増え、2011年頃には5000万円くらいに増えました。その頃から当初目標に掲げていた「配当生活」を目指して、土台のソラマチタウン部分を、より「高利回り」を意識した投資にシフトし始めたんです。
──お2人にとって高配当株の魅力はなんでしょうか?
桐谷 やっぱり、たとえ株価が上がらなくても安定的に配当金が得られるところかな。株価の変動に一喜一憂しないでいられるので、精神的にも安定します。信用取引で値上がり益ばかりを狙ってた頃は、ちょっと下がっただけでも生きた心地がしなかった(笑)。
ww そうですね、相場全体を時々襲う○○ショックがあっても、高配当株は、あまり下がらない。値持ちの良さが魅力ですね。
桐谷 株主優待株を買うときも、「配当利回り」が高い順に注目しています。株主優待が魅力的でも、配当ゼロの会社は業績が悪いことが多いし、何かあったときに売られやすい。株主優待がなくても配当利回りが高ければ買います。リートも38銘柄持っていて、そのほかに、配当のみの銘柄は100くらい。この間も配当利回りが5%を超えていた「日産自動車(7201)」を買いました。
ww 今、大型株に高利回り株が多いので、初心者も入りやすいのではないでしょうか。「日本たばこ産業(2914)」なんかも5%近いですからね。もう下がりようがないですよ。僕は消費増税やオリンピック後に、相場が下がる局面が必ず来ると思っているので、底堅い高利回りの大型株にシフトしています。小型の配当株は、相場全体が下がったときに売られやすいので、少し注意したほうがいい。桐谷さんはどんなタイミングで株を買うんですか?
桐谷 私は「配当+株主優待利回りが4%以上」というのを基準にしていて、株価が下がってその利回りに到達するまで辛抱強く待ちます。狙っている株には安値で指値を入れておきますね。そうすると大底で買えていることが多いから、買ったあとに株価が上がることも多い。「ライドオンエクスプレスホールディングス(6082)」は、2016年に合計利回りが5%だった1000円台で買いました。その後、株主優待の半減で株価が下落しましたが、持ち続けたら株価は2000円を超えて倍になりました。
ww なるほど。僕の高配当株の買いの基準も配当利回り3.5~4%です。業績やチャートはもちろん見ますが、利回り重視の投資は、「利回り」の水準で買いタイミングを計れるから、ある意味分かりやすく楽ですよね。
桐谷 私は業績チェックはそこそこに、とにかく株価が下がるのを待っています。年初来安値を更新した株なんか大好きです(笑)。モノも株も安いのが大好物。www9945さんは、買うときにチャートもちゃんと見るんですね。
ww 僕は桐谷さんと違って、株価が下がっている銘柄は買いません!! チャートといっても難しい話ではなくて、株価が上昇トレンドかどうかだけ重視しています。株価がジワジワ下がっている銘柄はなんらかの理由がありますからね。警戒したほうがいいです。
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