2019年秋以降、波乱が予想される相場環境でうまく立ち回り、株式投資で利益を得るための心得を3つ紹介!
発売中のダイヤモンド・ザイ10月号の大特集は「【最強日本株】2019年・夏の陣」! 米中貿易摩擦の影響などで、日本株は波乱相場が続くと予想されるが、こんなときこそ「絶好の買い時」と見ているプロも多い。そこで、この特集では「10万円株」「5万円株」「高配当株」「大型株」「新興株」「10倍株」などのジャンルで、今後注目すべき銘柄を取り上げている。
また、特集内では「2019年8月~2020年7月までの一年間の勝利の兵法」として、「波乱相場で勝ち抜くための心得」を3つ紹介している。今回は、3つの心得をすべて公開するので、投資の参考にしてほしい!
【波乱相場で勝ち抜く心得・その1】
目先の上下に惑わされず、世界景気の大局を見て動け!
中国への追加関税の発動を「ツイッター」で発表して株価が乱高下したように、今後もトランプ大統領の発言やツイートなどで、株価は上下を繰り返すだろう。しかし、そうした動きは、いわば“ノイズ”に過ぎない。重要なのは、「世界景気全体が転換するタイミングを見極めること」だと、野村證券エクイティ・マーケット・ストラテジストの若生寿一さんは話す。
カギを握るのが、製造業の景況感。そこで多くのプロが注目するのが「世界製造業PMI(購買担当者景気指数)」や、米国の「ISM製造業景況感指数」だ。実際、これらと日経平均株価は連動性が高い。
「PMIが底を打ったときが買い場です。PMIが下げ止まったらすぐに動けると理想的ですが、一時的な上昇で終わる“ダマシ”もけっこうあるので、トレンドの転換を確認しながら買い上がるといいでしょう」(若生さん)
第一生命経済研究所・主任エコノミストの藤代宏一さんは、世界景気への影響が大きく、「製造業PMI」とも動きが一致する「半導体サイクル」に注目する。
「半導体業界は、上昇2年、下降2年のサイクルを繰り返すという特徴があります。2017年後半から下降局面に入り、2018年後半には在庫が著しく積み上がっていましたが、すでに減少に転じています。在庫が解消して生産が増え始めるまでには、もう少し時間がかかりそうですが、2020年の春頃には、底打ちが確認できると思います」(藤代さん)
「PMI」や「ISM」などの指標は、経済関連のニュースで取り上げられることも多いので、チェックしてみよう。
【波乱相場で勝ち抜く心得・その2】
攻めなら「景気敏感株」を狙え! 特に半導体関連は買い時!
2018年10月以降、日本株の中でも特に株価を大きく下げているのが、輸出企業やグローバル企業などの「景気敏感株」。しかし、世界景気が好転すれば、これらの株は反動で大きく値を上げる可能性が高い。したがって、「攻めに出るなら、景気敏感株」と、楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジストの窪田真之さんは話す。
「特に『半導体』関連は、好不況の波がはっきり出るため、不況のときこそ“買い”です。次の回復は見えています。現在、そして今後の世界経済成長の原動力であるAI、IoT、5G、データセンターなどは、いずれも半導体が基幹部品であり、需要が伸びるのは確実です」(窪田さん)
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もちろん、5GやAIそのものの関連銘柄も期待が大きい。また、ITを周囲で支えている企業に注目すべき、という意見も多い。
「日本にはグーグルやアップルのような、世界のITを支配するような巨大プレーヤーはいませんが、センサーや素材など、IT化、デジタル化の流れにおいて、その技術が“絶対に必要”な銘柄がたくさんあります」(ウィズダムツリー・インベストメンツ相談役のイェスパー・コールさん)
同じく、米中貿易摩擦の影響で大きく値を下げた「生産機械」や「ロボット」関連も、日本が強い分野なので狙い目だ。これらの業種は、足元で減益見通しの銘柄が目立つが、「前倒しで構造改革を行っている場合も多い」と、若生さんは指摘する。
「米中貿易摩擦の影響で、もうしばらく下方修正が続く可能性がありますが、売上高が大きく減らないのであれば、さほど心配はいらないでしょう」(若生さん)
【波乱相場で勝ち抜く心得・その3】
不安な人は守り重視で!「高配当株」から選べば鉄板だ
プロの見方を総合すると、日本株はこれから上昇に転じるのがメインシナリオだ。
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とはいえ、リスクがないわけではない。米中貿易摩擦が想定外に激化したり、消費増税の影響が予想以上に重くなったりする可能性も否定はできないし、他にも日韓関係やブレグジット、中東情勢などの気がかりな要素もある。
不安な人は、無理せず“守り”重視で行こう。最も手堅いのは、高配当株だ。「守りの投資なら、収益が安定している高配当の大型株を買うのがいいでしょう」(窪田さん)。
日本株の配当利回りは、足元で平均2.5%にもなっている。有名銘柄や人気銘柄でも、利回り5%超がごろごろある状態だ。背景には、企業の株主還元強化の動きが、この2年ほどで顕著なものになっていることがある。
「もし株価が上がらなくても、配当利回りだけで十分に買う理由となります。さらに、メインシナリオどおりに世界景気の回復となれば、値上がり益も期待できます。実際、過去を見ると、平均利回り2.5%は日本株の底値圏でした」(若生さん)
高配当株以外でも、景気動向の影響を受けにくい安定上昇株なら“守り”の投資の候補となるだろう。業績や株価のブレが小さい株に注目だ。
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今回は、発売中のダイヤモンド・ザイ10月号の大特集「【最強日本株】2019年・夏の陣」から、「波乱相場で勝ち抜くための心得」を抜粋した。なお、特集内ではアナリストなどのプロが有望視している銘柄を「10万円株」「5万円株」「高配当株」「大型株」「新興株」「10倍株」といったジャンルに分類してたっぷり紹介しているので、誌面も併せてチェックしてほしい!
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