年間高安剥離率ランキングには、IPO銘柄が数多く入る
次に紹介するのは、2014年における最安値と最高値の比率をくらべた「年間高安剥離率トップ30」。つまり、1年間でもっとも値動きの激しかった銘柄だ。
■年間高安剥離率トップ30 | |||||
順位 | 最安値 (日付) |
最高値 (日付) |
高安 乖離率 |
関連 記事 |
最新 チャート |
1位 | アドテック プラズマテクノロジー(東M・6668) | ||||
161円 (1/8) |
3475円 (8/14) |
2058.4% | 関連 記事 |
||
2位 | アサカ理研(東J・5724) | ||||
460円 (5/19) |
8940円 (11/21) |
1843.5% | ― | ||
3位 | ディジタルメディアプロフェッショナル(東M・3652) | ||||
500円 (2/4) |
9180円 (8/26) |
1736.0% | 関連 記事 |
||
4位 | 日本通信(東J・9424) | ||||
89円 (1/14) |
1268円 (7/7) |
1324.7% | ― | ||
5位 | ファーマフーズ(東M・2929) | ||||
231円 (5/21) |
3180円 (11/12) |
1276.6% | ― | ||
6位 | 大泉製作所(東M・6618) | ||||
150円 (5/19) |
1887円 (9/2) |
1158.0% | ― | ||
7位 | FFRI(東M・3692) | ||||
362.5円 (10/1) |
4455円 (12/19) |
1129.0% | 関連 記事 |
||
8位 | 図研エルミック(東2・4770) | ||||
155円 (3/24) |
1845円 (9/9) |
1090.3% | ― | ||
9位 | アルデプロ(東2・8925) | ||||
37円 (1/7) |
392円 (3/12) |
959.5% | ― | ||
10位 | 朝日ラバー(東J・5162) | ||||
316円 (2/4) |
3435円 (9/22) |
987.0% | ― | ||
11位 | アクセルマーク(東M・3624) | ||||
490円 (5/20) |
5230円 (11/20) |
967.3% | ― | ||
12位 | ネットワークバリューコンポネンツ(東M・3394) | ||||
845円 (5/20) |
8500円 (11/12) |
905.9% | ― | ||
13位 | フィックスターズ(東M・3687) | ||||
690円 (4/22) |
6920円 (7/29) |
902.9% | ― | ||
14位 | エスクロー・エージェント・ジャパン(東J・6093) | ||||
2700円 (3/27) |
25800円 (9/2) |
855.6% | ― | ||
15位 | ディー・ディー・エス(東M・3782) | ||||
201円 (2/4) |
1899円 (6/13) |
844.8% | ― | ||
16位 | オプティム(東M・3694) | ||||
4000円 (10/21) |
34700円 (11/11) |
767.5% | ― | ||
17位 | CRI・ミドルウェア(東M・3698) | ||||
2400円 (11/26) |
20320円 (12/2) |
746.7% | ― | ||
18位 | テックファーム(東J・3625) | ||||
477.5円 (2/5) |
3970円 (9/29) |
731.4% | ― | ||
19位 | デジタルデザイン(東J・4764) | ||||
316円 (2/4) |
2595円 (10/24) |
721.2% | ― | ||
20位 | ビーロット(東M・3452) | ||||
2010円 (12/10) |
16500円 (12/16) |
720.9% | ― | ||
21位 | SHIFT(東M・3697) | ||||
1300円 (11/12) |
10400円 (11/19) |
700.0% | ― | ||
22位 | ミクシィ(東M・2121) | ||||
884円 (2/4) |
6970円 (11/6) |
688.5% | ― | ||
23位 | 菊池製作所(東J・3444) | ||||
537円 (1/6) |
3380円 (6/16) |
529.4% | ― | ||
24位 | ラオックス(東2・8202) | ||||
42円 (5/19) |
326円 (12/3) |
676.2% | ― | ||
25位 | ネプロジャパン(東J・9421) | ||||
320円 (5/21) |
2425円 (11/18) |
657.8% | ― | ||
26位 | 東洋合成工業(東J・4970) | ||||
345円 (5/23) |
2597円 (11/12) |
652.8% | ― | ||
27位 | 石山 Gateway Hol(東J・7708) | ||||
34円 (11/4) |
218円 (1/17) |
541.2% | ― | ||
28位 | ストリーム(東M・3071) | ||||
74.8円 (2/5) |
540円 (9/24) |
621.9% | ― | ||
29位 | リミックスポイント(東2・3825) | ||||
200円 (4/23) |
1440円 (10/14) |
620.0% | ― | ||
30位 | 宮越ホールディングス(東1・6620) | ||||
232円 (5/21) |
1669円 (7/28) |
619.4% | ― | ||
※ランキングは2014年12月19日時点のデータで作成。東証1部:東1、東証2部:東2、東証マザーズ:東M、JASDAQ:東J |
ランキングの顔ぶれを見ると、27位の石山 Gateway Holdings(7708)をのぞき、ほとんどが最安値から最高値の順番に株価が値上がりした銘柄が並んでいる。その顔ぶれは、多少順位は異なるものの、トップ10のうち8銘柄は「年間上昇率トップ30」にも入った銘柄が並んでる。また、7位FFRI(3692)、13位フィックスターズ(3687)、14位エスクロー・エージェント・ジャパン(6093)、16位オプティム(3694)、17位CRI・ミドルウェア(3698)など、2014年に新規上場したIPO銘柄も数多くランクインしている。
そんな中で、「年間上昇率トップ30」に入っていなくてIPO銘柄でもないという、数少ない銘柄のひとつが18位のテックファーム(3625)だ。
「ここはもともとスマホ向けのアプリやサービスの会社ですが、カジノの両替機を扱っている子会社があることから、カジノ関連の穴株として急騰しましたが、現在は大きく調整中なので上昇率ランキングには入りませんでした。カジノの話は最近あまりニュースになっていませんが、今回の選挙で安倍政権が長期安定政権となる可能性が高まったことで、いずれカジノが実現してもまったくおかしくありません。そうなると2015年もどこかのタイミングでまた高騰することが期待できます」
下落率トップのエナリスの会計疑義により
新エネルギー関連銘柄全体のイメージが悪化
次に、2014年で最も値下がりした銘柄をピックアップした「年間下落率トップ30」を見てみよう。
■年間下落率トップ30 | |||||
順位 | 株価 | 下落率 | 関連 記事 |
最新 チャート |
|
2013年 12/30 |
2014年 12/19 |
||||
1位 | エナリス(東M・6079) | ||||
1765円 | 389円 | -78.0% | ― | ||
2位 | ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(東M・6090) | ||||
5430円 | 1206円 | -77.8% | ― | ||
3位 | アライドアーキテクツ(東M・6081) | ||||
4410円 | 1025円 | -76.8% | ― | ||
4位 | 石山 Gateway Hol(東J・7708) | ||||
188円 | 45円 | -76.1% | ― | ||
5位 | ホットリンク(東M・3680) | ||||
4686円 | 1132円 | -75.8% | ― | ||
6位 | オンコリスバイオファーマ(東M・4588) | ||||
3205円 | 791円 | -75.3% | ― | ||
7位 | JALCOホールディングス(東J・6625) | ||||
347円 | 99円 | -71.5% | ― | ||
8位 | リブセンス(東1・6054) | ||||
2587円 | 758円 | -70.7% | ― | ||
9位 | シグマクシス(東M・6088) | ||||
1608円 | 484円 | -69.9% | ― | ||
10位 | 日本トリム(東1・6788) | ||||
8120円 | 2547円 | -68.6% | ― | ||
11位 | オウチーノ(東M・6084) | ||||
5270円 | 1681円 | -68.1% | ― | ||
12位 | ANAP(東J・3189) | ||||
2036円 | 704円 | -65.4% | ― | ||
13位 | リアルコム(東M・3856) | ||||
90円 | 320円 | -64.4% | ― | ||
14位 | ニューフレアテクノロジー(東J・6256) | ||||
13060円 | 4665円 | -64.3% | ― | ||
15位 | オークファン(東M・3674) | ||||
2824円 | 1014円 | -64.1% | ― | ||
16位 | じげん(東M・3679) | ||||
1904円 | 713円 | -62.6% | ― | ||
17位 | ネットイヤーグループ(東M・3622) | ||||
3160円 | 1197円 | -62.1% | ― | ||
18位 | オルトプラス(東1・3672) | ||||
2422円 | 925円 | -61.8% | ― | ||
19位 | 夢展望(東M・3185) | ||||
1521円 | 581円 | -61.8% | ― | ||
20位 | アドバンスト・メディア(東M・3773) | ||||
1916円 | 751円 | -60.8% | ― | ||
21位 | ジャパンベストレスキューシステム(東1・2453) | ||||
682円 | 274円 | -59.8% | ― | ||
22位 | マツヤ(東J・7452) | ||||
561円 | 226円 | -59.7% | ― | ||
23位 | 第一中央汽船(東1・9132) | ||||
124円 | 50円 | -59.7% | ― | ||
24位 | アドウェイズ(東M・2489) | ||||
2925円 | 1189円 | -59.4% | ― | ||
25位 | アイ・アール ジャパン(東J・6051) | ||||
1790円 | 741円 | -58.6% | ― | ||
26位 | リプロセル(東J・4978) | ||||
1725円 | 718円 | -58.4% | ― | ||
27位 | テイクアンドギヴ・ニーズ(東1・4331) | ||||
2290円 | 966円 | -57.8% | ― | ||
28位 | 昭和システムエンジニアリング(東J・4752) | ||||
1380円 | 596円 | -56.8% | ― | ||
29位 | アイレップ(東2・2132) | ||||
733円 | 321円 | -56.2% | ― | ||
30位 | タカタ(東1・7312) | ||||
3015円 | 1330円 | -55.9% | ― | ||
※ランキングは2014年12月19日時点のデータで作成。東証1部:東1、東証2部:東2、東証マザーズ:東M、JASDAQ:東J |
このランキングで見逃せないのは、なんといっても1位のエナリス(6079)だ。エナリスは電力関係のコンサルや開発を行うベンチャー企業で、2013年の上場時にはかなりの期待を集めていたがその後株価は伸び悩み、2014年10月に会計疑義の疑惑が報じられたことで大暴落した。
「以前であれば上場廃止になってもおかしくなかった銘柄ですが、最近は投資家保護の観点からあまり上場廃止にはしないことから、ぎりぎり助かっている印象です。この銘柄のおかげで、新エネルギー関連の銘柄全体に『何か問題があるんじゃないか』という悪いイメージがついてしまいました。その点でも残念ですね」
2位のヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(6090)や6位のオンコリスバイオファーマ(4588)など、バイオベンチャー銘柄も目立っている。バイオベンチャー企業は比較的急騰しやすいセクターだが、実際には収益化が難しいビジネスモデルと言える。
「莫大な研究費と長い研究期間をかけた末に新薬などを開発することで大きな収益を得るビジネスモデルなのですが、これはアメリカ市場では受け入れられても日本市場では難しい。日本では、バイオベンチャー企業であっても毎年ある程度の成果を株主に求められてしまうため、研究途中の成果を切り売りしてしまうケースが多いんです。そうすると最終的に新薬が開発されても、手にできる利益は非常に小さくなってしまう。バイオベンチャー企業に投資するときは、その辺りも気をつけないといけません」
8位に、アルバイト紹介など人材斡旋事業のリブセンス(6054)が入っているのも、注目しておきたいと村瀬さんは言う。
「人材系の企業は業績好調のように思われがちですが、最近になって景気の状況が変わってきたことにより、人材の流れにも変化が出てきたように感じます。ひと言で言うと、人手不足で人材の確保が難しくなりました。自分の会社の社員にして人材を確保し、企業に派遣する企業は良いのですが、アルバイトのようになかなか自分の会社で囲い込みができない人材を扱っている会社は非常に難しいようです」
次は2014年にもっとも売買された銘柄をピックアップした、「年間売買代金ランキング」と「年間出来高ランキング」を見てみよう。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。 |
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