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日銀の金融政策決定会合の決定内容と株価への影響を
解説! ETFの銘柄別買入れ額の見直しにより、
地銀など「銀行セクター」の需要が高まる見通しに!

2018年7月31日公開(2018年7月31日更新)
藤井 英敏
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 7月30、31日開催に開催された日銀の政策委員会・金融政策決定会合において、株式市場での注目度の高かったETFの銘柄別の買入額に関しては、事前の予想通り見直されました。8月6日から見直し後の配分に従って実施されます。

 具体的には、年間買入額5.7 兆円(除く新型ETF3000億円)の配分に関して、3指数(TOPIX、日経225、JPX 日経400)に連動するETF を対象に、銘柄ごとの時価総額に概ね比例するように、買入れる額を3兆円⇒1.5兆円に減額。一方で、TOPIX に連動するETF を対象に、銘柄ごとの時価総額に概ね比例するように、買入れる額を2.7兆円⇒4.2兆円に増額しました。

 これにより、日経225採用銘柄のうち、品薄銘柄の株価が歪められるリスクが大幅に低下しました。評価できる見直しと言えます。

 また、ETF自体の買い入れ総額に変更がなく、TOPIX型が増額されたことで、今後は、時価総額が総じて大きい銘柄の多い、銀行セクター、とりわけ、地銀などが見直しによる需給面でのメリットを享受する見通しです。逆に、ファーストリテイリング(9983)ソフトバンク(9984)など、値嵩の日経225採用銘柄への買い需要は減少するでしょう。

 この結果、今後は、NT倍率(日経225をTOPIXで割った比率)は低下し、最終的に低位安定していくと考えています。相対的に、「強いTOPIX・弱い日経225」という構図が定着するでしょう。

日銀は「拙速な金融引き締めはしない」という
強いメッセージを打ち出す

 金利面では、日銀は、政策金利のフォワードガイダンスを導入することにより、「物価安定の目標」の実現に対するコミットメントを強めるとともに、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の持続性を強化する措置を決定しました。

 そして、日銀は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続します。また、消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続します。

 これらは「拙速な金融引き締めはしない」という強いメッセージです。円安要因であり、株高要因と言えます。

 ちなみに、日銀は、長期国債の買入れ額について、保有残高の増加額年間約80兆円をめどとしつつ、弾力的な買入れを実施します。

 また、ETFおよびJ-REITについては、保有残高がそれぞれ年間約6兆円(含む新型ETF3000億円)と年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行いますが、その際、資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買入れ額は上下に変動しうるものとします。

 このような機動的な金融調節ができるようにした今回の決定は、金融市場は好意的に受け入れるはずです。なぜなら、いままでの対応が硬直的過ぎたからです。

金融政策決定会合を無事通過したことがプラス材料に
今後も日米共に株安のリスクは低い

 何はともあれ、政策決定会合という7月最大のイベントを、無事に通過しました。投資家サイドからすれば、このイベントリスクが解消したことが、実は最も大きなプラス材料だったのではないかと感じています。

 基本的に、私は、アベノミクスが続き、これを黒田日銀が金融政策で援護射撃を行う限り、日本株が内部要因から崩落することはないとみています。また、米トランプ政権に関しても、基本は経済優先の政策のため、米国発の世界同時株安のリスクは極めて低いとみています。

短期的には「FANG」の業績悪化により
IT関連株が買いにくい状態に

 ただし、短期的には、米国でFANG(フェイスブックアマゾン・ドット・コムネットフリックスグーグル<アルファベット>)の株価が極めて不安定のため、日米共に「IT関連」が調整し、これが日本株の上値を抑制することは覚悟しておく必要があります。

きっかけは、フェイスブックでした。7月25日に公表された4~6月期決算が市場の予想に届かず、経営陣が成長鈍化の見通しを示したため、26日に同社の株価は前日比19%安となりました。

 これに追い打ちをかけるように、7月26日夕発表のインテルの4~6月期決算は、市場予想を上回る増収増益だったものの、下半期の予想が市場の失望を招きました。その結果、27日のインテル株は前日比8.59%安と売り込まれました。

 そして、同じく7月27日には、不正アカウントの閉鎖に伴って月間利用者数が減少したことを受けて、ツイッター株が前日比で20.54%急落したのです。

 この一連の流れの影響で、7月30日のナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比107.414ポイント安の7630.005ポイントと、7月5日以来ほぼ3週間半ぶりの安値に沈みました。これは日本のIT関連株に強烈な逆風になるでしょう。

ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 よって、震源地の米国市場で、FANGが底打ちしないと、日本のIT関連株は買いにくい状況が続くと思います。

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決算発表シーズンが終わり、お盆が明けるまで、
気になる好決算銘柄をコツコツと拾っていくのが吉

 また、現在は、4~6月期を中心にした上場企業の決算発表のまっただ中にあります。ピークを迎えるのはこれからです。一部ネット証券のデータによると、7月31日に411社、8月3日が251社、7日220社、8日235社、9日362社と、ピークとなる10日の581社に向け、続々と発表されていく予定です。

 多くの投資家は、この内容を見極めたいという気持ちになるため、様子見スタンスを崩すことはないでしょう。しかし、発表が一巡したら、すぐに「お盆休み」(多くの方のお盆休みは、11日~16日とみられます)です。

 こうなると、相場が本格的に動き出すのは、お盆休み明けの8月20日以降ということになりそうです。それまでは、これから発表されてくる決算内容を吟味して、面白いと思える企業の株をコツコツ拾うことをおすすめします。とりわけ、好決算銘柄のうち、日銀のTOPIX型ETF買い入れ額増額で需給面でのメリットを受ける銘柄が狙い目でしょう。

 なお、米IT関連が底打ちしない限り、我が国のIT関連も冴えない値動きが予想され、投資マインドの盛り上がり、および東京株式市場への資金流入の加速は期待薄です。

 そうなると、物色の主役は、小さい資金で相場になる「小型株」ということになるでしょう。ただし、小型株に関しては、決算リスクは回避すべきです。あくまでも、決算発表を無事に通過したものの中から、あなたが「よしっ!これを買おう!」というものだけを弄るようにしましょう。

 日本株については、今回の日銀のマーケットフレンドリーな対応を考慮すると、マクロ政策面では下値は限定されるでしょう。「あとは、個別業績で魅力のある銘柄を拾えばいいだけの簡単なお仕事になったのではないか?」と考えています。

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