感染症法の分類にワクチンの公費負担は関係ない
「5類になったら自己負担」は誤り

 5類移行後、コロナになっても高額な医療費を請求される可能性はきわめて低そうだし、政府はしばらく移行措置として5類になって治療費の公費負担を継続するとしている。

 ではワクチンもおじま議員の言うとおり、「5類移行=公費負担外」を意味するのか。実はワクチンの公費負担と感染症法の分類には全く関係がない。5類でもワクチンが公費で賄われている感染症は複数ある。

 従ってワクチンの運用まで5類と結びつける冒頭のおじま議員のツイートは誤り。おそらくこの誤解は、5類に位置付けられている季節性インフルエンザの医療費とワクチンが公費負担ではないことから生じたと思われる。

 五十嵐准教授は「ワクチンと治療では適用されるルールが元々異なることや、治療コストの実態は専門家の方々にも十分に伝わっていない」と憂慮する。診断や治療といった医学分野と、医療経済、法令、制度の専門家はまた別だ。特にコロナの情報は、医学だけでなく、他分野にも横断的にまたがっている。

 一口にコロナと言っても、どの分野の専門家の発信なのかを慎重に精査しなければ、今回の騒ぎのように踊らされることになる。

Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic:Daddy’s Home