つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2021年]
2020年6月13日 頼藤 太希

「つみたてNISA」の売り時を決める“おすすめの売却
ルール”の3パターンを解説! 積立投資でコツコツ増や
した資産は「分割して売却」すれば長持ちさせられる!

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

「つみたてNISA」(積立NISA)は、投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度。この連載では「つみたてNISA」の特徴を紹介しています。

 新型コロナウイルスによって、初めて本格的な暴落を経験した「つみたてNISA」ですが、暴落時に一番やってはいけないのは「つみたてNISAをやめること」だということを、前回の記事で紹介しました。暴落に慌てて売ったり、積み立てをやめてしまったりすると、その後、価格が戻ってきても、損失から回復することができなくなるからです。
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 では「つみたてNISA」の資産は、いつ、どのように売却(解約)するのが正解なのでしょうか。今回は「つみたてNISA」の出口戦略、売り時と売り方について解説します。
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「つみたてNISA」の“3つの売り時”を解説!

 「やめてはいけない」とお話しした「つみたてNISA」ですが、もちろん、いつかは売却(解約)して、お金を取り出さなければ意味がありません。つみたてNISAの売却のタイミングは、大きく分けて次の3つがあります。

【つみたてNISAの売り時①】ライフイベントが発生したとき


 結婚、出産、住宅購入、車の購入、子どもの学校入学、親の介護、転職・退職、自分の介護などなど……人生には、さまざまなライフイベントがあります。これらのライフイベントでは、往々にしてまとまったお金が必要になるものです。つみたてNISAを始めた目的は人それぞれだと思いますが、その目的に合わせて貯めているわけですので、その都度、かかる費用分だけ、つみたてNISAで保有している投資信託の一部を売却して活用するといいでしょう。

【つみたてNISAの売り時②】目標金額に達したしたとき


 あらかじめ、「300万円の利益が出たら売る」「資産合計が1000万円になったら売る」というように“目標”を決めておき、その目標に到達したら売却します。目標金額を設けることで、資産の額を確認したり、売却するタイミングを意識したりすることができるので、投資の意欲も途切れないで済みます。なにより、つみたてNISAを売る条件がわかりやすいですね。

【つみたてNISAの売り時③】資産が2倍になったとき


「いくらまで増やしたい」という目標金額を具体的に決められない場合には、「資産が2倍になったら半分を売却して投資元本を回収する」という方法もあります。この方法だと、半分を売却した時点で元本割れの可能性がなくなる上に、運用益の拡大も期待できます。万が一、その後の運用が悪化したとしても、すでに投資元本は回収できているので、精神的なダメージが軽減できます。

 以上、3つの「売り時」を紹介しました。つみたてNISAの売り時に絶対の正解はありません。ただ、自分にとって最もいいと思える「売り時のルール」を選んだら、それをきちんとそのルール通りに実践することが大切です。投資で成功する秘訣は、自分のやり方を決めたら、感情を排して淡々と行うことだからです。
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「つみたてNISA」は一度に全部売らないで!
売却する際には、複数回に分けて売ろう

 「つみたてNISA」で積み立てる投資信託などの金融商品の価格は日々動いています。そこで、タイミングをとらえて安いときに買って高いときに売れば儲かります。ただ、今、その金融商品が安いか高いかをズバリ判断することはプロでも困難です。

 「今が底値と思って買ったのに、さらに値下がりしてしまった……」「もう少し安くなったら買おうと思って待ってたら、そこから値上がりしてしまった……」という経験は、投資家なら一度はあるでしょう。ですから、積立投資では「ドル・コスト平均法」の考え方を生かして、複数回に分けて購入していくのです。そうすることで、平均購入単価を下げることができます。
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 つみたてNISAの資産を売るときにも、買うときと同じように、複数回に分けて売却することで、売却価格の値動きのリスクを抑えることができます。全部を一度に売ってしまうと、そのタイミングが「価格が安い」ときにあたってしまうかもしれません。そのときの価格が高いのか安いのかは、後にならないとわかりません。

 誰しも、できるだけ高い価格で売りたいと思うもの。とはいえ、一番の高値を予想して、そのタイミングで売るのは難しい。そこで、利益が出ているときには、全てを一度に売却するのではなく、複数回に分けて売るほうがいいでしょう。そうすることで、売却価格が安定します。

売却も複数回に分けて行えば、売却価格は安定する!

 ただし、上述の【つみたてNISAの売り時②】で紹介したように、資産が目標金額に達したことで売却する場合には、一括で売却してもいいと思います。
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老後の生活費のために売却するなら
「運用を続けながら」取り崩すのがおすすめ

 まだ先のことになりますが、老後に、生活資金のために「つみたてNISA」を売却する場合は、つみたてNISAの運用を全てやめるのではなく、運用を続けつつ、少しずつ売却(取り崩)していくのがおすすめです。そうすることで、上で紹介したとおりに売却価格も平均化できますし、何より資産が長持ちすると考えられます。

 例えば、1000万円を毎月10万円ずつ取り崩した場合と、年5%で運用を続けながら毎月10万円ずつ取り崩した場合とでは、受け取れる金額にどのくらいの差が出るのでしょうか。

 1000万円を毎月10万円ずつ取り崩すと、「1000万円÷10万円=100カ月」ですから、わずか8年4か月でゼロになってしまいます。

 それに対して、運用しながら取り崩す場合の目安は、「資本回収係数」という数値を使うとわかります。

 上の表は、「資本回収係数(1年複利)」の早見表です。この表で、「年利5%で運用しつつ毎月約10万円を取り崩す」との条件と合致する係数を探すと、0.12039(黄色部分)が該当します。
年利5%の列から条件に合う係数を探します。「1000万円×0.12039=120万3900円」なので、ほぼ月10万円(120万3900円÷12≒10万円)となり、0.12039だとわかります。

 そこで0.12039から左に視線を移すと「11(年)」とあります。これの意味するところは、「1000万円を年利5%で複利運用しながら月10万円取り崩す場合、おおよそ11年もつ」ということです。

 運用せずに単純に取り崩した場合は、ゼロになるまで8年4カ月でした。一方、運用を続けながら取り崩す場合を試算すると11年ももつことがわかりました。資産を長持ちさせるためには、運用しながら取り崩すのがおすすめと言えるでしょう。
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非課税期間が終わっても
課税口座に移して運用すればいい

 「つみたてNISA」で非課税投資できる期間は20年もあります。2018年に積み立てをスタートした分は2037年に非課税期間終了、2019年に積み立てをスタートした分は2038年に非課税期間終了……というように、20年経過後は、随時、非課税投資期間が終了していきます。

 実は、つみたてNISAの資産は20年の非課税投資期間が終わっても運用を続けることができます。20年経過後は、非課税ではなくなってしまいますが、つみたてNISAの資産は課税口座に移るだけなので、運用を続けられるのです。課税口座に移った分は、値動きを見つつ、売っていくことができます。

 つみたてNISAは長期投資が基本です。その間には暴落もあるかもしれません。それでも慌てず、じっくりと取り組んでいきましょう。つみたてNISAでお金を増やす最強の戦略は、「投資していることを忘れること」です。投資は“感情との戦い”と言われるくらい、感情は邪魔なもので、「ほったらかし投資」こそ王道なのです。あなたもぜひ実践してみてください。
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頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役、マネーコンサルタント。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Cafe』を運営。メディアなどで投資に関するコラム執筆、書籍の執筆・監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、 『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。twitter→@yorifujitaiki