「お宝銘柄」発掘術!

「メタバース」関連銘柄は成長期待の注目テーマ株!「YE DIGITAL」「gumi」「アエリア」など、積極的にメタバース領域へ事業拡大を行っている6銘柄を紹介

2022年9月15日公開(2022年9月15日更新)
村瀬 智一
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現実世界とバーチャル世界の京都を舞台にアートを体験する
次世代型の街歩きプロジェクト「NAKED GARDEN ONE KYOTO」開催

 デジタル技術を使った映像や空間演出を活用して、地域創生などのプロジェクトを手掛けるネイキッドは、京都市、宇治市、滋賀県大津市とともに、現実世界とバーチャル世界の京都エリアを舞台に開催する次世代アートプロジェクト「NAKED GARDEN ONE KYOTO」を、2022年9月15日から12月25日にかけて開催します。

「NAKED GARDEN ONE KYOTO」は京都市役所や二条城、平安神宮といった京都エリアの城や神社仏閣などの歴史的建造物を舞台に、リアルとメタバースがクロスオーバーする街歩きプロジェクトです。実際に京都を訪れて楽しむイベントや演出を展開するだけでなく、京都をバーチャルで楽しめるメタバースも提供。リアルのイベントで体験したアートがメタバースに反映されたり、逆にメタバースでの体験がリアルのイベントに影響を及ぼしたりなど、現実世界とバーチャル世界の自分が連動しながらアートを楽しむプロジェクトとなるようです。

 現在、京都市役所本庁舎前、京都タワー、旧三井家下鴨別邸、二条城、貴船神社、平安神宮、京都国立博物館など13カ所の参画が決定しており、未発表の場所をあわせて全20カ所での開催を予定しているとのことです。

「メタバース不登校学生居場所支援プログラム」など、
メタバースを活用したさまざまなイベントが全国に広がる

 「NAKED GARDEN ONE KYOTO」は、新型コロナウィルスの感染拡大前に比べて観光客数が大きく落ち込む京都において、地域経済の活性化を目指した取り組みになります。これまでにも地域活性化のための取り組みは全国で行われてきましたが、今回の「NAKED GARDEN ONE KYOTO」のようにメタバースを駆使したイベントやプロジェクトは今後増えてくることが予想されます

 メタバースを活用したイベント・プロジェクトは、地域活性化を目的としたものだけではありません。

 例えば、バーチャル空間などを通して社会福祉問題に取り組む団体「ばーちゃるケアゆずあっと」は、広島市在住の不登校高校生向けに「メタバース不登校学生居場所支援プログラム」を開催。期間は9月から10月にかけての8日間で、参加者はメンターと一緒にVRプラットフォーム「VRChat」にアクセスし、実際にメタバース内で活動をしているクリエイターなどから話を聞くことで、自分の興味の再発見に繋がるような体験ができるようです。

 こういったイベントやプログラムの広がりにより、メタバースを活用したさまざまなビジネスへの展開も期待されます。そこで今回は、あらためて「メタバース」関連銘柄に注目しました。具体的な銘柄としては、最近「メタバース」に関わる取り組みを行っている企業のなかから、株価位置などテクニカル面を考慮して選定しました。

【YE DIGITAL(2354)】
バーチャル世界で専門技術者とつながれる場を開設

 YE DIGITAL(2354)は、業務システムの実装・運用などDX支援を手掛ける企業です。2022年7月には、YE DIGITALと社外の技術・ナレッジとを融合してDXを支援する場として「ビジネスDXリーディングセンター」をオープンしました。同センターでは、現実世界の施設に加え、バーチャル空間上で専門技術者といつでも繋がれる「メタバース・プロジェクトルーム」を常設。場所を限定されることなく、高度な支援を実現させます。株価は、切り上がる13週移動平均線に沿った上昇トレンドを形成していましたが、足元で52週移動平均線付近での攻防を見せています。このまま52週移動平均線を明確に上放れてくるようだと、上昇トレンドが一段と強まりやすいでしょう。

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YE DIGITAL(2354)チャート/週足・1年YE DIGITAL(2354)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト) ​※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【gumi(3903)】
将来の収益基盤を構築すべくメタバース事業に取り組む

 gumi(3903)は、主力のモバイルオンラインゲーム事業に加え、将来の収益基盤を構築すべくメタバース事業にも積極的に取り組んでいます。メタバース事業では、ブロックチェーン領域へ積極展開を行っており、ブロックチェーンゲームを活用したコンテンツ開発やファンド投資、有力ブロックチェーンのノード運営などに経営資源を投下しています。株価は、2023年4月期・第1四半期における営業黒字転換が好感され、2021年9月以来となる1000円の大台を突破。足元で過熱感はありますが、2021年5月につけた高値1433円が次第に意識され、押し目狙いの銘柄として要注目です。

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gumi(3903)チャート/日足・6カ月gumi(3903)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【アエリア(3758)】
子会社サイバードがアニメイトとゲーム事業領域で共同事業を推進

 アエリア(3758)は「イケメンシリーズ」など女性向けIP創出のコンテンツのほか、アセットマネジメントや決済代行といったITサービスを展開。将来的なメタバース市場の成長を見据え、Web3.0領域における新事業を推進しています。9月12日には子会社のサイバードが、アニメイトとゲーム事業領域で共同事業を推進することに合意したことを発表しました。株価は、7月8日につけた高値540円をピークに下落が続いていましたが、直近では75日移動平均線が下値支持線として機能し、リバウンドの動きを見せています。

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アエリア(3758)チャート/日足・6カ月アエリア(3758)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【クルーズ(2138)】
ファッションメタバース「SWAGGA」と戦略的パートナーシップを締結

 クルーズ(2138)は、ファッション通販サイト「SHOPLIST.com by CROOZ」を軸に、EC領域で複数のサービスを展開しています。9月2日には、ゲームをプレイすることでプレイヤーが経済的なインセンティブを得られる「GameFi」の分野に本格的に参入し、ブロックチェーンゲームの企画・開発を行っていくことを発表しました。さらに7日には、ファッションメタバース「SWAGGA」を運営するBlocverse DAOと戦略的パートナーシップを締結。強力なメタバースエコシステムを構築する「SWAGGA」に、自社のコンテンツを提供するとしています。株価は、8月中旬から700円付近を推移していましたが、9月に入って上昇して一時は1094円まで急伸。その後は利食いの動きを見せており、押し目買いのチャンスと言えるでしょう。

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クルーズ(2138)チャート/日足・6カ月クルーズ(2138)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【ピービーシステムズ(4447)】
メタバース市場への新たな企画開発に向け大英産業と相互協力

 ピービーシステムズ(4447)は、エモーショナルシステム事業として体験共有型VRシアター「4DOH」を製造販売しています。「4DOH」はVRゴーグルを装着することなく、気軽に没入感あふれるVR空間を複数人で体験できるVRシアターで、すでにさまざまな施設で利用されています。8月末には、大英産業(2974)とメタバース市場への新たな企画開発に向け、相互協力をすることに合意。まずは、大英産業の「社史メタバース」を共同開発するようです。株価は2月下旬以降、650~700円辺りでのレンジ推移を継続しており、押し目狙いのスタンスとなります。

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ピービーシステムズ(4447)チャート/日足・6カ月ピービーシステムズ(4447)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【ブイキューブ(3681)】
個室型VR空間「メタキューブ」のコンセプトモデルを発表

 ブイキューブ(3681)は、Web会議システム「V-CUBE」などを提供しています。2022年1月にはメタバース領域への参入を表明。4月には、ゴーグル型のVRデバイスなどを装着せずに臨場感あふれるVR・メタバース空間を体感できる個室型VR空間「メタキューブ」のコンセプトモデルを発表しました。株価は、テレワーク関連として人気化して2020年12月には3785円まで買われましたが、その後は調整を継続しており、今年の2月には720円まで下落。その後は緩やかなリバウンドを見せています。すでに52週移動平均線は突破したので、このまま13週・26週移動平均線に沿った上昇に期待したいところです。

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 以上、今回は「メタバース」関連銘柄を発掘しました。

 その他、株価の位置関係などから今回は候補には挙げませんでしたが、以下の銘柄も「メタバース」関連として動意をチェックしておきたいところです。

ナック(9788):メタバースなどの先端技術を開発するARKLETに出資
トレードワークス(3997):EC・メタバースなど、金融以外の事業領域の拡大を目指す
ベクター(2656):定款変更でNFT・メタバース関連事業などを追加
ストリームメディアコーポレーション(4772):韓国とサウジアラビアの文化を共有できるメタバースプラットフォームの構築を発表
CRI・ミドルウェア(3698):仮想空間で実在感ある会話を実現するコミュニケーションミドルウェアを提供開始
ピアズ(7066):子会社マックスプロデュースがXRやメタバースを用いたイベントを企画・運営
松竹(9601):メタバース技術などを持つベンチャーに投資する「松竹ベンチャーズ」を設立

 また、9月15~18日まで「東京ゲームショウ2022」が幕張メッセで開催されます。3年ぶりのリアル開催になりますが、同時にバーチャル会場「東京ゲームショウ VR 2022」も用意されています。今年で2回目となるバーチャル会場では、VR空間をより冒険感覚で楽しめる「ダンジョン」がテーマになっているようです。この「東京ゲームショウ2022」関連のニュースからも「メタバース」関連銘柄への関心が高まることが期待できます。
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