2022年10月の「QUOカード」の株主優待を徹底調査!
大手コンビニ、ファミレスやドラッグストアなどで使えて
個人投資家に人気の「QUOカード」の株主優待を比較
全国共通のプリペイドカードである「QUOカード」は、さまざまな株主優待のなかでも、特に個人投資家からの人気が高い「優待品」だ。
人気がある理由は、幅広い業種の店舗で”金券”として利用でき、利便性が高い点にある。利用可能な店舗は全国約6万店に上り、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといった大手コンビニをはじめ、一部のファミレスやドラッグストア、書店などでも使える。しかも、会計時に1円単位で利用できて、有効期限もないので、株主優待でどれだけ大量にもらっても、利用できずに無駄にしてしまう恐れがない。また、カードタイプで財布に入れておいてもかさばらないため、保管場所に困らないこともメリットと言えるだろう。
一方、株主優待を実施する企業側にもメリットがある。「QUOカード」なら個人投資家からの注目度が高いことに加えて、優待品の配送費を安く抑えられる点も、企業にとっては魅力的。さらに、消費者にとって身近な商品やサービスを扱っていない企業でも、「QUOカード」に会社のロゴや社名をデザインすれば、優待品として採用しやすい。これらの理由で「QUOカード」を優待品に採用する企業は非常に多くなっているのだ。
それでは、「QUOカード」がもらえる多くの株主優待銘柄の中から、何を基準に、どの銘柄を選べばいいのだろうか。なかには、人気アニメのキャラクターなどが描かれた限定デザインのカードを用意している企業もあるが、多くは社名やロゴなどがデザインされているだけなので、まずは「利回り」と「最低投資額」で絞り込むのが順当だ。
【※関連記事はこちら!】
⇒「10月に権利が確定する株」の配当利回りランキング! 利回り5%超の「ノバック」、利回り4.6%で連続増配を見込む「ナ・デックス」など、おすすめ高配当株を紹介
そこで、「2022年10月」に基準日を迎える株主優待銘柄のうち、「QUOカード」を優待品としている全5銘柄(継続保有条件のある銘柄を除く)の「1年間でもらえるQUOカードの額面」と「年間配当額」、そして「最低投資額」を調査して、「株主優待利回り」や「配当利回り」を算出。「【2022年10月】QUOカードがもらえる株主優待利回りランキング」を作成した(※データは2022年9月29日時点。「QUOカード」がもらえる銘柄であっても、2022年10月の時点で一定期間以上継続保有していないと、株主優待の対象外になる銘柄はランキングに含めていない)。
なお、保有株数によって「QUOカード」の額面が変わる銘柄や「QUOカード」以外の優待品を選択できる銘柄、長期保有優遇制度を設けている銘柄については、備考欄に記載している。
この「【2022年10月】QUOカードがもらえる株主優待株利回りランキング」を参考にして、「QUOカード」がもらえる高利回りの株主優待銘柄に投資しよう!
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⇒【10月の株主優待の内容&利回りを調査(2022年版)】正栄食品工業や「RF1」のロック・フィールドなどの人気&定番銘柄に加え、今回からの新設銘柄も紹介!
【2022年10月】
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順位 | 最低投資金額 (株価×必要株数) |
QUOカード 額面(内訳) |
株主優待+ 予想配当利回り |
株主優待 利回り |
予想配当 利回り |
1位 | ◆萩原工業(7856) 【確定月】10月 | ||||
10万4700円 (1047円×100株) |
1000円 (10月のみ) |
4.40% | 0.96% | 3.44% | |
【備考】他に、マスキングテープ、レジャーシート(2畳)なども選択可。1000株以上は3000円相当。3年以上の継続保有で優待金額は各2倍。 | |||||
2位 | ◆ケア21(2373) 【確定月】10月 | ||||
7万9100円 (791円×100株) |
1000円 (10月のみ) |
3.41% | 1.26% | 2.15% | |
【備考】特になし。 | |||||
3位 | ◆学情(2301) 【確定月】10月 | ||||
71万3500円 (1427円×500株) |
3000円 (10月のみ) |
3.01% | 0.42% | 2.59% | |
【備考】今回から株主優待を変更。 | |||||
4位 | ◆ティビィシィ・スキヤツト(3974) 【確定月】10月 | ||||
4万5900円 (459円×100株) |
500円 (10月のみ) |
2.94% | 1.09% | 1.85% | |
【備考】今回から株主優待の内容を一部変更。300株で1000円分のQUOカード。 | |||||
5位 | ◆泉州電業(9824) 【確定月】10月 | ||||
53万3000円 (5330円×100株) |
1000円 (10月のみ) |
2.44% | 0.19% | 2.25% | |
【備考】1年以上の継続保有で2倍に増額。 | |||||
※最低投資額や利回りは2022年9月29日時点。順位は株主優待と配当の合計利回りで決定。 |
10月は、株主優待を実施する株の総数が約30銘柄で、もともと数が少ない。その中で「QUOカード」を株主優待品としているのは、萩原工業(7856)、ケア21(2373)、学情(2301)、ティビィシィ・スキヤツト(3974)、泉州電業(9824)の5銘柄だ。いずれも年1回、10月のみ株主優待を実施している。
その中で「株主優待+配当利回り」がもっとも高いのは4.40%の萩原工業で、唯一、利回りが4%を超えている。続く利回りランキング2位のケア21、3位の学情は「株主優待+配当利回り」が3%台。そして、4位のティビィシィ・スキヤツトと5位の泉州電業は利回りが2%台だ。
1回にもらえる「QUOカード」の金額は、学情が3000円分でダントツのトップとなっている。ただし、最低投資額も71万3500円とかなり高額だ。実は、学情は今回から株主優待の内容を変更していて、株主優待の獲得に必要な株数を従来の100株⇒500株に引き上げた一方、「QUOカード」の金額も500円分⇒3000円分にアップしている。必要株数が5倍で、もらえる「QUOカード」の金額が6倍なので、利回り的にはこれまでより拡充していると言える。
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⇒学情(2301)、株主優待を変更! 権利獲得に必要な最低株数が100株⇒500
株に変更も、QUOカードの額面も500円⇒3000円に
学情以外の4銘柄の「QUOカード」の金額は、萩原工業、ケア21、泉州電業の3銘柄が1000円分で、ティビィシィ・スキヤツトのみ500円分だ。ただ、ティビィシィ・スキヤツトは必要投資額が4万5900円と5銘柄の中でもっとも少なく、5万円を下回っている。必要投資額を抑えつつ「QUOカード」を獲得したいという人にとっては、選択肢になるだろう。
ちなみに、ティビィシィ・スキヤツトは昨年まで1万株以上を保有している場合、1万株では3000円相当、3万株以上では5000円相当の美容商材詰め合わせがもらえた。しかし、今回から美容商材の株主優待は廃止したため、100株と300株以上の区分の「QUOカード」優待のみとなっている。
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⇒ティビィシィ・スキヤツト(3974)、株主優待を変更! 100株以上と300株以上で「QUOカード」がもらえる点は変わらず、1万株以上の株主に向けた優待を廃止に
長期保有優遇制度があるのは、萩原工業と泉州電業の2銘柄。泉州電業は1年間の継続保有で「QUOカード」の金額が1000円分⇒2000円分にアップする。また、萩原工業は3年間の継続保有で、株主優待品が1000円相当⇒2000円相当になる。同社の株主優待品は選択制で、選択肢に「QUOカード」があるのは1000円相当の株主優待のみだが、株主優待の金額の範囲内で好きな商品を複数選べるため、長期保有時に1000円分の「QUOカード」を2枚を選ぶこともできる。
10月に権利を獲得できる「QUOカード」優待全5銘柄について
「株主優待+配当利回り」や優待内容などを詳しく解説!
ここからは「【2022年10月】QUOカードの優待利回りランキング!」の全5銘柄について改めて詳しく見ていこう。
「株主優待+配当利回り」ランキングの第1位は、利回り4.40%の萩原工業(7856)だ。運動会やキャンプで使われるレジャーシートのほか、合成樹脂製品や機械製品などの製造・販売を手がけている。2022年10月期の通期の業績予想は、増収ながらも2ケタの減益を見込んでいる。
株主優待は、100株で1000円相当、1000株以上で3000円相当の選択制ギフト。内容は自社製品や岡山県の特産品などで、各3~4品から欲しいものを選べる。100株の場合、今期の選択肢は1000円分の「QUOカード」、マスキングテープ10巻きセット、自社製品の和みシート(2畳)、さらに岡山県倉敷市にある大原美術館のオンラインツアーへの参加の4種類。また長期保有優遇制度もあり、3年以上の継続保有で、株主優待の金額が区分ごとに2倍になる。
■萩原工業 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
その他製品 | 7856 | 東証プライム | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
1047円 | 100株 | 10万4700円 | 4.40% |
※株価などのデータは2022年9月29日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
第2位は、訪問介護や居宅介護支援、介護付有料老人ホームの運営など、さまざまな福祉サービスを展開しているケア21(2373)で、「株主優待+配当利回り」は3.41%。株主優待は、100株以上で一律1000円分の「QUOカード」だ。
なお、2022年10月期は第3四半期決算発表のタイミングで通期の業績予想を下方修正していて、増収ながらも2ケタの減益を見込んでいる。ただし、配当については前期比で実質2円の増配を予定している。
■ケア21 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
サービス業 | 2373 | 東証スタンダード | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
791円 | 100株 | 7万9100円 | 3.41% |
※株価などのデータは2022年9月29日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
「株主優待+配当利回り」が3.01%で3位となったのは、20代向け転職サイト「Re就活」や、新卒学生向け就職サイト「あさがくナビ」などを展開する学情(2301)だ。今回から株主優待の制度を変更していて、500株以上で3000円分の「QUOカード」がもらえる。
2022年10月期は、前期までとは異なる収益認識会計基準を適用しているため、前期比の業績予想は出していない。ただし、従来基準で計算した場合、第3四半期までの累計売上高は前年同期比で2ケタ増となっていて、順調に売上げを伸ばしている。
■学情 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
サービス業 | 2301 | 東証プライム | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
1427円 | 500株 | 71万3500円 | 3.01% |
※株価などのデータは2022年9月29日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
第4位は「株主優待+配当利回り」が2.94%のティビィシィ・スキヤツト(3974)。美容サロン向けの顧客・売上管理システムなどの開発・販売が中核事業だが、中小企業向けのビジネスサービスや介護サービスの事業も手がけている。 2022年10月期の通期の業績予想は増収増益で、前期比1.5円の増配も予定している。
株主優待の内容は、100株で500円分、300株で1000円分の「QUOカード」。なお、今回から一部内容を変更。具体的には昨年導入した1万株以上の保有株主への株主優待(美容商材詰め合わせ)を廃止している。
■ティビィシィ・スキヤツト | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
情報・通信業 | 3974 | 東証スタンダード | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
459円 | 100株 | 4万5900円 | 2.94% |
※株価などのデータは2022年9月29日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
第5位は、電線専門商社の泉州電業(9824)で、「株主優待+配当利回り」は2.44%。各種電線・ケーブルの販売や、それに伴う電線加工やネットワーク工事、システムソリューションなどを手がけている。株主優待は、100株以上で一律1000円分の「QUOカード」。長期保有優遇制度もあり、1年以上の継続保有で「QUOカード」の金額が2倍の2000円分にアップする。
なお、2022年10月期の通期の業績予想は2ケタの増収増益を見込んでいて、前期比30円の増配も予定している。
■泉州電業 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
卸売業 | 9824 | 東証プライム | 10月末 |
株価 (終値) |
必要株数 | 最低投資額 | 株主優待+ 配当利回り |
5330円 | 100株 | 53万3000円 | 2.44% |
※株価などのデータは2022年9月29日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 ※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。 |
以上、2022年10月の株主優待で「QUOカード」がもらえる全5銘柄を紹介した。
銘柄数は非常に少ないが、「株主優待+配当利回り」が4%を超える高利回り銘柄もあれば、5万円以下で買える「お手頃」優待もある。また必要投資額は高いが、3000円分の「QUOカード」を獲得できる銘柄もあり、バラエティに富んでいる。全体相場は足元で下落基調となっているので、個々の株価動向や業績予想を十分確認したうえで、目当ての「QUOカード」銘柄を確実に獲得しよう!
(構成・文/肥後紀子)
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