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「株価上昇による資産増大」+「リベンジ消費ブーム」で、
外食業界やアパレル業界、旅行・宿泊業界が大幅な回復傾向に!
日本銀行調査統計局が6月27日に発表した「2023年第1四半期の資金循環(速報)」によると、個人が保有する預金や株式などの金融資産は3月末時点で2043兆円、伸び率は2022年の同期比で1.1%増でした。内訳を見ると「現金・預金」が同1.7%増の1107兆円で全体の54.2%を占め、あとは保険・年金・定額保証が同0.4%減の534兆円、そして株式が同2.7%増の226兆円となっていました。
ちなみに、3月末時点の日経平均株価は2万8000円辺りでしたので、現在の金融資産、特に株式の金額は、先ほどの数値からさらに膨らんでいると思われます。
これらの積み上がった株式資産は、すべてが貯蓄のままでいるわけではなく、その一部は消費に回されて経済を潤すことにつながるでしょう。最近はコロナ禍で消費活動が抑えられていた反動で、いわゆる「リベンジ消費」が活発であることからも想像にかたくありません。
実際、コロナ禍で苦戦していた外食業界やアパレル業界、旅行・宿泊業界などは大幅な回復傾向が見られます。今年のゴールデンウイークを振り返っても、さまざまな行楽地が多くの人で溢れていたかと思います。
訪日外国人による「インバウンド需要」の増加により、
大幅な売上アップが見込める「高額消費」関連銘柄に注目!
一方、足元で訪日外国人旅行者が増え、インバウンド需要の増加傾向が続いていることも各種の消費を後押ししています。
日本政府観光局によると、2023年5月の外国人旅行者は推計189万8900人に達したとのことです。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年5月の数字と比べると、まだ6割程度の回復ではありますが、消費においてはコロナ禍前のレベルまで戻っている分野もあるようです。例えば、円安によって欧米の方が「自国で購入するよりも日本で買ったほうが得」と考え、日本で高級ブランド品などを購入していく動きもよく見られます。
また、今年はスポーツイベントが多数控えているほか、全国の花火大会も4年ぶりに開催されます。こうした日本の各所で復活するイベントに合わせ、日本を訪れる訪日外国人観光客はますます増えていくことが予想されます。
なお、中国からの訪日観光客は、いまだに団体旅行が解禁されていないこともあり、まだ回復は鈍いようですが、こちらに関しても9月末から始まる国慶節の連休から再び増加してくることが期待できます。
そこで今回は、急速に回復しつつある「消費」に着目。特に「リベンジ消費」や「インバウンド消費」の増加によって大幅な売上増が見込まれる「高額消費」の関連銘柄を紹介します。具体的な銘柄は、「月次売上高」や「話題性」「株価・チャート」などを考慮して選定しました。
【高島屋(8233)】
5月の免税売上高が前年比+254.8%と大幅にアップ!
高島屋(8233)は、6月15日に5月度の営業報告を発表。新型コロナウイルスの5類移行の影響もあり、夏物衣料などが堅調だったことに加えて免税売上高が伸長したことで、前年実績を上回りました。なかでも免税売上高は、前年比で+254.8%と大幅に増加しました。株価は、4月25日につけた高値2091円をピークに調整が続くなか、200日移動平均線が下値支持線として意識されています。さらに、52週移動平均線がサポート線となることが期待されるので、今後100円程度の調整があった際は押し目買いのチャンスと言えるでしょう。
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【松屋(8237)】
銀座松屋で富裕層を中心としたカテゴリーが好調に推移
松屋(8237)は、6月12日に発表した5月売上報告によると、銀座店の売上高が前年同期比42.7%増、コロナ禍前の2019年5月と比べても約17%増でした。化粧品やラグジュアリーブランド、時計といった銀座店の強みとなる富裕層中心のカテゴリーが、好調に推移しました。また、免税売上の銀座店全体に占めるシェアも、約27%超とコロナ禍前の水準を回復しています。株価は足元で調整の動きも見られますが、中長期では切り上がる52週移動平均線を上回っての上昇トレンドが続いており、押し目買いのスタンスとなります。
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【セイコーグループ(8050)】
世界的な高級腕時計の市場拡大を狙った新店舗をオープン
セイコーグループ(8050)は6月24日、銀座並木通りに「グランドセイコーフラッグシップブティック 銀座並木通り」をオープン。世界的に高級腕時計の市場が拡大していることから、回復しつつあるインバウンド需要を取り込みたい考えのようです。また、6月9日から、大谷翔平選手の新CM公開記念として「大谷翔平選手 ボブルヘッドキャンペーン」を実施。税込11万円以上の購入が対象となるため、高額消費を後押ししそうです。株価は、2022年11月の高値3505円をピークに調整が続いており、足元で2500円水準での攻防を見せています。ボトムを見極めつつ、押し目買いのスタンスで臨みましょう。
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【コメ兵ホールディングス(2780)】
世界的なブランド物の人気が高まり、中古品のニーズも増加
コメ兵ホールディングス(2780)は、6月6日発表の5月度月次売上高が前年同期比34.1%増の60億1200万円でした。インバウンド需要の増加に加え、国内でも外出する人が増加していることで、ブランド物のカバンや洋服などが好調だったようです。また、人気のブランドバックなどは百貨店でも入荷待ちで手に入りづらく、中古品のニーズが高まっているなか、訪日外国人にとっては「日本で売られている中古品に偽物はない」といった安心感があるようです。株価は5月以降、上昇トレンドが強まっており、過熱感が意識されることから押し目買いを狙いたいところです。
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【藤田観光(9722)】
宿泊施設の客室単価や稼働率が予想以上に上昇!
藤田観光(9722)は、インバウンド市場で大幅な需要回復が見られたほか、行動制限の緩和に伴って国内市場においても観光需要の回復が続いています。各事業とも、宿泊部門においてADR(客室単価)と稼働率が当初予想以上を超えて上昇したことで、5月11日には2023年12月期・第1四半期の業績発表と併せて、通期業績予想を上方修正しました。株価は、上方修正をきっかけに“材料出尽くし”と見られたのか、足元で調整が続いています。ただ、26週移動平均線まで下げてきていることから、押し目買いの好機となりそうです。
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以上、今回は「高額消費」の関連銘柄を発掘しました。
ちなみに最近では、物価上昇やエネルギー価格の高騰の影響によって、さまざまな製品・サービスの値上げが相次ぎ、家計を圧迫しているといった報道が連日のように見られます。ワイドショーでは「日経平均株価のバブル後の戻り高値更新」は大きく取り上げられることがない一方、「野菜価格の上昇」などが話題の中心となっています。読者の皆様も、「これまで我慢してきたのだから……」という大胆さも良いですが、財布の紐を緩め過ぎて家族に怒られないようご注意ください。
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