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防衛省は「ドローンの大量投入」と「AI活用」を
“新しい戦い方”と定義して、防衛政策の重要課題に!
防衛省は8月31日、2027年度予算において、過去最大となる8兆8908億円の概算要求を計上しました。そのなかで「安価な無人機の大量投入」と「AIを活用した超高速の戦闘」を「新しい戦い方」と定義し、その対応を一段と加速する方針を明らかにしました。
ロシア・ウクライナ戦争で、ウクライナ軍は、数十万円という低コストのドローンで、ロシア軍の数億円もする戦車や100億円を超える爆撃機を無力化しています。一方、中東では、イランが安価な自爆ドローン「シャヘド」で湾岸諸国に駐在する米軍基地を攻撃。米軍や湾岸同盟国は1発で400万米ドル(約6億2000万円)する地対空誘導弾「パトリオット」を使って迎撃する、高コストの防御を余儀なくされています。
この非対称性が、伝統的な軍事予算の常識を覆し、安価なドローンでリアルタイムに偵察、攻撃する「新しい戦い方」が広がっています。この流れを受け、日本の自衛隊も民生品を活用した安価で短期間に大量生産できる長距離飛行可能なドローンの開発や自衛隊の指揮統制に活用するAI導入など新しい戦い方への対応が求められています。
ドローンに関しては、開発手法から見直しが必要です。ドローンの技術進化は凄まじく、従来の自衛隊が行ってきたような「開発に10年かけて100%の完成度を目指す」手法では、完成品が現場に届いたころには技術が時代遅れになってしまいます。
そのため防衛省は、民間の防衛スタートアップ企業などの技術を素早く取り込む「早期装備化」を推進。「最初から100%を求めず、とにかくまず部隊で使ってみる」という手法に変革し、実戦的なアップデートを繰り返す手法へ切り替えるとしています。
攻撃してくるドローンを無力化する小型の電波妨害装置や
高出力レーザーなどの「カウンタードローン」技術の需要が急増
世界中でドローンの開発と配備が急加速するなか、並行して求められるのがドローンを検知・識別し、無力化(捕獲・撃墜・機能停止)する「カウンタードローン」の技術です。
ウクライナ軍では、前線の兵士や車両1台ごとに小型の電波妨害装置(携帯型ジャマー)を配備する「電子戦の日常化」が進んでいると報じられています。これにより、毎月数万機のドローンが電子戦によって無力化されているそうです。
また、従来の電波妨害が効かない「AIによる自動操縦ドローン」が登場しており、これに対抗するために高出力レーザーやマイクロ波でドローンの電子基板を焼き切る技術の開発も進んでいます。
米国の市場調査会社フォーチュン・ビジネス・インサイトによれば、侵入してきたドローンを発見し、対処するカウンターUAS(無人航空機システム)の市場規模は、2026年の144億1000万ドル(約2兆2300億円)から2034年には552億5000万米ドル(約8兆5600億円)へ、年平均22.4%の割合で成長すると予測されています。
そこで今回は「カウンタードローン」関連銘柄に注目しました。具体的な銘柄としては、中核的な位置づけとなるTerra Drone(278A)に加え、主力の大型銘柄を中心に紹介します。
【Terra Drone(278A)】
国産迎撃ドローン「Terra B1」が量産調達契約を締結
Terra Drone(278A)は、産業用ドローンの各種サービスを展開しています。8月25日、防衛装備庁が実施する「迎撃ドローン早期取得プログラム」において、Terra Droneの国産迎撃ドローン「Terra B1」が実証試験を単独で通過し、量産調達契約を締結したことを発表。ウクライナなどの実運用環境で得られた迎撃ドローンの知見と、日本企業ならではの制度対応力を組み合わせ、国産迎撃ドローンの量産化を進めるとしています。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを形成。9月7日に2万3400円まで買われた後、調整を見せており、押し目買いのタイミングを見極めたいところです。
Terra Drone(278A)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【豊和工業(6203)】
国産ドローン開発のプロドローンに出資し、迎撃ドローンの開発を進める
豊和工業(6203)は、防衛省向けに小銃や手榴弾などの小火器を手掛けています。9月7日、国産ドローン開発のプロドローンに出資し、迎撃用ドローンの共同開発と、ドローン量産に向けた工場建設を発表。プロドローンが実施する第三者割当増資を引き受け、すでに共同開発中の対処型ドローンの実用化を目指すとしています。株価は、52週移動平均線付近での攻防を見せていましたが、直近で急伸して2月以来の年初来高値を更新。いったんは利食いが入ると見られますが、2017年10月につけた高値2876円が射程に入ってくるでしょう。
豊和工業(6203)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【ACSL(6232)】
迎撃ドローンに関し、今後開発を進める可能性を示唆
ACSL(6232)は、防衛省・防衛装備庁の入札において、小型空撮機体「SOTEN(蒼天)」などに関する大型案件を相次いで落札しました。ACSLの共同経営責任者の寺山昇志は7月、メディアの取材で、迎撃ドローンについて「技術はあり、今後開発していく可能性はある」と述べています。株価は5月12日に一時4130円まで急伸した後、調整が続いており、直近で52週移動平均線を割り込んできました。売り一巡が意識されやすく、押し目買いのスタンスで臨みましょう。
ACSL(6232)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【双葉電子工業(6986)】
防衛・防犯用途での新たなユースケースの創出を計画
双葉電子工業(6986)は無線操縦機器を手掛けており、ホビーラジコンのRC用送信機では世界的に高いシェアを有しています。ドローンについては、機体開発から運用支援までの一貫したドローン機体ソリューション提供体制を強化。これまでの防災・点検用途に加え、防衛・防犯用途など新たなユースケースの創出に向けて取り組む計画を進めています。なお、一部では、双葉電子工業の無線通信技術はジャミング(電波妨害)に強く、カウンタードローン技術にも深く関わってくるとの見方もされているようです。株価は、上向きで推移する25日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを見せており、足元で5月の高値828円に接近しています。高値更新に加え、2021年3月以来となる1000円の大台回復が意識されてきそうです。
双葉電子工業(6986)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【川崎重工業(7012)】
ドローン撃墜用の艦載型高出力レーザー装置を開発
川崎重工業(7012)は造船、航空機、鉄道車両などを手掛ける大手重工業です。2025年5月に開かれた防衛装備品の見本市「DSEI Japan 2025」において、ドローン撃墜のための艦載型高出力レーザー装置のコンセプトを公開しました。なお、2026年6月には、欧州エアバスグループのAirbus D&S社と、滞空型無人機分野における協業に向けた覚書を締結しました。株価は、3月の高値3766円(分割考慮済)をピークに調整を継続。ただ、長期的な上昇トレンドに対する調整とも捉えられるので、24カ月線が位置する2200円辺りが押し目買いの好機になりそうです。
川崎重工業(7012)チャート/月足・3年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【NEC(6701)】
三菱重工業と防衛分野における戦略的提携を進める
NEC(6701)は、防衛省向けの指揮統制システムや水上艦用のソーナーなどの情報通信技術に強みを持ちます。2026年9月、三菱重工業(7011)と防衛分野における戦略的提携に向けた覚書を締結。 防衛装備品の製造技術と指揮統制システムを融合させ、ドローンとAIを組み合わせた次世代防衛システムの構築に取り組むとしています。株価は、直近で52週移動平均線を割り込み、13週移動平均線に接近しています。13週移動平均線が下値支持線となってリバウンドを見せるか、見極めたいところです。
NEC(6701)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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以上、今回は「カウンタードローン」関連銘柄を発掘しました。
なお、当連載では過去に「ドローン」関連銘柄や「防衛」関連銘柄を解説しているので、興味のある方はそちらもご参照ください。
【※関連記事はこちら!】
⇒「ドローン」関連銘柄を紹介!「ASCL」「ブルーイノベーション」など、航空法改正による規制緩和でビジネスチャンスが広がった「ドローン」関連銘柄に注目
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