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「2ナノ半導体」の量産を目指すラピダスに対する支援として、
経産省は2027年度に1500億円の追加出資を要求へ
日本経済新聞など一部報道機関は8月21日、経済産業省が2027年度予算概算要求において、最先端半導体の量産化を目指すラピダスへの追加の出資金1500億円を盛り込むことが判明したと報じました。政府はこれまでに2500億円をラピダスに出資しており、もしこの話が実現すれば出資額は合計4000億円に達します。
ラピダスは、2nm(nm=ナノメートルは10億分の1メートル)世代の製造プロセスを用いた最先端ロジック半導体「2ナノ半導体」の量産を目指しています。半導体は「産業のコメ」と呼ばれ、今や国力の根幹にかかわる戦略物資です。現状、世界の先端半導体生産の約9割を台湾が占めており、もし台湾有事が起きると半導体の流通が滞り、日本経済は甚大な打撃を受けることになるでしょう。
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この状況を打開すべく設立されたラピダスです。ラピダスは、世界最先端の2nm半導体の2020年代後半の量産を目指し、政府の支援のもと、トヨタ(7203)やソニー(6758)、NTT(9432)など国内大手8社の出資によって2022年8月に設立されました。
その後ラピダスは、2025年7月に2ナノGAAトランジスタの動作確認に成功。量産に向けた重要な技術的ハードルを一つクリアし、事業化への準備を着実に進めています。
「2ナノ半導体」は、データセンターの高性能化と
電力消費抑制を達成するために欠かせない次世代デバイス
半導体は、より高速かつ大容量の処理を目指して進化を続けていますが、その鍵を握るのが「回路の微細化」です。TSMCによると、同社の2ナノ半導体は、3ナノ半導体と比べて処理能力が10~15%高く、消費電力が25~30%削減できるとのことです。データセンターの高性能化と電力消費抑制を同時に達成するために欠かせない技術として期待されています。
例えば、現行のiPhone 17は3ナノ半導体が搭載されていますが、2026年秋に発売予定の新型iPhoneには2ナノ半導体の採用が有力視されています。
そこで今回は「2ナノ半導体」関連銘柄に注目しました。銘柄としては、2ナノ世代の最先端半導体で採用される新構造「GAA(Gate-All-Around)」に対応する製造装置の開発に注力する東京エレクトロン(8035)や、超精密な2ナノ半導体に対応した検査装置の大手アドバンテスト(6857)、シリコンウエハなど半導体の基盤材料を手掛ける信越化学工業(4063)あたりが中核的な銘柄として意識されそうです。
そのため、今回は上記の中核銘柄以外で「2ナノ半導体」に関わる製造装置や検査装置、部材、工場インフラ、産業ガスなどを手掛ける企業を選定します。
【SCREENホールディングス(7735)】
2ナノ半導体の製造に用いられる枚葉式洗浄装置を手掛ける
SCREENホールディングス(7735)は、シリコンウエハを搬送するロボットやチャンバ(真空容器)の構成などの改善により、世界最高水準となる毎時1200枚の処理能力を実現した枚葉式洗浄装置を製造しています。枚葉式洗浄装置は、シリコンウエハ表面に当たる薬液の圧力や温度、超音波の振動エネルギーなどを精密に制御できるため、GAA構造の2ナノ半導体の製造に欠かせない装置です。株価は、7月1日につけた高値19770円をピークに調整が続いていましたが、足元で26週移動平均線を下値支持線とした底堅さが見られるため、押し目買いを狙いたいところでしょう。
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SCREENホールディングス(7735)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【富士通(6702)】
2ナノ半導体の設計開発に関する研究が政府の支援対象に
政府は4月、ラピダスの将来的な需要創出につながる2ナノ半導体の研究開発に対し、公的支援を行うと発表。富士通(6702)と日本IBMがその対象に選ばれ、経済産業省が所管するNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)を通じて支援が行われます。富士通が日本で設計し、ラピダスが日本で製造する「国産サプライチェーン」の構築が期待されます。株価は、3100~3900円のレンジ相場を継続。今後、52週移動平均線辺りでの底堅さが見られるようだと、レンジの上限突破が見込まれます。
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【セイコーエプソン(6724)】
インクジェットなどで培った技術を半導体製造プロセスに活用
ラピダスは2026年4月、北海道千歳市にあるセイコーエプソン(6724)の液晶工場の1フロアを借り、約9000平方メートルのクリーンルームを備えた研究開発拠点「Rapidus Chiplet Solutions(RCS)」の開所を発表。セイコーエプソンは、インクジェットプリンターや時計製造で培った技術を半導体製造プロセスへ適用するなど、ノウハウの融合が期待されます。株価は、8月12日につけた3310円をピークに足元で調整を見せています。ただ、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドは続いているので、同線に接近する局面は押し目買いの好機となりそうです。
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【日本酸素ホールディングス(4091)】
ラピダスの工場敷地内に「大陽日酸 千歳ガスセンター」を開設
日本酸素ホールディングス(4091)は、グループ会社の大陽日酸が2023年6月、ラピダスが北海道千歳市に建設した次世代半導体工場のガス関連設備工事の設計施工者およびバルクガスの供給者に選定されました。工場の敷地内に「大陽日酸 千歳ガスセンター」を開設し、ガスを供給しています。株価は5500~6500円辺りでのレンジ推移を見せています。52週移動平均線が下値支持線として機能しているため、同線付近からのリバウンドを狙いたいところです。
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日本酸素ホールディングス(4091)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます拡大画像表示
【野村マイクロ・サイエンス(6254)】
半導体の微細化で重要度が高まる「機能水・機能水」に強み
野村マイクロ・サイエンス(6254)は、水から不純物を取り除いた「超純水」や、超純水にオゾンや水素などの特定のガスを溶け込ませて洗浄力を極限まで高めた「機能水」に関する技術が強みです。2ナノ半導体から採用される複雑なGAA構造の洗浄には、この機能水が用いられるため、次世代半導体の微細化トレンドにおいて同社の技術への需要拡大が見込まれます。株価は、6月22日につけた高値5500円をピークに調整が続いています。足元で52週移動平均線を割り込み、調整一巡感が意識されることから、上昇トレンドへの転換が期待されます。
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野村マイクロ・サイエンス(6254)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【ジャパンマテリアル(6055)】
特殊ガス供給のトータルソリューション体制
ジャパンマテリアル(6055)は、半導体製造に使われる特殊ガスや化学薬品の供給装置を手掛けており、さらに工場全体の稼働・維持を一括でサポートしています。半導体製造に使う特殊ガスは強い毒性・可燃性があるため、半導体の回路が微細化するほど、ガスの流量や圧力に対する制御の精密さが求められます。株価は、7月1日につけた高値2770円をピークに調整が続いていますが、52週移動平均線が下値支持線として意識されており、押し目狙いのスタンスがおすすめです。
ジャパンマテリアル(6055)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます拡大画像表示
以上、今回は「2ナノ半導体」関連銘柄を発掘しました。
なお、当コラムでは過去にも「2ナノ半導体」関連や2ナノ半導体の製造に欠かせない「EUV」関連銘柄を紹介してきました。興味のある方は、ぜひそちらの記事も参考にしてください。
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