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コーポレートベンチャーキャピタルの90%が、
「ベンチャー企業への投資額を昨年より減らす」と回答!
デロイトトーマツベンチャーサポートのアンケート調査によると、2020年4月の段階で、大企業の投資子会社(コーポレートベンチャーキャピタル)の90%が「2020年のベンチャー企業への投資額を2019年より減らす」、31%が「2020年の投資額を2019年の半分未満に抑える」との意向を持っていることがわかったそうです。
また、デロイトトーマツベンチャーサポートの別のアンケート調査では、国内スタートアップ企業の42%が「半年以内に資金が枯渇する可能性がある」という懸念を持っていることが判明しました。
こうした調査結果から、現在はベンチャー企業にとっての少しでも資金が欲しい状況にある一方、お金の出し手であるコーポレートベンチャーキャピタルは「今はそれどころではない」という状況にあることがわかります。これは、日本経済全体の活力低下という意味で、非常に気掛かりな状況と言えるでしょう。
新型コロナの影響を受けた事業者に対して、
「クラウドファンディング」を活用した支援が拡大!
そんな厳しい環境の中、新型コロナウイルスで業績が悪化した事業者に対して、精力的に支援活動を行う企業や個人も登場しています。そこでよく利用されているのが、「クラウドファンディング」です。
例えば、日立製作所(6501)は5月18日、社内アイデアコンテストに寄せられた案をもとに、クラウドファンディングを活用して、新型コロナウイルスの影響を受けている小規模事業者や起業家、農業従事者などの支援を行うと発表しました。
具体的には、小規模事業者などへの融資を支援する米国のNPO団体・Kiva Microfunds (以下、キヴァ)が新しく立ち上げた新型コロナウイルス対応プログラムに参画し、100万米ドル(約1億円)を融資。融資した資金は4年間運用した後、キヴァの運営費として全額寄付する予定とのことです。
他にも、日立製作所ほどの規模ではないものの、新型コロナウイルスの感染拡大により苦しい状況に陥っている事業者に対し、クラウドファンディングを利用して支援や融資を行う企業と個人が増えています。実際、クラウドファンディングのサイトを見ると、医療崩壊の防止に向けた支援や中止に追い込まれているイベントの支援、地域や街で飲食店の応援といったプロジェクトが数多く並んでいます。
こうしたクラウドファンディングを活用した支援活動は増加傾向にあり、その流れは今後ますます大きくなっていくと予想されます。それに伴い、「クラウドファンディング」に関わる企業の成長も期待できるでしょう。
そこで今回は、「クラウドファンディング」関連銘柄に注目したいと思います。
クラウドファンディングは、大きく分類して
「寄付型」「購入型」「融資型」「株式投資型」の4タイプ
クラウドファンディングとは、「Crowd(群衆)」と「Funding(資金調達)」を組み合わせた造語で、ざっくり分けると「寄付型」「購入型」「融資型」「株式投資型」の4タイプに分類できます。
「寄付型」と「購入型」は、「お金を出して事業者を支援(応援)する」という点では同じですが、支援に対するリターンの有無が大きな違いとなります。
「購入型」のクラウドファンディングでは、応援購入の返礼としてプロジェクトの実行者からリターンを受け取ることができます。リターンの内容は、完成した製品や特別割引券、特別イベントの参加、お礼の手紙などプロジェクトによってさまざまで、応援金額によって異なるリターンが設定されている場合もあります。また、設定された目標金額に応援金額が達しなければ、プロジェクト自体が非成立となるタイプもあります。
それに対して「寄付型」は、純粋に社会貢献を目的としたクラウドファンディングで、基本的にリターンは発生しません。ただ、厳密に言えば、非金銭的なものであればリターンを設定することは可能です。
一方、「融資型」と「株式投資型」のクラウドファンディングは、より投資的な意味合いが強くなります。
「融資型」は「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、投資家から集めた小口の資金をもとにクラウドファンディング業者が事業者に融資を行い、その利息を含めた返済金を投資家に分配します。融資先はさまざまで、マンションやオフィスビルといった収益性不動産物件に投資する「不動産投資系」のソーシャルレンディングも少なくありません。
最後の「株式投資型」は、クラウドファンディングを通じて非上場企業に出資し、その対価として上場前の株式を受け取ります。ベンチャーキャピタル的なクラウドファンディングと言えるでしょう。
「クラウドファンディング」関連の上場企業は少ないので、
ストレートにサービスの運営会社に注目!
具体的な「クラウドファンディング」関連銘柄の選び方ですが、実は「不動産投資系」を除くと、クラウドファンディングに関連する上場企業はそれ程多くはありません。「不動産投資系」を対象外としたのは、「新型コロナウイルスに関連する支援」という今回の切り口からは需要が期待しづらいためです。
そこで今回の銘柄発掘では、シンプルにクラウドファンディングサービスを運営している企業とその関連会社をピックアップしました。
【マクアケ(4479)】
アリババグループのAlifishとの業務提携を発表
マクアケ(4479)は、「購入型」を中心としたクラウドファンディングの大手です。上場直後となる2019年の12月18日に、アリババグループのAlifishとの業務提携を発表。お互いに自社のプラットフォームを利用する事業者を紹介することで、日本および中国の企業がそれぞれの地域に進出する際に相互サポートを行えるようになり、成長期待が高まっています。
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【クラウドワークス(3900)】
「マクアケ」と原稿の編集や写真・動画制作などで連携
クラウドワークス(3900)は、クラウドソーシングサービスを手掛ける企業であり、直接クラウドファンディングサイトを運営しているわけではありませんが、原稿の編集や写真・動画の制作、デザイナー業務などに関して前出のマクアケと連携していることから、「クラウドファンディング」関連銘柄として取り上げました。
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【ふくおかフィナンシャルグループ(8354)】
購入型クラウドファンディング「エンニチ FUNDING」を運営
ふくおかフィナンシャルグループ(8354)は、傘下のiBankマーケティングが購入型クラウドファンディング「エンニチ FUNDING」を運営。地銀グループが運営しているだけあって、地域の魅力的なモノ・コトにスポットライトを当て、支援者と地域をつなぐ活動を目指しています。
⇒ふくおかフィナンシャルグループ(8354)の最新の株価はこちら!
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【ZUU(4387)】
連結子会社化が「株式投資型」クラウドファンディングを運営
ZUU(4387)は、連結子会社化のユニコーンが「株式投資型」クラウドファンディングのプラットフォームを運営しています。ユニコーンは、プロジェクトにもよりますが、「購入型」クラウドファンディングと比較すると必要資金(投資額)がやや高額な案件が多いのが特徴です。また、企業支援サポートも提供しています。
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【SBIホールディングス(8473)】
「融資型」のクラウドファンディングサービスを展開
SBIホールディングス(8473)は、傘下のSBIソーシャルレンディングが「融資型」のクラウドファンディングサービスを展開しています。SBIホールディングスは、以前に「第4のメガバンク」構想を掲げて市場の関心を集めたこともあり、投資家であれば、自身のポートフォリオに入れるか否かに関わらず中長期的に動向を追っていくべき銘柄だと思います。
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現在はまだクラウドファンディング自体の知名度が低く、実際そこにお金を投じたことのある人は限られているかと思います。しかし、その状況は徐々に変わっていく可能性があります。
多くの自治体で緊急事態宣言が解除されたことにより経済活動の再開に向けた流れが見られる一方で、「日本経済はこのままV字回復する」と予想する関係者は少なく、今後も新型コロナウイルス対策と経済対策を両立しながらの長期戦が強いられることになるでしょう。
例えば、緊急事態宣言を受けて苦境に立った飲食店は、この状況を打開しようとテイクアウトやデリバリー、時短営業、一時休業など、自分たちの力でできることにチャレンジしてはいますが、それでも平常時の収益を取り戻すには程遠く、辛うじて倒産せずに踏みとどまっている状態の店も少なくありません。
そうした社会状況の中で、さまざまな支援策を打ち出す企業や団体、個人が現れてくることで、今後「クラウドファンディング」の注目度が高まり、需要も増大していくのではないかと考えています。
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