コロナ禍でも強い「外食優待株」の特徴とは? 人気の外食優待株「すかいらーくホールディングス(3197)」「クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)」「鳥貴族(3193)」のアナリストによる“現状分析”も公開!
発売中のダイヤモンド・ザイ9月号は、特集「ウィズコロナ時代の【株主優待】新常識&カタログ47」を掲載! 新型コロナウイルスの影響で、私たちの日常は激変したが、生活様式の変化に伴い、株主優待の“常識”にも変化が生じている。そこで、この特集では、株主優待好きの有名個人投資家の座談会や、コロナ禍のなかでも注目される株主優待株をカタログ形式で紹介。金融危機に直面しても、株主優待を廃止・改悪する恐れの少ない銘柄の見極め方もまとめているので、株主優待株に投資したい人なら必見だ!
今回はこの特集から、株主優待株のカタログの一部を抜粋。誌面では32種類のイチオシ株主優待株をカテゴリー別に紹介するほか、もともと人気が高かった「外食優待株」15銘柄を取り上げている。ここでは、外食優待株3銘柄の分析結果をピックアップするほか、外食業界の"今”に関するアナリストの解説も紹介するので、投資の参考にしてほしい!
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「外食業界」は営業時間・立地・業態で明暗が分かれる状況!
株主優待狙いで投資する場合は業績悪化による店舗削減に注意!
新型コロナウイルスの影響で、人々の行動パターンは大きく変化した。その影響を特に強く受けているのが「外食業界」だ。売上が激減している飲食店も多いなかで、外食関係の株主優待株を選ぶときは、一体どんなことに注意すればいいのか。SBI証券の田中俊さんと、いちよし経済研究所の鮫島誠一郎さんに聞いた。
2人の専門家によると、現在の外食業界の大手企業は、新型コロナウイルスによって甚大なダメージを被っているところがある一方、比較的ダメージを軽微にとどめている企業もあり、二極化の様相を呈しているという。
ダメージの程度を分けているのは、「営業時間」「立地」「業態」の3点だ。「営業時間」については、夜間の外出自粛の流れが響いて、夜の営業中心の店は厳しくなっている。また「立地」については、リモートワークが増えたことにより、オフィス街の飲食店からは客足が遠のいた。「業態」としては、テイクアウトを選ぶ客が増えた点が注目される。
この3点を踏まえると、今厳しい状況に置かれている飲食店の筆頭は「居酒屋」。逆に、従来からの強みを発揮し、ダメージを抑えているのは「ファストフード店」ということになる。しかし、内食が増えるなかで、寿司や唐揚げといった家庭で作るのに手間のかかるメニューに関しては、テイクアウト需要も旺盛になっており、テイクアウトに対応している飲食店には、明るい兆しも多少はあると言えそうだ。
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それでは、これから外食優待株を選ぶなら、どんなことに注意すればいいのか。SBI証券の田中さんは、「やはり業績面で言うと厳しい企業が多い」と指摘。「外食株の株価は日経平均株価に釣られて上がっているだけで、業績の実態を表していないものもある」とのことだ。
業績が悪化している外食企業は、業務を縮小する可能性が高い。そのため、「近所のよく行く店で使える優待券がほしい」という理由で外食優待株を買ったとしても、その店が近所から消えるリスクがあることを想定しておかなければならない。
実際、6月にはワタミ(7522)が65店舗、コロワイド(7616)が196店舗の閉店を発表している。さらに7月には、吉野家ホールディングス(9861)も150店舗閉店する予定であることを明らかにした。
その他にも、店舗網の縮小を発表している外食企業は複数あるし、今後も増加する可能性は否定できない。そのため、優待券目当てに外食株を買う場合、いちよし証券の鮫島さんは「優待券が使える店が、近所に3店舗以上ある銘柄を選ぶ」ことを提案する。たしかに、近場で3店舗が一気になくなるというのは考えづらい。慎重すぎるようだが、そこまで考えておかないと、せっかくの株主優待を使うことができず、損をしてしまうリスクがあるということだ。
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人気の「外食優待株」3銘柄のコロナ禍における現状を分析!
株主優待が人気の銘柄は、依然として株価が下支えされる傾向
ここからは、メジャーな外食優待株の“現状分析”を紹介していこう。従来から、自社店舗での食事券などがもらえる外食優待株は、株主優待利回りが高い場合も多く、個人投資家からの人気が高かった。しかし、前述のように、コロナ禍で外食業界は明暗が分かれており、投資する際は普段以上に慎重になる必要がある。そこで、ダイヤモンド・ザイ9月号ではメジャーな外食優待株15銘柄の現状分析を公開! 以下に、そのうちの3銘柄を抜粋する。
まずは、外食優待株の代表格とも言えるすかいらーくホールディングス(3197)だ。
すかいらーくホールディングスは「ガスト」「夢庵」「バーミヤン」など和洋中の幅広いファミレスを展開している企業。5月に2020年12月期の中間配当を無配とすることを発表したばかりだが(期末配当の予想は「未定」)、株主優待は維持する方針だ。株主優待では食事券がもらえるが、利用できる店舗が多様なので、使い勝手がいい。そのため、従来から個人投資家に人気が高く、コロナ禍においても「高い株主優待利回りが、株価をある程度下支えする構図に変わりはない」と、SBI証券の田中さんは分析。スペシャルメニューを出すなど、テイクアウトにも力を入れている。
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続いて紹介するのは、やはり個人投資家からの人気が高いクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)。
クリエイト・レストランツ・ホールディングスは「つけめんTETSU」「雛鮨」などに加え、居酒屋からベーカリーまで多種多様な店舗を展開。株主優待では食事券がもらえるが、テイクアウトできるところを含め、利用可能店舗が全国に多数あるので使い勝手が良い。しかも、積極的なM&Aでグループを拡大しており、使える店舗の種類は年々増えている。なお、コロナ禍で外食しづらい状況が続いたことから、過去に発行した食事券で、2020年5月末が使用期限だったものについては、2020年8月末まで期限を延長。長期継続保有の優遇制度もあり、400株以上を1年以上にわたって継続保有すれば、もらえる食事券が増える。
7月14日に発表した2021年2月期(通期)の連結業績予想は、売上収益が1060億円(前期は1393億2800万円)、営業利益が62億円の赤字(前期は34億8300万円の黒字)、経常利益が70億円の赤字(前期は31億1800万円の黒字)、当期純利益が73億円の赤字(前期は18億1800万円の黒字)。不採算店舗を72店舗閉店するなど、コスト削減に努めているが、当面厳しい戦いを強いられる見通しで、株価も低調。配当予想は未定となっている。
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最後に紹介するのは、居酒屋の鳥貴族(3193)だ。
鳥貴族はメニューが298円(税抜)均一とリーズナブルな価格帯で、主な客層は若者。SBI証券の田中さんによると、「居酒屋の中では競争相手が少ないところが強み」とのこと。株主優待では食事券がもらえるが、過去に発行した食事券で、2020年4月末が使用期限だったものについては、2020年6月末まで期限を延長。店舗の営業は5月末から再開し、7月からは一部店舗でテイクアウトもスタート。夜間の外食にまだ抵抗を覚える人にとっても利用しやすくなっている。
緊急事態宣言下で長期間の休業を余儀なくされ、業績に打撃を受けているが、6月に新たに40億円を借入れたほか、コミットメントライン(※あらかじめ契約した期間・融資枠の範囲内で、銀行からいつでも融資を受けられる契約)を設定し、資金調達手段を確保。2020年7月期は業績・配当ともに予想を公表していない。
さて、ここまでダイヤモンド・ザイ9月号に掲載している特集「ウィズコロナ時代の【株主優待】新常識&カタログ47」から、外食優待株3銘柄の“現状分析”を抜粋した。誌面ではあと12銘柄の外食優待株について分析結果を公開。そのほか、食品や日用品といったカテゴリー別に、イチオシの株主優待株を32銘柄取り上げている。さらに、株主優待好きの有名個人投資家の座談会や、あの株主優待名人・桐谷広人さんの“コロナ籠城生活”なども取り上げているので、誌面も併せてチェックしてほしい!
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コロナ禍で不透明な相場環境の中でも注目すべき株とは?
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今回は、発売中のダイヤモンド・ザイ9月号の特集「ウィズコロナ時代の【株主優待】新常識&カタログ47」から、一部を抜粋してお届けした。
ダイヤモンド・ザイ9月号の大特集は「継続こそ企業の実力!【10年連続株】」! この特集では、10年以上にわたって「高配当を継続」「増配を継続」「増収を継続」「金融資産の保有割合が高い状態を継続」という条件を一つでも満たす銘柄を「10年連続株」と命名。これまで日本株市場はさまざまな国難に翻弄されてきたが、「10年連続株」には危機を乗り越える“底力”を持った銘柄が多い。そこで、特集では「10年連続株」の条件を満たす注目銘柄を、先の4条件の下に分類してピックアップ。ダイヤモンド・ザイ独自の基準でスコアを付け、ランキング形式で紹介しており、投資の参考になるはずだ。
ダイヤモンド・ザイ9月号では、ほかにも読みごたえのある特集を多数掲載! 10年間好成績をキープする投資信託をセレクトした「10年ずっと成績がいい投資信託ベスト15」や、コロナ禍の中で開催された株主総会のレポートをまとめた「2020年【株主総会】事件簿」、「村上ファンド」としてその名を知られた村上世彰さんに聞く「コロナ禍での投資の心構え」など、盛りだくさんな内容となっているので、ぜひチェックを!
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