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アマゾンが決算内容の悪さにより株価急落!
経済再開により、実店舗での買い物が増えたことが主因
7月29日の引け後、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)が投資家をガッカリさせる第2四半期の決算を出しました。
2021年の第2四半期は、EPSこそ15.12ドルと事前予想の12.24ドルを上回ったものの、売上高は1130.8億ドルと予想1150.8億ドルに届きませんでした。なお、売上高成長率は前年同期比+27%でした。
また、第3四半期の売上高も予想1187.2億ドルに対して新ガイダンスは1060億~1120億ドル、営業利益も予想81.8億ドルに対して新ガイダンスは25億~60億ドルと、極めて残念な内容になっています。
期待に応えるちゃんとした決算を出せなかった以上、アマゾンは「売り」です。実際、翌7月30日のアマゾンの株価は、この銘柄としては急落と言える-7.6%で引けました。
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アマゾンの第2四半期の売上高が未達になったこと、そして第3四半期のガイダンスも悪かったことの主因は、新型コロナウイルス向けワクチンの接種が捗ったことで消費者がショッピングモールなどの実店舗で買い物し始めたことです。このため、第2四半期のネット通販は前年同期比+27%の成長でしたが、第3四半期は+10%の成長へと鈍化するのです。
今後は「ネットでモノを買う」「ストリーミングで映画を鑑賞する」という新型コロナ下でのライフスタイルではなく、「旅行に行く」「レストランで食事する」など、いわゆるリア充な消費が増えるため、アマゾンが消費全体に占めるシェアは伸び悩むことが予想されます。
消費パターンの変化は、アマゾンだけではなく
他のネット通販関連銘柄の株価にも影響を与えている
このような消費トレンドの変化は、アマゾンだけでなく他の銘柄にも影響を与えています。
例えば、宅配大手のUPS(ティッカーシンボル:UPS)は、7月27日に発表した第2四半期決算で宅配ビジネスが-15.8%も落ち込んでいました。
UPSの第2四半期決算は、BtoBが好調だったことに助けられ、EPSが予想2.81ドルに対して3.06ドル、売上高が予想231.7億ドルに対して234.2億ドル、売上高成長率が前年同期比+14.5%でした。
しかし、投資家は宅配ビジネスの減速を見逃さず、先週のUPS株は大幅安となりました。
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経済再開の流れは、決済ソリューションを提供しているペイパル(ティッカーシンボル:PYPL)のビジネスにも悪影響を及ぼしています。ペイパルの第2四半期決算は、イーベイ・マーケットプレース向けビジネスが-37%と大きく足を引っ張りました。
EPSは予想1.12ドルに対して1.15ドル、売上高は予想62.7億ドルに対して62.4億ドル、売上高成長率は前年同期比+18.6%でした。
しかし、第3四半期のEPSは予想1.14ドルに対して新ガイダンス1.07ドル、売上高は予想64.3億ドルに対して新ガイダンス61.5億〜62.6億ドルという残念な数字が示されています。これを受けて、先週はペイパル株も急落しました。
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経済再開の流れは、ネット通販関連にとってマイナス要因だが、
スマホ広告関連のハイテク企業にとってはプラス要因に
このようにネット通販関連の成長率がピークを打ったことは、さまざまな銘柄の決算から状況証拠が積み上っています。ここは意地を張るべきではなく、素直に状況の変化を認め、ネット通販以外の銘柄に投資したほうがいいと思います。
ちなみに、個人の消費者ではなく法人のビジネスを相手にしたサブスクリプション・モデルのネット株は、今のところ業績の暗転を訴える企業は出ていません。
また、アルファベット(ティッカーシンボル:GOOG)やフェイスブック(ティッカーシンボル:FB)のようなネット広告を収益の柱としている企業の決算も問題はありませんでした。
その理由は、レストランやイベントのような経済再開で活性化する業界ともスマホ広告は密接に関連しているからだと思います。言い換えれば、ワクチンを打って多くの人が街に出るということ自体が、アルファベットやフェイスブックのビジネスにとってプラスに働いているということです。
【今週のまとめ】
アマゾンをはじめとしたネット通販関連には見切りをつけ、
新しい消費パターンにマッチする銘柄を物色しよう!
アマゾンの悪い決算は、投資家を「あっ!」と言わせました。しかし、ここまでの決算発表を丹念に追うと、アマゾンのみならず、ネット通販関係の銘柄は取りこぼしが目立ちました。
これはワクチン接種の進捗による経済再開が関係しており、当然のなりゆきのように思います。アマゾンのようなしっかり経営されている企業ですら良い決算が出せなくなっているわけですから、ここは気持ちを切り替え、ネット通販以外の銘柄を物色したほうが無難だと思います。
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