つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2024年]

2024年に始まる「新NISA」は、従来の「NISA」や「つみたてNISA」とどう違う?「新NISA」の“2階建て”の仕組みや非課税期間、投資額など変更点を解説!

2020年2月8日公開(2022年3月29日更新)
頼藤 太希
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つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

 投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになる「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」の制度変更が行われることが2019年12月に発表されました。現在、NISAには「(一般)NISA」、「つみたてNISA」(積立NISA)、「ジュニアNISA」の3種類がありますが、その中の「(一般)NISA」と「つみたてNISA」(積立NISA)が2024年よりリニューアルされ、「ジュニアNISA」は姿を消すことになります。この記事では、新しくなる「(一般)NISA」と「つみたてNISA」を解説します!
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「NISA(少額投資非課税制度)」の制度変更は
“人生100年時代”を見据えたもの

 「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」は、毎年、一定金額までの投資で得られた利益にかかる税金が非課税になる制度です。2014年に「(一般)NISA」が始まり、2016年には「ジュニアNISA」、2018年には「つみたてNISA」がスタートしました。
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 「(一般)NISA」「ジュニアNISA」「つみたてNISA」の3制度は、制度ごとに投資できる金額の上限や投資できる商品、非課税になる期間などが異なります。

 3つの制度の中で、もっとも口座数が多いのは「(一般)NISA」です。金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」(2019年9月末時点)によると、「(一般)NISA」の口座数は約1170万口座。「つみたてNISA」の約171万口座、「ジュニアNISA」の約34万口座よりも格段に多くなっています。NISAは、3制度を合わせると、約1375万人が利用しているメジャーな制度と言えるでしょう。

 さて、2019年12月、政府は「令和2年度税制改正大綱」を閣議決定しました。この中に、2024年からのNISA制度の変更が盛り込まれています。政府は今回の変更について、「人生100年時代にふさわしい家計の安定的な資産形成を支援していく」と説明しています。
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「(一般)NISA」は2階建ての「新NISA」にリニューアル
投資金額の上限は年122万円に増額!

 まずは「(一般)NISA」の変更点から。現在、「(一般)NISA」で投資ができる期間は2023年までとなっています。しかし、2024年より「(一般)NISA」は「新NISA(仮称)」となり、大幅に見直されることが発表されました。「新NISA」は仮称なので、2024年以降は「新NISA」のことを「(一般)NISA」と呼ぶようになるかもしれませんが、ここでは区別の意味で「新NISA」と呼ぶことにします。
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 主な変更点は、次の3点です。

「(一般)NISA」「新NISA」の概要
  (一般)NISA 新NISA
非課税になる投資金額 年120万円まで 1階部分:年20万円まで
2階部分:年102万円まで
利益を非課税にできる期間 5年間 5年間
投資の対象 上場株式(ETF・REIT含む)
投資信託
1階部分:金融庁の基準を満たした投資信託(「つみたてNISA」と同じ)
2階部分:「(一般)NISA」から高レバレッジ投資信託などを除いたもの
投資できる期間 2023年まで
※「新NISA」へ時価でロールオーバーできる見込み
2028年まで
※1階部分は「つみたてNISA」に簿価でロールオーバーできる見込み

 

◆「新NISA」の変更点①
非課税になる投資金額が変わる(少し増える)


「(一般)NISA」 では、年120万円まで投資ができ、投資で得られた利益が非課税になります。それに対して、2024年以降の「新NISA」では、投資は「2階建て」になります。

 1階部分は年20万円、2階部分は年102万円までの投資ができ、それぞれの利益が非課税になります。つまり、「新NISA」で投資できる金額は年122万円まで。現状の「(一般)NISA」よりも年2万円、5年で10万円多く投資できます。

 「(一般)NISA」と「新NISA」、どちらも非課税期間は5年間。買った株や投資信託などを売っても、非課税になる投資金額は回復しないのはこれまでと同様です。

◆「新NISA」の変更点②
投資の対象が変わる


「(一般)NISA」の投資の対象は、上場株式・ETF・REIT・投資信託です。2024年以降の「新NISA」も基本は同じですが、1階部分と2階部分で投資できる商品が異なります。

「新NISA」の1階部分で投資できるのは、「つみたてNISA」の対象になっている投資信託です。現在、日本で個人が購入できる投資信託は約6000本ありますが、「つみたてNISA」で購入できる投資信託は、金融庁の厳しい条件をクリアした170本程度に限られています。選択肢がたくさんありすぎても、とくに初心者は戸惑うかもしれませんから、170本程度に絞り込まれている「つみたてNISA」は初心者にとって利用しやすい制度と言えます。「新NISA」も同様にしようという狙いのようです。
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 これに対して2階部分では、「(一般)NISA」と同じく株式や投資信託に投資することができます。ただし、上場が廃止されそうな株式(監理銘柄・整理銘柄)や、長期投資に適さない高レバレッジ投資信託などは除外されます。具体的にどんな投資信託が除外されるかは検討中のようです。

 原則として、1階部分の投資をしないと、2階部分の投資はできないルールになるようです。とはいえ、2階部分を使いたいからといって1階部分の20万円の枠を使い切る必要はありません。金融機関によりますが、1000円、5000円といった最低投資金額の積み立てを行えば、2階部分が使えるようになります。

 例外として、株式だけに投資したい場合は、申請することで2階部分の投資だけをすることも可能です。しかしこの場合でも、2階部分の投資金額の上限は年102万円のまま。これまで「(一般)NISA」で株式を購入していた人にとっては、非課税枠が年120万円だったのが102万円に減ってしまうので、改悪と思う人もいるでしょう。

◆「新NISA」の変更点③
投資期間が伸び、「ロールオーバー」のルールが変わる


「(一般)NISA」で投資できる期間は2023年まで。それに変わる「新NISA」で投資できる期間は、2024年から2028年までの5年間となります。「(一般)NISA」の口座を持っている人は、2024年になると自動的に「新NISA」に移行します。特別な手続きは不要です。今、「(一般)NISA」口座を持っている人からすれば、投資できる期間が5年伸びたと言えるでしょう。

 「(一般)NISA」には、ロールオーバーというしくみがあります。これは、5年間、「(一般)NISA」で運用してきた株や投資信託をその翌年の投資枠に移すことで、最大10年間非課税で運用できるようになるというしくみです。ただ、「(一般)NISA」は2023年までの制度だったので、2019年以降に購入した株や投資信託は、ロールオーバーできなかったのです。
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「NISA」から「つみたてNISA」に変更する方法や、2015年から保有する金融商品の「ロールオーバー(非課税期間延長)」のために必要な手続きや申込期限を解説

 しかし、今回「新NISA」ができたことにより、2019年以降に「(一般)NISA」口座で購入した株や投資信託を「新NISA」にロールオーバーできるようになる見込みです。これにより最大10年間非課税で運用できるようになります。

 また、「新NISA」の1階部分で運用する投資信託も、5年の非課税期間終了後、「つみたてNISA」にロールオーバーできるようになる予定です。「つみたてNISA」は20年間非課税なので、「つみたてNISA」にロールオーバーすれば、「新NISA」の期間と合わせて、最大25年間非課税で運用できることになります。

 少し専門的ですが、「新NISA」の1階部分のロールオーバーは「取得原価(簿価)」で行われるとみられています。

 たとえば、「新NISA」の1階部分に投資した20万円の投資信託が5年間で倍の40万円になったとします。これを「つみたてNISA」にロールオーバーするとき、「取得原価」の場合は「20万円分の投資信託」として扱います。それに対して「40万円分の投資信託」として扱うことを「時価」といいます。

 「つみたてNISA」で非課税になる投資金額は年40万円までですから、もし時価でロールオーバーすると、この例では、その年はもう「つみたてNISA」での投資ができなくなってしまいます(投資枠を使い切ってしまうことになる)。その点、取得原価でロールオーバーすれば、まだ20万円分投資できるため、非課税で投資できる金額が増やせることになるのです。

 なお、「(一般)NISA」の株や投資信託を「新NISA」にロールオーバーするときは「時価」となる模様なので、このような恩恵はありません。

「つみたてNISA」は5年延長で2042年までに。
利用者数が低迷していた「ジュニアNISA」は制度自体が終了

 次は「つみたてNISA」です。「つみたてNISA」は投資信託などを購入できる期限が5年間延長され、2042年までとなります。
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「つみたてNISA」ならお金を増やす“投資の3つの鉄則”を誰でも無理なく実践できる!資産運用を始める前に知っておきたい「投資の基本」をまとめて解説!

 現状でも「つみたてNISA」は、投資信託などを購入できる期間が2018年から2037年までと、3つのNISA制度のなかでもっとも長く、2018年に始めれば、2037年までの20年間×40万円で、最大800万円の運用ができるようになっています。しかし、これでは、2019年に始めた人は、2019年から2037年までの最大19年間(760万円)、2020年に始める人は2020年から2037年までの最大18年間(720万円)……という具合に、始めるのが遅くなればなるほど、投資信託などを購入できる年数や金額が減る点が問題視されていました。

 今回、「つみたてNISA」は5年間延長されて、2042年まで投資信託などを購入できるようになるため、2020年からスタートすれば、2042年までの23年間×40万円、累計で最大920万円まで、非課税で投資できることになります。

 なお、2018年から「つみたてNISA」を利用している人は、累計非課税投資金額は最大1000万円になります(金融庁へ問い合わせをしたところ、『制度変更後の「つみたてNISA」の投資可能期間については、2018年に投資を開始した場合は25年』と回答がありました)。

 また、未成年の子や孫のために年80万円まで非課税で投資できる「ジュニアNISA」は利用者数が少ないことから、2023年をもって終了することになりました。「ジュニアNISA」口座内のお金は子や孫が18歳になるまでは原則として引き出せませんが、2024年以降はその制限なく、非課税で引き出せるようになる予定です。

 以上、2019年12月に発表されたNISAの制度変更や期間延長について、まとめて紹介しました。これから投資を始めたいという人には、少額からコツコツ積立投資ができる「つみたてNISA」が圧倒的におすすめです。2020年からスタートすれば、累計で最大920万円の非課税枠を活用することができます。
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つみたてNISA(積立NISA)を始めるなら、おすすめの証券会社はココだ!手数料や投資信託の取扱数などで比較した「つみたてNISA」のおすすめ証券会社とは?

 始めようと思ったときが始めどきです。何も行動しないでいると人生は何も変わりません。スタートすれば、金銭的なメリットはもちろん「投資は楽しいもの」という気づきもきっと得られるでしょう。
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頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役、マネーコンサルタント。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Cafe』を運営。メディアなどで投資に関するコラム執筆、書籍の執筆・監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、 『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。twitter→@yorifujitaiki
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2023年11月から投資信託情報サービス「日興の投信NISA」を開始。数多くの投資信託のなかからおすすめの21本に絞り込んでいるうえ、「なにごともバランスが大事よ」「私は世界の成長にかける」といったタイプごとに5〜6銘柄をピックアップしてくれるので、自分好みのNISA対応ファンドを選ぶ助けになる。SMBC日興証券では一部の投資信託で買付手数料が必要となるが、積立購入(投信つみたてプラン)の場合は全銘柄で買付手数料が原則無料となるので、上手に活用したい。
また、外国株式は、オンライントレードでは取引できないので注意しよう。単元未満株取引「キンカブ」は「100円以上、100円単位」の金額指定で株が買えるのがメリットで、dポイントでも株式投資ができる。「キンカブ」は売買手数料は無料で、100万円以下の買付ならばスプレッドも0%となっている(100万円超の買付時や売却時はスプレッド0.5~1.0%)。
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新NISA口座なら日本株の売買手数料が無料! 投資信託の取扱本数は多くないもののノーロード投信や信託報酬の低い投信が豊富だ。「100円」から積立が可能なのも魅力。GMOクリック証券は、ここ数年、急激に株式市場での売買代金シェアを増やし、個人投資家の支持を集めている。新NISA対応ではないがFXやCFDなど商品ラインアップが豊富なので、新NISAを入口にさまざまな投資に挑戦したい人におすすめ!
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資産残高の0.693〜0.733%(年率・税込)※
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国内外のETFに分散投資をするロボアドバイザー「ウェルスナビ」はNISA口座にも対応。5つの質問に答えるだけで最適なポートフォリオを提案し、毎月自動的に積立投資をしてくれるので、初心者でも簡単に効率的な運用を実行できる。2024年からの新NISAなら、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で資産を購入することで最大で年360万円まで投資可能! 運用コストとしては、一般的な証券会社のような売買手数料ではなく、資産残高に対して決まった割合のサービス利用料を負担する形なので要注意。また、楽天証券と提携した「ウェルスナビ×R」も提供している。その場合、楽天カードや楽天キャッシュを利用し、楽天ポイントを貯めたり、楽天ポイントを利用した購入・積立が可能となる。

※ NISA口座に自動積立だけで入金した場合で試算した手数料。リスク許容度(ポートフォリオ)により異なる。また、各商品の値動きによりポートフォリオのバランスが崩れた場合は、手数料が表記の範囲を超えて変動する可能性がある。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。※1 年会費無料のクレジットカードの場合。※2 1約定ごとプランで約定金額240万円までの売買手数料。

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