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新型コロナウイルスが「お茶」で不活化する
という研究結果を奈良県立医科大学が発表!
奈良県立医科大学の矢野寿一(やの・ひさかず)教授は11月27日、市販のお茶によって新型コロナウイルスが不活化することを実験で確認したと発表しました。
実験では、市販のペットボトル入り緑茶を2種類、茶葉から入れた紅茶と大和茶をそれぞれ1種類の合計4種類を、試験管内で新型コロナウイルスと混合し、その作用を調べました。その結果、30分後には感染性のあるウイルス量が、茶葉から入れた紅茶では99.99%、茶葉からいれた大和茶では99.9%減少。また、ペットボトル入りの緑茶では片方が99%減少し、もう片方ではあまり変化が見られなかったとのことです。
ただ、あくまでこれは実験環境における結果であり、「紅茶や緑茶の飲用による感染予防効果を示すものではない」とのことなので、今後のさらなる研究進展に期待したいところです。矢野教授は、人への効果についてまだ可能性の段階とした上で「インフルエンザでカテキンの効果は確認されており、お茶を飲むことで同じような効果が期待される」と一部メディアの取材に答えています。
新型コロナ向けワクチンが出回るのは当分先になるため、
感染予防対策として「お茶」が注目される可能性も!
新型コロナウイルスに対するワクチンの実用化が進んでいるとはいえ、実際に我々がワクチンを接種できるようになるには、もうしばらく時間が必要です。そのため、今回のお茶の効果に関する研究結果を受け、「お茶」関連銘柄に短期的に物色が向かう可能性は十分に考えられます。
「短期的」とは言っても、テーマ株の初期段階はおおむね短期の物色であり、その後、状況次第で再注目されて物色が本格化していきます。お茶の感染予防効果は、日常生活でも手軽にできるコロナ対策となる可能性があり、今後、長期的にお茶の需要が広がりを見せてくることも考えられます。また、今回の報道をきっかけに、カテキンを多く含む「特定保健用食品(トクホ)」に認定されている食品の需要も伸びそうです。
そこで今回は「お茶」関連の銘柄に注目しました。銘柄の選定にあたっては、ストレートにお茶を手掛けている企業を取り上げています。
【伊藤園(2593)】
「おーいお茶」「天然ミネラルむぎ茶」などを展開する飲料大手
伊藤園(2593)は「おーいお茶」「天然ミネラルむぎ茶」などを展開している飲料メーカーです。飲料以外にも事業を広げており、直近では、緑茶由来のポリフェノール「ガレート型カテキン」を含有した機能性表示食品のサプリメント「カテキン」を11月30日から発売しました。株価は、11月に入って強い値動きとなっており、11月30日には8590円まで上昇。ただ、急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒され、実際に12月2日には急落しました。「押し目買い」のスタンスで臨みたいところです。
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【石垣食品(2901)】
以前から短期的な物色の対象になりやすく、今回のニュースにも反応
石垣食品(2901)は「フジミネラル麦茶」や「ごぼう茶」などを展開しています。以前から短期的な物色の対象になりやすく、夏場などにたびたび急騰してきた銘柄で、今回のニュースでも物色が向かいました。低位株のため、個人投資家中心の売買が集中しやすい一方で資金の逃げ足も速いので、株価が急伸した場面では冷静さが必要です。
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【サントリー食品インターナショナル(2587)】
底入れからの「出遅れの修正」が期待できる
サントリー食品インターナショナル(2587)は、「伊右衛門」を筆頭に「烏龍茶」や「やさしい麦茶」などの飲料を展開しています。脂肪の「分解」に着目したことで、体脂肪を減らすのを助ける効果が認められた初めての特定保健用食品「伊右衛門 特茶」も販売しています。株価は、中長期的に見ると緩やかな下落トレンドが継続していますが、10月30日に安値3600円を付けたことで目先の底入れが意識されています。直近6カ月間の対TOPIXで20%以上乖離(下落)しているため、今後、出遅れの修正が期待されます。
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【キリンホールディングス(2503)】
11月以降、強いリバウンド基調が継続
キリンホールディングス(2503)はビール大手というイメージが先行しますが、グループ会社のキリンビバレッジが「午後の紅茶」「生茶」などを展開しています。お茶とは別の話になりますが、11月に発売した「キリン iMUSE(イミューズ)」は、1本で1日の目安量の「プラズマ乳酸菌」を摂取でき、日本で初めて免疫機能により機能性表示食品に認められたドリンクとして話題になりました。株価は11月以降、強いリバウンド基調が続いています。短期的な過熱感が意識されやすいので、「押し目買い」のスタンスがいいでしょう。
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【アサヒグループホールディングス(2502)】
52週移動平均線が“下値支持線”として機能
アサヒグループホールディングス(2502)は「三ツ矢サイダー」や「カルピス」のイメージが強い企業ですが、お茶系の商品として「十六茶」を展開しています。株価は11月以降のリバウンドで52週移動平均線を突破し、その後、同線が下値支持線として機能しています。このまま4000円ラインでの底堅さが見られるようだと、その後の株価上昇にも期待できます。もし4000円を下回った場合でも、75日移動平均線が位置する3800円前後が次の買い場として狙い目です。
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【佐藤食品工業(2814)】
風味を損ないやすいお茶の粉末化技術を持つ
佐藤食品工業(2814)は、粉末化をキーワードに事業を展開する企業で、今回はお茶パウダーを手掛けていることから関連企業として取り上げました。お茶のように風味成分がデリケートで変化しやすいものは粉末化が困難とされていましたが、佐藤食品工業は、独自の抽出方法や低温濃縮、噴霧乾燥技術により、原料が持つ本来の味や風味・色調を損なうことなくパウダー化に成功しました。株価は7月以降、1600円前後での推移が継続していましたが、今回の報道を受けて11月30日に急騰する場面が見られました。流動性の低さから買い一巡後は急伸前の株価水準に戻っていますが、今回大きな値動き見せたことで「お茶」関連銘柄として改めて物色されることが期待できます。1600円辺りを底値と考えて買いを入れるスタンスがいいでしょう。
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以上、今回は「お茶」の関連銘柄を発掘しました。
今後の研究進展により、お茶の飲用で感染予防効果が得られると判明した場合でも、ペットボトル入りの緑茶2種類で大きく効果が分かれたことから、茶葉の銘柄や製造過程など一定の条件が存在する可能性が予想されます。現段階では詳細が不明なことから「お茶」関連の銘柄全般に思惑的な物色が向かいやすくなっていますが、詳細が判明してくると、その条件を満たした製品を販売している企業に一気に資金が集まってくると考えられます。
また、直接的な「お茶」関連ではないものの、今後、投資家の関心度が高まってくると、ティーライフ(3172)や楽天(4755)など、お茶を手掛けている通販会社へ物色が広がっていく可能性もあるので、そちらもチェックしておくといいでしょう。
「お茶」関連銘柄に関しては、短期的には具体的な製品情報を知らなくても物色の波に乗ることは可能だと思いますが、その後の展開を想定すると、具体的な製品情報をしっかりと頭に入れている投資家が有利なことは間違いありません。
これは今回に限った話ではなく、企業や製品に対する広い知識を自分の中に貯めていくことは、テーマ株の物色の流れを読むうえで重要なポイントになります。時間があるときでかまいませんので、銘柄を選ぶ際には、ぜひそこまで調べてみることをおすすめします。
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