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11月の相場は、日米ともに非常に強い上昇相場でした。
NYダウの11月の上昇率は11.8%と、月間では1987年1月以来、約34年ぶりの上昇率を記録しました。一方、11月の日経平均株価も月間で3456.49円(15.04%)高と1990年10月以来の約30年ぶり、過去3番目の上昇幅を記録しました。上昇率でも1994年1月以来、26年10カ月ぶりの大きさでした。
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今回の株価上昇は、日米どちらも11月3日(日本時間4日)の米国大統領選の開票前後から始まりました。その後、新型コロナウイルス向けワクチンの順調な開発状況が次々に伝わり、経済正常化への期待が高まった結果、それまで出遅れていた景気敏感株が物色され、株価指数を押し上げました。
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メジャーSQ通過後は、国内外の機関投資家が「休暇入り」!
日本市場の大型株は、値動きの方向性が定まらない「餅つき相場」へ
さて、本日から名実ともに12月相場入りです。市場では、「12月相場」の特徴として「メジャーSQ通過後は、海外の機関投資家やファンド勢が徐々にクリスマス休暇入りし、個人投資家の存在感が増していく傾向がある」と言われています。今年のメジャーSQ算出日は12月11日です。よって、12月11日のSQ算出後は、個人投資家の存在感が他の月以上に増す傾向があります。すると、個別銘柄の物色としては、テーマ株や新興市場銘柄、仕手系材料株など、中小型株が賑わうことが多くなります。
まず米国では、12月第3金曜日が「クアドルプル・ウィッチング(「株式指数先物」「株式指数オプション」「ストックオプション」「個別銘柄のオプション」の4つの取引が同時に期限を迎える日)」です。これは、日本の市場における「メジャーSQ」に相当し、今年は12月18日になります。
したがって、今年は12月21日以降、海外勢の多くが本格的にクリスマス休暇入りし、彼らの動きは鈍る見通しです。つまり、今年に関しては、12月21日以降の相場は「個人投資家の個人投資家による個人投資家のための相場」になることでしょう。
一方、国内の機関投資家も、政治や経済情勢に大きな変化が生じない限り、日本のSQ通過後は「正月休みモード」に入る傾向があります。そうなると、いわゆる「餅つき相場」になりがちです。「餅つき相場」とは、利益確定売りと来年の株高を期待した買いが激しくぶつかる結果、特に大型株の値動きに方向感がなくなり、株価が上下に「ぺったんぺったん」と動き、ボックス相場になることです。
また、個人投資家は、年末の受け渡し最終日(2020年12月28日)を意識して、節税目的の「損出し」を行います。このため、今年値動きが冴えなかった銘柄に関しては、個人からの節税売りが出やすいので注意しておきましょう。
とはいえ、個人投資家も受け渡し最終日に集中して売りを出すこともないでしょう。おそらく、最終日の数日前には、その売りもピークアウトしているはずです。そのため、大納会を控えた数日前から「大納会に向けて相場が上昇しやすい」という「掉尾の一振(とうびのいっしん)」というアノマリーが実現することが多いのでしょう。
12月相場では、大型株を避けて中小型株を狙うのが正解!
割安に放置された「直近IPO銘柄」にも注目しよう
さらに、1月相場に関しては「1月効果(1月は他の月よりも収益率が高くなりやすい)」というアノマリーが有名です。また、この「1月効果」では、大型株よりも小型株のほうが上がるというのも有名です。
1月に株式相場が上がりやすいのは、12月決算の海外勢が新年度入りし、新しい資金が流入することで、彼らが活発に株式の組み入れを増やすことが主因とされています。とりわけ小型株に関しては、前年の12月中旬から下旬にかけて節税売りが出るものの、その売りが12月中に出尽くす結果、翌月の1月の需給が良くなることも大きく寄与していると思われます。
以上のことから、12月相場に対する投資戦略としては、大型株は避け、中小型株を狙いましょう。小型株ついては、12月初旬から中旬まで「節税売りを浴びにくい、強い値動きの銘柄」だけを物色するのがおすすめ。その後、中旬から下旬にかけては、節税売りを浴びて安くなったもののうち、バリュエーション面で割安なものを逆張り的に拾うといいでしょう。
また、12月はIPOラッシュです。今年に関しても、2020年に新規上場した、もしくは新規上場する予定の93銘柄のうち、12月の後半に1/4超となる26件のIPOが予定されています。IPOにより資金が分散される結果、12月中は良質な銘柄が割安に放置されることになりがちです。しかし、年が明ければ見直し買いが入るはずなので、来年の値上がりを見込んで、割安に放置された直近IPO銘柄にも注目してきましょう。
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日経平均株価に調整入りのサインが見えないうちは
「弱気」になる必要はないので、安易な「売り」は避けよう!
当面の日経平均株価に関してですが、12月1日終値時点で5日移動平均線・25日移動平均線・75日移動平均線の3本が「パーフェクトオーダー(短期・中期・長期の3本の移動平均線が順番通りきれいに同じ方向に並んでトレンドが発生している状態)」の状態にあります。
今後の調整入りの基準は以下のとおりです。
(1)25日移動平均線ベースのボリンジャーバンドプラス1σを終値で割り込む
(2)同マイナス3σのバンドが「下向き」から「上向き」に転じる
(3)終値で5日移動平均線を割り込む
なお、12月1日前引け時点では、マイナス3σが徐々に上向きに転じつつあるように見えます。ですが、12月1日前日引けの日経平均株価は2万6824.46円と、依然としてプラス1σ(12月1日前引け時点2万6227.39円)を大幅に上回っていますし、5日移動平均線(同2万6547.39円)もサポートラインとして機能しています。
この状況で、日経平均株価に対して「弱気」になる必要性は乏しいでしょう。
もちろん、先ほどの基準はあくまでも目安として活用するべきです。ですが、今のような歴史的な上昇相場が発生している状況下では、「値ごろ感」や「短期のテクニカル指標の過熱感」だけで、安易にショートポジションを持つべきではないと考えます。ショートをしたい人は、少なくとも先ほどの3つの基準を満たしたことを確認した上で、どういう投資行動をとるかを決めましょう。
なお、12月11日のメジャーSQで、11月以降の相場急騰で「担がれた売り方」の大部分が強制的に敗戦処理させられることでしょう。つまり、買い方有利の需給関係は、SQでいったん「売り方・買い方のゲーム(戦い)はノーサイド」となるはずです。そしてSQ通過後に新たなゲームが始まります。
したがって、SQ通過後、日本株の需給が劇的に変化する可能性は大いにあるので、その変化の有無を見逃さないように「全集中」しておきましょう。
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