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プロ向け動画サービスの「ヴィメオ(Vimeo)」が
親会社のIACからスピンオフし、独立企業として取引可能に!
今週は、親会社であるIAC(ティッカーシンボル:IAC)からスピンオフし、独立企業として取引が開始されるプロ向け動画サービスのヴィメオ(Vimeo、ティッカーシンボル:VMEO)を解説します。
スピンオフとは、事業の一部や子会社を切り離して分離・独立させることを言います。IACからのスピンオフと言えば、2020年にデートアプリのマッチ・グループ(ティッカーシンボル:MTCH)が記憶に新しいでしょう。そのマッチ・グループと同じように、今回はヴィメオがIACから分離されるというわけです。
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ヴィメオが取引開始となるのは5月25日(火)で、ティッカーシンボルはVMEOになる予定です。
今回のスピンオフにより、IACの株主はIAC株1株につき1.6235株のヴィメオ株が分配され、スピンオフ後のヴィメオの発行済み株式数は1.86億株になります。なお、このディール後、IACのヴィメオ株の保有株数は0になります。
2020年12月にIACが「ヴィメオをスピンオフする」と発表したとき、IACの株価は160ドル前後でしたが、その後、株価が上昇して現在は250ドル前後で取引されています。5月25日にヴィメオ株がIACの既存株主に配られると、IACの株価は下落すると見られています。しかし、下落した分、新たにヴィメオ株が手に入るので、理論的には既存株主が保有する価値は不変となるはずです。
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「ヴィメオ」は、プロの高度な要求を満たすプラットフォームを
サブスクリプションの形でユーザーに提供!
ヴィメオはプロのクリエイターが動画を作成・公開するためのツールをサブスクリプション(定期購入制)で提供しているネット企業です。
動画サービスと言えばユーチューブが有名ですが、ユーチューブは企業が自社のプロモーション・ビデオを制作する際のプラットフォームとしては必ずしも最適ではありません。自社のプロモーション・ビデオをビデオ・アーティストに外注して立派な作品をつくってもらう場合、プロの高度な要求を満たすカスタマイズが可能なプラットフォームが必要です。ヴィメオのサービスは、まさしくそのような要求を満たすことができます。
ビジネスモデルと比較すると、ユーチューブはなるべく多くの視聴者に動画を見てもらい、広告収入をクリエイターとシェアする収入構造になっています。それに対してヴィメオは、動画に一切広告を付けず、動画をアップするクリエイターが使用量に応じて月々7~75ドルを払う仕組みです。
ヴィメオのユーザーの60%は、まず無料サービスを試し、その後で課金プランにアップグレードしています。この無料サービスで顧客を集めるやり方により、ヴィメオは顧客獲得のコストを低く抑えています。
「ヴィメオ」の業績は右肩上がりで堅調に推移し、
2021年第1四半期の売上高は前年同期比+57%!
ヴィメオの顧客は新型コロナ以降、動画による訴求を強化しており、動画のアップロード数は増加しています。
また、リアルタイムで動画を配信するライブストリームの回数も増えています。
ヴィメオの顧客セグメントは、セルフサービス(=個人・中小企業)とエンタープライズ(=大企業)に分かれていますが、売上高、顧客数ともにセルフサービスが大部分を占めています。
ヴィメオは5月25日、2021年第1四半期の決算を発表しました。それによると、売上高は前年同期比+57%の8940万ドルで、純利益は330万ドルでした。
サブスクライバー数(サブスクリプションを利用者数)は、前年同期比+25%の160万口座でした。ヴィメオのターゲット市場である中小企業の数は3億社もあるので、伸び代は十分にあると言えます。また、顧客当り単価は、前年同期比+27%の233ドルでした。
【今週のまとめ】
ユーチューブとはまったく異なる価値提案を行う
プロ向け動画サービス「ヴィメオ(Vimeo)」の成長に期待!
ヴィメオ(Vimeo)は、数多くのネット企業を傘下に収める持ち株会社・IACから、5月25日(火)にスピンオフし、独立企業として取引が開始されます。
ヴィメオは、課金方式がサブスクリプションなので、売上高が予想しやすいというメリットがあります。また、ユーチューブとは同じ動画サービスでもまったく違う価値提案をしている会社なので、「似て非なるもの」と考えた方がいいでしょう。
ターゲット市場は十分に大きく、今後も自社プロモーション・ビデオを作成する企業はどんどん増えると予想されるので、それに併せてヴィメオの成長も期待できます。
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