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「オラプレックス」は、2人の科学者が開発した
プロ向けヘアケア製品を製造販売するベンチャー企業
今回は、美容室などプロ向けのヘアケア製品を製造販売しているオラプレックス(OLAPLEX、ティッカーシンボル:OLPX)を取り上げます。
オラプレックスは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の有機化合物教授、クレイグ・ホーカー博士と、その教え子でナノ粒子の専門家であるエリック・プレスリー博士の研究成果から生まれました。
頭髪は自然な重合体(ポリマー)の一種であり、アミノ酸リピート構造を持っています。しかし、ブリーチやカラーリングなどが繰り返されると、このリピート構造が損傷し、頭髪が痛む、カサカサになるなどの問題が生じてしまいます。
この問題に対してホーカー教授とプレスリー博士は、まず分子レベルで頭髪のダメージの様子を詳しく分析し、そのダメージをオーガニックな原料を使って修復する製品を開発したのです。
「健康的でボリューム感のある髪を取り戻せる」と
口コミで評判が広まり、徐々に販路を拡大!
一般的に、金髪の白人女性の髪は、歳を取るとボリュームが足らなくなり、ペッタンコになりがちです。それを補正し、たっぷりと健康的なボリューム感を取り戻せるということで、オラプレックスにはカルト的なファンがつきました。もちろん黒髪の女性であっても、傷んでカサカサになった髪のツヤを取り戻すためにオラプレックスは有効です。
オラプレックスは、最初、美容師やヘアスタイリストなどプロ向けの市場のなかでクチコミで評判が広がり、幅広い支持を獲得しました。次に、美容院でオラプレックスの良さを実感した個人が自宅でも通販で購入できるよう、ダイレクト・ツー・コンシュマー(DTC:直接販売)のサービスがスタート。さらに、セフォラやアルタ・ビューティー、コールズなどの美容専門店や百貨店にも商品を卸し始めました。
オラプレックスは、2021年9月30日に新規株式公開(IPO)されたばかりです。IPO時は、7370万株が1株=21ドルで値決めされました。先週末(11月13日)の終値が26.94ドルなので、株価はIPO時からまだあまり動いていないことになります。
幹事団はゴールドマンサックス、JPモルガン、モルガンスタンレー、バークレイズでした。ディール後の発行済み株式数は6.48億株です。
「オラプレックス」の業績は好調で、
売上高成長率が前年同期比で+80%以上!
オラプレックスは11月10日、IPO後で初となる2021年第3四半期の決算を発表しました。
EPSは予想9セントに対して11セント、売上高は予想1.45億ドルに対して1.62億ドル、売上高成長率は前年同期比+80.6%でした。つまり、すでに黒字化しており、しかも急成長しているのです。商品の回転率も、すべての販売経路で上昇しています。
美容室向け売上高は前年同期比+57.6%の7500万ドル、ビューティー専門店売上高は前年同期比+128.1%の4630万ドル、ダイレクト・ツー・コンシュマー(DTC)売上高は前年同期比+86.9%の4030万ドルでした。
また、粗利益は前年同期比+103%の1.28億ドル、グロスマージンは8.7ポイント改善して78.9%でした。純利益は、前年同期比+99.9%の5660万ドル。修正EBITDA(利払い税金償却前利益)は、前年同期比+63.3%の1.07億ドルでした。
今後は、さらに新製品を追加するとともに、美容院やビューティー専門店、DTCを通じて新しい顧客を獲得していく考えです。すでに国際展開も軌道に乗っています。
2021年の通年の売上高は、予想5.7億ドルに対して新ガイダンス5.80億〜5.88億ドルが提示されました。一方、修正純利益は前年同期比+103%(中値)の2.63億〜2.68億ドルを、修正EBITDAは前年同期比+98%(中値)の3.92億〜3.98億ドルを見込んでいます。
【今週のまとめ】
ユーザーの人気が高く、業績も好調な
「オラプレックス」の今後の成長に期待!
オラプレックスは、プロ向けヘアケア製品のメーカーで、科学的なアプローチで編み出された効果のあるヘアケア製品を開発し、カルト的な人気を得ました。
今年9月末にIPOしたばかりのベンチャー企業であり、その成長もまだ端緒についたばかりなので、今後の株価上昇に期待したいと思います。
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