「夢の配当金生活」実現メソッド
【第9回】 2018年3月7日 個人投資家・立川 一(たちかわ・はじめ)

サラリーマンが株式投資する前に準備すべきことは?
投資資金とは別に、当面の生活費やiDeCoなどを
準備して、株式投資による自分年金作りを始めよう!

 こんにちは、個人投資家の立川です。

 前回は「増配株投資」に向いている証券会社の選び方や、「増配株投資」を利用した将来の具体的な投資プランを紹介させていただきました。
【※前回の記事はこちら!】
億トレーダーが初心者におすすめの証券会社を紹介!NISA口座の売買手数料無料のSBI証券と、株主優待で売買手数料が無料になるGMOクリック証券がおすすめ

 今回は証券会社に口座を開設して株式投資をスタートするにあたって、最初にしておくべきことを確認し、株式投資と預貯金や個人年金・確定拠出年金をどのように組み合わせるべきなのか考えてみたいと思います。

■「『夢の配当金生活』実現メソッド」バックナンバー

【第1回】
年収500万円以下のサラリーマンが、投資歴13年で資産1億5000万円、年間配当収入300万円を実現!成功のカギは「増配銘柄への投資」を発見したこと!

【第2回】
定期預金の金利より「株の配当」は数百倍もお得!増配銘柄を選べば、自動的に株価下落リスクが低く、優れたビジネスモデルの超優秀な銘柄に投資できる!

【第3回】
増配株は「元本が増える銀行預金」「部屋数が増えるアパート」のようなもの! 追加投資をしなくても配当が増え、価値も上がる「増配株」のスゴさとは?

【第4回】
増配株への分散投資は、預貯金よりもリスクが低い?配当金だけで投資元本を回収できる期間が短くなり、元本回収後はリスクフリーで高い配当金がもらえる!

【第5回】
「株主優待」の有効活用は「配当金生活」への近道!配当だけでなく株主優待にも注目すれば、投資元本は15年以内で回収できて、リスク管理がパワーアップ!

【第6回】
増配株に投資する際に参考にすべき「指標」とは?割安・割高の目安になる「PER」、資本効率の良さを表す「ROE」「ROA」など「指標」の使い方を解説!

【第7回】
株式投資を始める前に直面する3つの問題を解決!「時間がない」「リスクを取りたくない」「家族の理解が得られない」という悩みを解決する方法とは?

【第8回】
億トレーダーが初心者におすすめの証券会社を紹介!NISA口座の売買手数料無料のSBI証券と、株主優待で売買手数料が無料になるGMOクリック証券がおすすめ

投資元本は「副業」に手を出すよりも
本業に集中したほうが効率よく稼げる!

 サラリーマンが投資を始めることを決意した場合、最初にすべきことは何でしょうか。

 投資をするためには「元本」が必要です。毎月の収入にそこそこ余裕があるならともかく、たいていは節約したり、副業など他の収入源を確保したりすることを考えがちです。しかし、あなたのメインとしている仕事をもう少しだけ真剣に取り組むことで、本業の報酬を増やすことができないかを検討してみましょう。他の収入源の確保は新たな専門知識の習得や時間が必要となるので、本業にもう少しだけ力をいれて、さらに稼げるのが理想的です。

 私が副業よりもできるだけ本業から収入を得たほうがいいと考えるのには、明快な理由があります。それは、人は同時にいろいろなことをすると、どうしても気持ちが散漫になりがちだと考えているからです。

 例えば、「本気で本業+株式投資」と「そこそこ本業+副業+株式投資」であれば、前者のほうがいいでしょう。副業に思わぬ手間や時間・気持ちが行ってしまうと、どうしても本業が疎かになったり、株式投資の成果も上がらなかったりする可能性が高くなります。まずは本業でできるだけたくさん稼ぐことを考えて、それが限界でさらに元手を増やしたい、あるいは本業ではプラスアルファが実現しづらい場合にだけ副業に手を出すべきでしょう。

 そして、実際に投資を始める前に、投資の知識がなくてもできる、「万一の場合の下準備」をきちんとしておくことが大切です。あなたがこれから投資を始めるにあたって、不安な要素を「できるだけ」なくすことは、同時に家族の投資への理解を得るための第一歩となるのです。実は「できるだけ」というのが肝心で、何かを始めるのに完璧に不安をなくすなんてことはできません。

投資を実践する前に「万一の場合の下準備」を始めよう!
株式投資より1~2年分の預貯金と年金を優先すべき理由とは?

 「万一の場合の下準備」とは、具体的には最低限の貯金(生活費の1~2年分)を確保することです。ある程度の預貯金を確保することは非常に大切で、なぜなら株式の場合は売却しても現金化するのに数日かかりますが、人生においては直ぐにそれなりの額の現金が必要なケースも発生するからです。そのためにも、1~2年分の生活費は投資せずに確保しておいたほうがいいでしょう。私の場合、身内の葬儀の際に葬儀費用などを現金で支払う必要があったので、ある程度のまとまった現金を持っておいてよかった、と実感しました。 

 次に、税制メリットの大きい個人年金や確定拠出年金に加入しましょう。個人年金や確定拠出年金は研究の価値が大いにあります。掛け金を毎年一定額まで所得から控除できるため、運用利回りが低くても税務上のメリットが大きくなり、その結果、実質的なリターンはかなり大きくなるからです。控除枠をフルに利用して、受け取るときにできるだけ税負担の少ない方法を選択することで、その節税分は無リスクで運用益として享受できることになります。余裕のある方は両方、両方が難しい場合でもどちらか一方だけでも加入して節税をしましょう。同時に、生涯にわたる多額の支出となる「保険の見直し」も節約効果が高いので、投資をする前にしておくべきでしょう。保険の見直しは、一度、手続きをしてしまえば、その後は何も手続きしなくても、一生、自動的に節約できるので、私は最初に実行すべきだと考えています。

 これらの節約、節税に関しても、さまざまなノウハウがネット上に転がっています。しかし、節約は無理をして徹底的にやるのではなく、できるだけ継続しやすい手法で行うことを心掛けましょう。

預貯金や年金に加えて、「増配株投資」をすることで
豊かな老後を実現する「自分年金」が作れて、インフレ対策にもなる!

 預貯金と年金(公的・個人年金・確定拠出年金)が十分にあれば、投資をしなくても将来に備えることも可能です。しかし、そのような豊かな状態にある方にも、ひとつだけ考えて欲しいことがあります。

 物価の上昇に対応したり、趣味や旅行の資金を確保して充実した老後の生活を送ったりするために、毎年のように受け取る金額が増える「年金」のようなものが「もう一つ」あれば完璧だと思いませんか。その「もう一つ」としてピッタリなのが、毎回このコラムで紹介している「増配株投資」です。「増配株投資」は、毎年のように配当が増えていくので、インフレへの対策にもなります。また、基本的に増配銘柄は配当金だけでなく、株価も成長しやすいので、早くから始めることで大きな資産を築くことも可能になってきます。

 実際に株式投資をする場合には、さまざまな投資手法が考えられると思いますが、「増配株投資」は投資に割く時間やリスクを最小限にできるので仕事やプライベートも大切にできる、とても「サラリーマン向き」の投資方法だと思っています。「増配株投資」の具体的な方法については、過去の連載記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【※関連記事はこちら!】
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増配株は「元本が増える銀行預金」「部屋数が増えるアパート」のようなもの! 追加投資をしなくても配当が増え、価値も上がる「増配株」のスゴさとは?

 逆に、ここ数年の好調な株価を見ていると「公的年金はともかくとして、個人年金や確定拠出年金に加入するより、すべてを株式投資に回してリタイア後の準備をしたほうがいいんじゃないの?」という考える方もいるかもしれません。

 しかし、過去に当連載で紹介している通り、株は毎日取引されて値段がつくもので、株式投資でリスクを限りなくゼロに近づけることはできても、完全にゼロにすることはできないのです。また、個人年金や確定拠出年金は、株式投資にはない有利な税制が用意されており、その節税メリットを「利息」と考えると、節税分だけでそこそこの「利回り」になります。

 ですから、まずは貯金をして、次に税制上で有利な個人年金や確定拠出年金を活用した上で、さらなる余裕資金を株式投資に回して「自分年金」を構築するといいのではないでしょうか。

 預貯金は資産運用が上手な人にとっては資金を遊ばせているように感じるかもしれません。正直なところ、私もそう感じていたので投資を始めたころは預貯金をほとんど確保せず、手持ちの資金のほとんどを投資に充てていました。しかし、人生の中で現金が必要になる事態が突然発生することもありえるので、今ではある程度の預貯金を確保しておくようになりました。

 ただし、株式投資を理解するにはある程度の年数が必要です。「貯金や年金を完璧に準備してから株式投資をする」のではなく「貯金や年金と並行して株式投資をスタートさせる」のがベストではないかと思います。

 「貯金や年金を完璧に準備」できていなくても、まずは1銘柄1単元でも買ってみましょう。そうすると、投資した企業からいろいろな報告や配当金が届き、株を保有することで初めてわかることがたくさんあるはずです。「貯金や年金の準備」が完璧にできるまで、株式投資にまったく手を付けないのは時間がもったいないので、最初のうちは預貯金の確保を優先しながら、同時に個人年金・確定拠出年金を準備しつつ、少しずつ株式投資に資金を振り分けてみましょう。そして最終的に「預貯金」と「個人年金・確定拠出年金」と「株式投資」のバランスがいい状態を目指しましょう。

不動産投資と増配株投資のどちらが「自分年金」に向いているのか?
「時間対効果」が高いのは手間もかからない増配株投資!

 自分年金を構築するには、「株式投資」ではなく「不動産投資」も有力な手段の一つで、不動産投資には株式投資にはない魅力やメリットがあります。例えば、不動産投資のほうが税制上は有利なことがあったり、物件を上手に探せば安定したキャッシュフローを得られたり、ローンによって自分の資金以上の物件を保有できたりします。ただし、不動産投資には株式投資よりも勉強や手間が必要となります。自分で物件を探し、リノベーションから入居者の募集、入居後のトラブル対策などを自分でマメにできる人なら、非常に有利な投資手段としての選択になり得るかもしれませんが、「不動産屋や建築業者に何もかもお任せ」的なやりかたでは大きな利益を得ることは難しいでしょう。

 逆に、不動産投資にはない株式投資の強みは、不動産投資と比較するとかなり少額の資金から始められることと、いつでも簡単に撤退できることです。投資から撤退した場合の損失は、現物株投資であれば投資額以下に限定されます。株式投資の手法はいろいろあるものの、当連載で推奨している「増配株投資」を実践すれば、保有銘柄を管理する手間もそれほど必要もなく、せいぜい年4回の決算と配当金の推移を確認するくらいなので、投資に費やす時間はかなり少なくて済みます。株式投資、特に「増配株投資」は時間対効果が非常に高いと言えるでしょう。

 しかも、不動産投資の場合は1件あたりの単価が高く、簡単に分散投資をすることはできませんが、株式投資は1件当たり数万~数十万円で投資できるので、資金がそれほど多くなくても複数の銘柄に分散投資ができます。分散投資をしていると、なかには業績好調な銘柄が出てきて、株価が5倍、10倍になる可能性もあるのです。

 さらに、いままで当連載で紹介してきたように、株式の保有で受け取れる配当金を毎年増やしてくれる「増配株」を見つけて投資すれば、配当を受け取ることで比較的短い年数で投資元本を回収することが可能です。

 例えば、前回の記事では、証券口座の開設後の具体的な投資プランを3つ紹介しました。
【※前回の記事はこちら!】
億トレーダーが初心者におすすめの証券会社を紹介!NISA口座の売買手数料無料のSBI証券と、株主優待で売買手数料が無料になるGMOクリック証券がおすすめ

 いずれも毎月3万円の資金を証券口座に入金して、毎年、複数の銘柄に投資するのを30年にわたって続ける、という設定にしていたのですが、これを実行すると30年後には保有銘柄の投資元本が回収できている可能性が高く、かつ元本を回収したあとも配当をもらい続けることができるのです。

「退職金をもらってから、初めて資産運用に挑戦」するのは厳禁!
30~40代のうちから資産運用を実践してノウハウを身につけよう!

 さて、前述した「貯金や年金を完璧に準備」する前に投資を始めるというのは、実は大きなリスクを回避できるというメリットがあります。というのも、世の中には「退職金で資産運用を始めよう」と考えている人が意外と多いのですが、これは“一番危険なパターン”だと考えています。私の知り合いでも「退職金で投資」を実践した方がいましたが、残念ながら大損して撤退してしまいました。もし、退職金を失ってしまうと老後の人生設計は大きく狂ってしまいます。

 退職金を運用するつもりなら、30~40代のうちに少しずつ勉強して、資産運用を始めたほうがいいでしょう。現役時代から投資を始めておくことで、「未経験なのに退職金で株式投資を始める」という、“一番危険なパターン”を回避でき、退職金というまとまったお金が手に入ったときに、しっかりとした運用ができるのです。

 私自身、株式投資を本格的に始めたのは30代中盤でしたが、実際に儲かり始めたのは40歳を過ぎてからでした。もしあなたが退職金をもらえる職場、あるいはキャリアアップとともに給与がそれなりになるのであれば、現役のサラリーマンであるうちにリスクを取って資産運用に関する実践を積み重ね、運用ノウハウやリスク管理を学んだ上で、退職金の運用を行うべきです。資産運用のノウハウを持って60代を迎えれば、その後の人生を充実させることができます。そして、将来に自信が持てれば、今を楽しむこともできます。実は、私が本当に大切だと思っているのはまさにこの「資産運用のノウハウを持てれば、今と将来の両方を楽しめるようになる」という部分です。人生は一度きりですので、株式投資のノウハウを身につけて実践し、今と将来の両方を充実させましょう。

 今回のポイントをまとめると以下のとおりです。

【ポイント①】
副業で稼ぐことを考える前に、まずは本業でしっかり稼ぐことを考えたほうが効率的。
【ポイント②】
投資を始める準備段階として、生活費の1~2年分の預貯金、公的年金や個人年金、確定拠出年金への拠出をするようにしよう。
【ポイント③】
株式投資の経験がないまま、退職金を運用するのは危険!現役時代にリスクを取って投資を始めて、定年までに経験値を上げておこう。
【ポイント④】
株式投資のノウハウを身につければ、今の生活も、将来の生活も、両方を充実させることができる。

 最後に、参考銘柄をひとつ紹介します。いつものことですが、あくまでも紹介する銘柄は「増配株」の特長がわかりやすい一例で、この銘柄への投資を推奨するものではありません。

 今回紹介するのは、学究社(9769)です。学究社は、京都府の西部を地盤に、小中学生向けの塾「ena」を展開しています。配当利回りが4%近くある高配銘柄で、増減を繰り返しながらも長期的に見れば増配傾向にあります。

■学究社(9769)の配当金の推移
基準月 2001年
3月
2002年
3月
2003年
3月
2004年
3月
2005年
3月
2006年
3月
2007年
3月
2008年
3月
2009年
3月
配当金額
(税引前)
3.00円 6.00円 6.00円 0円 0円 6.00円 6.00円 7.50円 10.00円
基準月 2010年
3月
2011年
3月
2012年
3月
2013年
3月
2014年
3月
2015年
3月
2016年
3月
2017年
3月
2018年
3月
(予想)
配当金額
(税引前)
20.00円 15.00円 20.00円 30.00円 40.00円 50.00円 60.00円 60.00円 60.00円
※株式分割考慮後の配当金額

 前回の記事で紹介した日本コンセプト(9386)と同様に、連続増配をしていないので「連続増配株ランキング」などで注目されることもなく、予想PER16倍程度です。また、3月末に100株以上を保有している株主にQUOカード1000円分の株主優待がある点も魅力です。

 2月27日現在の株価1698円に対し一株当たりの予想配当が60円ですので、100株の保有で税引き後4781円の配当がもらえます。この配当が続くとすると、投資元本を回収するのに16万9800円÷4781円=33.54年かかる計算になりますが、株主優待でもらえるQUOカード1000円分を加味すると、投資元本を回収するまでの期間は16万9800円÷(4781円+1000円)=27.74年に短縮されます。

 さらに、学究社は前述のように長期的に増配傾向にあり、今後も長期的に増配する可能性が高いと考えられます。ただし、今期は本社移転などがあり、売上は増加するものの減益となっているので、株価もそれほど高くありません。今までよりも緩やかなペースであっても、しっかりと増配を継続してくれれば、10年~15年で投資元本が回収できる可能性が高い銘柄だと考えています。

 しかも、株価は下記のチャートのように増配に伴って急騰している点も見逃せません。

学究社(9769)の株価チャート(※株式分割考慮後の株価)
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 さて、今まで「増配株投資」をメインとした資産運用や自分年金づくりについて解説してきましたが、投資先は日本の株式市場が前提としていました。しかし、実は「増配株」としては米・ニューヨーク証券取引所に上場する「米国株」のほうが条件が揃った銘柄がたくさんあります。また、昨今は東証に上場するJリート(上場不動産投資信託)やインフラファンドも配当利回りが高い、魅力的な投資対象として注目されています。そこで次回からは、「増配株投資」を幅広く捉えて、米国株やJリート、インフラファンドへの投資の可能性を探ってみたいと思います。
【※連載第10回はこちら!】
高配当な「米国株」や「J-REIT」の魅力を分析!増配株投資で成功した投資家が実践する「米国株」と「J-REIT」を利用した「分散投資」の戦略を公開!