つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2021年]
2020年8月15日 頼藤 太希

20代・30代におすすめの「つみたてNISA」活用法を
伝授!“時間を味方につける”ために有効な「積立額の決
め方」や「積立投資すべき投資信託の銘柄」をプロが解説

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

「つみたてNISA」(積立NISA)は、投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度。この連載では「つみたてNISA」の特徴を紹介しています。

 「老後資金2000万円問題」の影響もあり、20代・30代の若い人たちの間で、資産形成、主に積立投資への関心が高まっています。2020年3月には、SBI証券、楽天証券ともに新規口座開設数(月間)が過去最高になったと発表されました。楽天証券によると、3月に口座開設をした人のうち6割が30代以下、7割超が投資初心者とのことです。投資信託の積み立てをしている人も、前年同月比で2倍に増えているそうです。

 そこで今回は、資産形成をこれから始めようとしている20代・30代の方たちに合った「つみたてNISA」の活用のポイントやポートフォリオ例を紹介しましょう。
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現時点で貯蓄がゼロなら、まずは貯蓄から。
貯蓄の目標は生活費の6カ月分!

 「つみたてNISA」の話を始める前に大前提となる大切なことをお話します。もし、今、あなたが貯金ゼロなら、まずは貯金からはじめましょう。

 金融広報中央員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」によれば、貯蓄ゼロ世帯の割合は以下の通りになっています。

世代別・貯蓄ゼロ世帯の割合
  単身世帯 2人以上世帯
20歳代 45.2% 22.9%
30歳代 36.5% 15.8%
40歳代 40.5% 18.7%
50歳代 37.2% 21.8%
60歳代 29.8% 23.7%
※金融広報中央員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」より筆者作成

 年代によって差がありますが、貯蓄ゼロ世帯は単身で3割~4割強、2人以上世帯で2割います。貯蓄ゼロという人の多くは、毎月の収入を毎月の支出で全部使い切ってしまうという状態なのだと思います。

 そのような自転車操業的な状況でも、今まではなんとかそれでやってこられたかもしれません。しかし、コロナ禍では勤労収入が減る可能性もあり、貯蓄ゼロではかなり危険です。ケガや病気をしたり、リストラされたりした場合、すぐに金銭的に深刻な状況に陥ってしまうからです。

 そこで、万が一に備えて、生活費の6カ月から1年分の預貯金を用意しておきましょう。預貯金がまったくない人は、つみたてNISAを始める前に、生活費の6カ月分の預貯金を貯めることを優先するといいでしょう。

 とはいえ、生活費の6カ月分の預貯金ができるまで、投資を一切、始めないというのも時間がもったいない気がします。20代・30代の人は、40代・50代の人と比べて、投資にまわせる金額は少ない一方、投資できる年月はたくさんあるのが特徴です。そこで、20代・30代の人には、「時間を味方につけた」資産運用がおすすめです。投資資金は少なくても、長く投資することでお金を増やしていく戦略です。
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 そのため、3カ月分程度の生活費が貯まったら、月1000〜3000円などの少額から、つみたてNISAをスタートするといいでしょう。そして、生活費の6カ月分が貯まったら、毎月の投資金額を増やしていきます。こうすれば、投資の感覚も少しずつ養いながら、時間も味方につけることができます。
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楽天ポイントやTポイントを貯めながら積み立てる!
貯まったポイントは投資や生活費に使おう

 最低限の預貯金を維持しつつ、投資もするとなると、若い世代の方は厳しく感じることもあると思います。それでも、少額ずつでもいいので積み立てを続けることが、お金を増やす基本です。そこで、ちょっとしたことですが、「ポイント」を活用してお得に楽しみながら投資を続けるのもおすすめです。

 楽天証券の「つみたてNISA」では、投資信託の購入にポイントを使用できます。買い物で貯めた楽天ポイントを使うこともできるほか、投資信託の購入代金を楽天カード払いにすれば、楽天ポイントが付き、その楽天ポイントを次の投資信託の積み立てに使用することも可能です。
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「楽天カード」を使って「楽天証券」で積立投資したら、利回りが10%超になっていた! しかも、投資信託の積立時に楽天スーパーポイントが1%も貯まってお得!

 例えば、「楽天カード払い」で毎月3万円、投資信託を積み立て購入すると、1カ月目は積立額の1%分、300ポイントが得られます。この300ポイントを、自動的に翌月の投資信託の代金に充当することができます。投資信託の購入に使用するポイントの上限額の設定も簡単です。
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【楽天証券「つみたてNISA」口座のメリットは?】「つみたてNISA」対象の投資信託が159本と豊富!積立額に応じポイント還元&ポイントで投資も可能!

◆楽天証券の「つみたてNISA」口座⇒詳細はこちら(公式サイトへ)
売買手数料 購入可能なつみたてNISA対象商品数
投資信託 ETF インデックス型投信 アクティブ型投信 ETF
無料 145本 14本
楽天証券の公式サイトはこちら

 一方、SBI証券の「つみたてNISA」では、「投信マイレージサービス」が利用できます。「投信マイレージサービス」は、SBI証券での投資信託の月間平均保有金額に応じてTポイントを貯めることができるサービスです。投資信託の月間平均保有金額が1000万円未満の場合、基本的に年0.01〜0.1%のTポイントが受け取れます。

 例えば、付与率0.1%の場合、100万円分の投資信託を1年間保有していれば、Tポイントが1000ポイント受け取れます。貯まったTポイントは楽天証券と異なり、つみたてNISAの代金に充当することは本稿執筆時点(2020年8月10日)ではできませんが、日常の買い物などに活用できます。
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◆SBI証券の「つみたてNISA」口座⇒詳細はこちら(公式サイトへ)
売買手数料 購入可能なつみたてNISA対象商品数
投資信託 ETF インデックス型投信 アクティブ型投信 ETF
無料 147本 14本
SBI証券の公式サイトはこちら

 楽天ポイントもTポイントも、使えるお店やサービスが豊富で「貯めがい」のあるポイントです。毎月の積み立てがちょっと厳しいなというときも、ポイントはモチベーションの維持に役立ちます。自分なりの楽しみを見つけながら、投資を継続していきましょう。

「つみたてNISA」で積み立てる金額は「毎月3万円」を目標に! 

 さて、月1000〜3000円などの少額で「つみたてNISA」をスタートしたという人も、最低限の預貯金が貯まり、資金に少し余裕が出てきたら、投資金額を増やしましょう。

 いくらまで増やすのかというときに目安として参考になるのが、「手取り収入の2割を貯蓄(投資)しよう」という考え方です。「2割も!?」と驚くかもしれませんが、金額に直して実際に考えてみると、そこまで難しくはないことがわかります。

 例えば、年収450万円の人であれば、賞与がない場合、月給は37万5000円です。この金額はあくまで額面なので、実際には37万5000円から税金や社会保険料を支払います。そこで、手取りはおおよそ30万円程度になります。

 手取り30万円の2割、6万円を貯蓄に回すとすれば、残りの24万円が生活費です。「24万円で生活できるの?」と不安に思う方もいると思いますが、総務省「家計調査報告」及び、公益財団法人不動産流通推進センター「不動産統計集」を参考にすると、30代独身の1カ月の支出金額は約20万円となっていますので、24万円あれば生活はできそうです。

 もちろん、結婚して子供がいる場合は教育費もかかってきますし、独身よりも生活費は増えます。とはいえ、夫婦2人の手取り収入を合算して考えれば、月6万円を貯蓄や投資にまわすのは不可能ではないでしょう。

 そこで、筆者からの提案は、この月6万円のうち、3万円を、教育資金、老後資金、余暇資金などを目的とした積立投資にまわすというものです。つみたてNISAで投資できる額は年40万円まで。月に均すと3万3333円ですから、月3万円をつみたてNISAで運用するのがおすすめです。

 これまでの連載でお伝えしてきた通り、つみたてNISAは投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度です。「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」も税制面でお得なのですが、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は原則として60歳まで出金できません。その点、つみたてNISAなら、いつでも解約・出金が可能ですので、これから何かと出費が予想される若い世代にもおすすめできます。
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「つみたてNISA」では1本で4資産に投資できる
信託報酬が安い投資信託がおすすめ!

 では、月3万円ずつ「つみたてNISA」で運用するとして、何に運用すればいいのでしょうか。おすすめの投資信託を具体的に挙げて解説しましょう。

 投資先を決めるには、「自分がどの程度のリターンが欲しいのか」「どの程度のリスクなら許容できるのか(どの程度の損失まで受け入れられるのか)」を考えることが重要です。

 みなさんの中には、「若いうちは失敗しても挽回できるから攻めろ!」と聞いたことがある人はいるでしょう。もちろん、仕事や趣味であればどんどんトライすべき、と筆者も考えます。資産形成・資産運用でも、一般的に、若い人の方がリスク許容度が高い傾向にあるのは事実です。

 とはいえ、筆者としては、まずは堅実にコツコツと資産の基盤を築くのが良いと考えます。ある程度、資産の基盤があるから、攻めに転じられるのです。資産形成層と言われる20代・30代は、土台となる資産を着実に築くのが第一です。初めての資産運用で、攻めに攻めた運用をして、いきなり大半のお金を失うことにでもなれば、その後は前向きに投資に取り組めなくなってしまいます。

 そこで、まずは堅実にコツコツと増やすと考えて、目標リターンは3〜4%を目指しましょう。

 3〜4%の目標リターンを目指すポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)としては、「債券」と「株式」を半分ずつ、投資する地域も「国内」と「海外」を半分ずつ、つまり「国内株式」「海外株式」「国内債券」「海外債券」の4つの資産に分散するのがいいでしょう。一般的に、国内の比率、債券の比率が高いほど、リスク(値動き)を抑えることができると考えられます。

 「国内株式型」「海外株式型」「国内債券型」「海外債券型」の4本の投資信託を組み合わせてポートフォリオを作ってもいいのですが、つみたてNISAには、1本で手軽に4資産に分散投資できるバランスファンドがありますので、そちらを利用するのが手間はかからないでしょう。

 おすすめは、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」です。

 ◆<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)(ニッセイ・アセットマネジメント)
ベンチマーク 基準価額 純資産総額
合成指数 12008円  66.58億円
購入時手数料 信託報酬 信託財産留保額
なし 0.154%(税込) なし
※上記数字は2020年8月7日時点
【つみたてNISAで買える金融機関の例】SBI証券松井証券マネックス証券楽天証券
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の基準価額はこちら

 <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は、国内外の株式と債券、4資産にそれぞれ25%ずつ投資する投資信託です。本ファンドは同種ファンドの中で、信託報酬が0.154%と最安水準です。気になる運用パフォーマンスですが、直近1年の累積リターンは3.15%、3年では9.23%となっています(2020年7月末時点)。

 投資信託選びで重要視したいのが、「信託報酬」というコスト(手数料)です。「信託報酬」は投資信託を保有している間ずっとかかるため、たとえ年0.2〜0.3%程度の違いでも、投資期間が20年近くになれば大きな差になります。同じような国・投資先に投資しているのであれば、少しでも信託報酬が安い投資信託を選ぶのがベターです。その点、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックス~」というシリーズは、信託報酬の引き下げに積極的な点も評価できます。
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 若いうちは、時間はあってもお金がないのが多くの人の悩みでしょう。今回ご紹介した情報を参考に、少しずつでも堅実に、長い視点で資産形成を進めていきましょう!
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頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役、マネーコンサルタント。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Cafe』を運営。メディアなどで投資に関するコラム執筆、書籍の執筆・監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、 『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。twitter→@yorifujitaiki