「お宝銘柄」発掘術!

「冷凍自動販売機」関連銘柄の6社を紹介! 新型コロナの感染再拡大で、テイクアウトやデリバリーと並んで利用者が増えている“非接触”ビジネスの関連株に注目

2022年8月12日公開(2022年10月7日更新)
村瀬 智一
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自動販売機で有名店の餃子やラーメン、ご当地料理などを
24時間いつでも購入できる「無人販売ビジネス」が登場!

 自動販売機のソリューション事業を運営するSOBOは、東京メトロの飯田橋駅構内に「博多一風堂」「ラーメン凪」など有名ラーメン店の商品や餃子を販売する冷凍自動販売機「FROZEN24マート」を設置し、2021年11月30日からサービスを開始しました。さらに2022年7月28日には、JR大森駅西口に冷凍自動販売機を6台設置し、有名店の餃子やラーメン、仙台牛タン、お好み焼、パスタ・ピザ、石垣島のアイスキャンディーなどの販売を開始しました。SOBOは、今後も大手鉄道各社や空港、大型商業施設などを中心に「FROZEN24マート」を展開して行く予定とのことです。

 この「FROZEN24マート」に限らず、このところ冷凍自動販売機(冷凍自販機)のみが設置された24時間営業の無人店舗を目にすることが増えています。これまで冷凍自動販売機と言えば、多くの人にとってアイスクリームのイメージが強かったと思いますが、最近では、ラーメンや餃子など、さまざまな料理が自動販売機で簡単に手に入るようになりました。

 冷凍自動販売機が増え始めてきた当初は、コロナ禍においてインターネット通販やデリバリーサービスの亜種として派生したと見られ、設置する側としても、お店の売上を少しでも補うためや、後続の店舗が入らない空きスペースを有効活用するために設置したケースが多かったと思います。しかし最近では、食べたいときに24時間いつでも本格的な料理を購入して自宅で食べられる便利さが多くの人にうけており、一部では冷凍自販機のみの店舗も登場して、ブームの様相を見せています

 また、自動販売機で売られている冷凍食品の多くは一人前ずつ購入することができるため、最近の「個食」のニーズにも合致しているようです。さらに、送料などの手数料を気にせず、家族で一食ずつさまざまな種類を買うといったことができるのもメリットです。こうした時代に合った利便性から、冷凍自動販売機の設置は今後も増えてくることが見込まれます。

 そこで今回は、この「冷凍自動販売機」に注目し、関連銘柄を紹介します。

 冷凍自販機の本体については、富士電機(6504)の「FROZEN STATION(フローズンステーション)」と、サンデン・リテールシステムの「ど冷えもん」が2強となります。そのうちのサンデン・リテールシステムは、現在、サンデン(6444)から分社化しているため、冷凍自動販売機を手掛けている上場企業は、実質、富士電機1社になります。

 そのため、今回は富士電機のほか、自動販売機向けの機器やシステム、サービスなどを手掛ける企業、さらには「冷凍食品」関連の企業を中心にピックアップしました。

【富士電機(6504)】
大容量の冷凍自販機「FROZEN STATION」を提供

 富士電機(6504)は、大容量の冷凍自動販売機「FROZEN STATION(フローズンステーション)」を提供しています。標準設定で7種類、70個を収容可能で、さらにラックを取り換えることで最大84個まで収容数を拡大できます。また、通信端末を標準搭載しており、売上や在庫などの販売データを遠隔地からリアルタイムで確認可能です。株価は、5250円辺りでの底固めを経て、7月下旬以降のリバウンドで6000円水準を回復しました。直近で調整を見せていますが、13週・26週移動平均線が下値支持線として意識されており、押し目狙いのスタンスとなります。

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富士電機(6504)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【GMOフィナンシャルゲート(4051)】
自動販売機向けの組込型決済端末を手掛ける

 GMOフィナンシャルゲート(4051)は、多様な決済手段に対応したマルチ決済端末や自動精算機、無人化機器などを手掛けています。2017年12月には、自動販売機向けの組込型決済端末の提供を開始。国内で初めて、カードやモバイル端末をかざすだけで支払い可能な非接触決済「Visa payWave(ビザペイウェーブ)」に対応しました。株価は年明け以降、下落が続いていましたが、6月14日につけた安値1万10円をボトムにリバウンドを見せています。13週・26週移動平均線が下値支持線となっているので、52週移動平均線が位置する2万円近辺を想定したリバウンド狙いになりそうです。

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GMOフィナンシャルゲート(4051)チャート/週足・1年GMOフィナンシャルゲート(4051)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【ネクシィーズグループ(4346)】
冷凍自動販売機「ど冷えもん」を初期投資ゼロで利用可能に

 ネクシィーズグループ(4346)は、LED照明や厨房機器、空調などの省エネ設備を初期費用ゼロで導入できる「ネクシィーズ・ゼロ事業」を中核事業とする企業です。この「ネクシィーズ・ゼロ事業」において、サンデン・リテールシステム製の冷凍自動販売機「ど冷えもん」を、初期投資ゼロ・月額固定料金のみで導入できるサービスを提供しています。株価は、3月9日の安値470円をボトムに緩やかなリバウンドが継続しています。13週・26週移動平均線が下値支持線として意識されるなか、リバウンド狙いのスタンスです。

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ネクシィーズグループ(4346)チャート/週足・1年ネクシィーズグループ(4346)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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昭和電工(4004)】
グループで食品急速凍結装置「FREEZER」シリーズを手掛ける

 昭和電工(4004)は、液化炭酸ガスやドライアイス、産業ガスなどを手掛けるグループ会社の昭和電工ガスプロダクツが、食品急速凍結装置「FREEZER(フリーザー)」シリーズを提供。断熱された凍結室の中で、液体窒素を直接食品にスプレーすることで、食品を瞬間に凍結します。凍結された食品は冷凍自動販売機でも販売されることから、冷凍自動販売機の普及に伴って需要増加が期待できます。株価は、13週・26週移動平均線に上値を抑えられているため、2200円近辺での押し目を狙いたいところです。

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昭和電工(4004)チャート/週足・1年昭和電工(4004)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【アイネス(9742)】
最新情報をリアルタイムで確認できる自動販売機運用管理システムを提供

 アイネス(9742)は、自治体や商業施設、企業、農業などのDXソリューションを手掛けており、そのなかで自動販売機運用管理システムを提供しています。自動販売機の設置から撤去、整備状態まで、最新の情報をリアルタイムで確認できるため、在庫管理や修理・整備の管理などを遠隔地から行えます。株価は、足元で7月21日の高値1719円をピークに調整を見せていますが、切り上がる13週・26週移動平均線を下値支持線としたトレンドを形成していますので、押し目を狙っていきたいところです。

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アイネス(9742)チャート/週足・1年アイネス(9742)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【エフピコ(7947)】
食品トレー大手で、ニッスイの冷凍食品にも採用

 エフピコ(7947)は、スーパーやコンビニなどで使用される食品トレー容器などを手掛けており、日本水産(ニッスイ)が販売する家庭用冷凍食品「今日のおかず レンジでつくる」シリーズでもエフピコの発泡ポリスチレン容器が採用されています。株価は、6月22日の安値2504円をボトムにリバウンドを強めてきており、直近で52週移動平均線を捉えています。13週移動平均線と26週移動平均線との「ゴールデンクロス」が迫っているため、基本は押し目を狙いつつ、もし52週移動平均線を捉える局面になれば「強気スタンス」で臨みましょう。

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 以上、今回は「冷凍自動販売機」の関連銘柄を発掘しました。

 新型コロナウイルス感染症の再拡大から、改めて外出を控える動きが出てきているなか、冷凍とはいえ、人気有名店のラーメンやご当地グルメなどを、24時間いつでもその場で買って食べることができるのは、非常に便利です。ネット通販が利用できない高齢者の利用も期待できます。

 そんな「冷凍自動販売機」の関連銘柄を、今のうちからチェックしておきましょう。
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