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阪急阪神ホールディングスとNECが手を組み、
「ローカル5G」と「AI画像認識」を活用した実験を開始
阪急阪神ホールディングス(9042)の傘下にある阪神電気鉄道とアイテック阪急阪神、阪神ケーブルエンジニアリングの3社は、NEC(6701)と共同で、阪神本線において「ローカル5G」と「AI画像認識」などを活用した実証実験を開始することを12月5日に発表しました。
この実験は総務省の「令和4年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証(特殊な環境における実証事業)」の一環として行われ、期間は2023年1月から2月までとなっています。
「ローカル5G」とは、5G通信を使って敷地内や建物内など特定のエリア内に構築した、自営のネットワークを意味します。Wi-Fiなどを使った「無線LAN(社内LAN)」と似ていますが、ローカル5Gには「移動しても回線が切れにくい」「セキュリティレベルが高い」といった特長があります。
一方「AI画像認識」は、その名称の通り、AIを使って画像・映像に映る人やモノを認識する技術です。近年は深層学習(ディープラーニング)によって精度が向上してきており、製造現場の検品作業や監視カメラの異常検知など、すでにさまざまな場面で利用されています。
今回の阪急阪神ホールディングスグループの実証事件では、以下の3点が課題実証内容として挙げられています。
(1)地上カメラとAI画像認識を用いた事故の未然防止
AI画像認識によって、踏切や駅ホームなどで発生した危険を検知。ローカル5Gで瞬時に列車の乗務員などに通知するとともに、現地でもスピーカーによって注意喚起を行う。
(2)車地上間における車内映像などのリアルタイムな情報連携
車内防犯カメラの映像などをローカル5Gでリアルタイムに地上係員や乗務員と共有することで、緊急時の対応を早める。
(3)車上カメラとAI画像認識を用いた日常の巡視転換の省人化
列車前方に搭載したカメラの映像からAI画像認識によって設備の異常などを自動的に検知。日々の巡視点検の負荷軽減・省人化を目指す。
つまり、阪急阪神ホールディングスグループでは、ローカル5GとAI画像認識を活用することで、将来の労働力人口の減少によって懸念される乗務員や保守作業員などの不足に対応するとともに、さらなる安全性の向上と鉄道運営の効率化の実現を目指しているのです。
将来的な人手不足への対処や一段の効率化に向け
すでに実用化が進んでいる「AI画像認識」に注目!
阪急阪神ホールディングスグループとNECの実験に限らず、将来的な人手不足への対処や一段の効率化を進めるため、多くの企業がさまざまな対策に取り組んでいますが、筆者が見たところ、こうした取り組みにおいては「ローカル5G」と「AI」がキーワードになっていることが多いように感じます。
そこで今回は「AI」関連のテーマのひとつである「AI画像認識」に注目しました。「ローカル5G」についても将来的な活用が期待されていますが、技術的には未だ実証段階にあると見られます。そのため、今回はビジネス面でより実用化が進んでいる「AI画像認識」を取り上げました。
具体的な銘柄としては、「AI画像認識」に関連する事業を手掛けている企業のなかから、中小型株を中心にテクニカル面を考慮して選定しました。
【TDSE(7046)】
設備点検や製品検査が可能な「異常検知サービス」の提供を開始
TDSE(7046)は、画像解析サービス「TDSE Eye」を開発。そのサービス第一弾として、11月8日に設備点検や製品検査などの効率化やコスト削減を実現する異常検知サービスの提供を開始しました。「TDSE Eye」は、少数の正常データのみでAIモデルを作成できる最先端の異常検知AIを実装。設備の保守業務や製品の品質確認など、これまで目視作業に頼っていた外観検査を効率化できるクラウドサービスです。株価は12月に入って上昇の勢いを強めており、一気に8月以来の高値を突破して2021年7月半ば以来の水準を回復しました。2019年のIPO(新規上場)以来続いている長期的な下落トレンドが、本格的に上昇トレンドに転換する展開が期待できます。
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【JVCケンウッド(6632)】
カメラ側でAI処理を行う「エッジAIカメラ」を手掛ける
JVCケンウッド(6632)は、「エッジAIカメラ」のソリューションを手掛けています。「エッジAI」とは、サーバーやクラウド側で映像・画像のAI処理を行う従来型と異なり、エッジ(カメラ)側でAI処理を行うシステムのことで、処理スピードの向上や情報漏洩リスクの低減などが期待できます。例えば、JVCケンウッドでは「エッジAIカメラ」とメーター自動読取ソフトウェアと組み合わせることで、各種メーターの数値確認作業や記録作業の省力化を実現。また、銀行のATMで電話をかけながら操作している人を映像から検知可能なことから、振り込め詐欺の被害防止にも活用されています。株価は、10月31日に発表された業績の上方修正が好感され、強いトレンドを形成しています。足元では調整も見られますが、高値圏での推移を継続しているので、25日移動平均線までの調整を待ったうえでのリバウンド狙いとなります。
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【キューブシステム(2335)】
AI顔認証が可能な入場管理システムを構築
キューブシステム(2335)は、独自のアプリケーション開発に関わる開発標準フレームワーク「F@CE」を活用したシステム開発を行っています。「AI画像認識」関連としては、トリプルアイズの画像認識プラットフォーム「AIZE」と、AWS(アマゾン ウェブ サービス)を活用し、AI顔認証が可能な入場管理システムを構築した実績を持ちます。株価は、10月以降の上昇で26週移動平均線が下値支持線として機能していますが、足元で同線まで調整を見せているので、ここからのリバウンドに期待したいところです。
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【PKSHA Technology(3993)】
人やモノを高精度に認識可能な「HRUS」を開発
PKSHA Technology(3993)は、画像解析技術と深層学習を組み合わせることで、人やモノを高精度に認識するアルゴリズムソフトウェア「HRUS」を開発しました。「HRUS」はIT大手が提供する汎用的な画像解析エンジンとは異なり、業種・業界に特化したソフトウェアのため認識性能が高いのが特長。また、カメラだけではなく、スマホやドローンなどのさまざまなデバイスで利用可能です。株価は、2021年12月の高値をピークに上値を切り下げる形での調整が続いていますが、足元でこれまでのボトム水準まで下げてきたので、リバウンド狙いのタイミングと言えるでしょう。
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【コニカミノルタ(4902)】
グループ会社が、IPネットワークカメラ「MOBOTIXシステム」を開発
コニカミノルタ(4902)はグループ企業のMOBOTIXが、IPネットワークカメラ「MOBOTIXシステム」を手掛けています。「MOBOTIXシステム」は、従来技術より検知精度を高めた「MxActivityセンサー」や、人やモノの挙動データを計数・収集するシステム「MxAnalytics」、1台のカメラで全方位の視野をカバーする世界初の「半球テクノロジー」など、さまざまな革新性を実現した製品です。株価は11月に入って大きく上昇し、2021年11月以来の水準を回復。このまま2021年6月の高値658円を捉えてくるようだと、一段の上昇が見込まれます。
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【セカンドサイトアナリティカ(5028)】
8K映像をAI解析し、人間が目視では不可能なレベルでの検知を実現
セカンドサイトアナリティカ(5028)は、特定のビジネス課題を解決するためにデータ分析や機械学習モデルの構築を活用する「アナリティクスコンサルティング」を提供しています。2021年5月には、8K映像をAI解析することで人の肉眼では確認できない遠方の人までも検知可能なAIシステムの構築に成功したことを発表しました。株価は、4月のIPO直後につけた高値4750円をピークに下落が続いていましたが、9月29日につけた安値1392円で底入れが意識されたことから、上昇トレンドへの転換が期待されます。
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以上、今回は「AI画像認識」の関連銘柄を発掘しました。
AIを活用した画像認識の製品・サービスに対しては、製造業での外観検査、設備の保守、点検・分析といった業務課題の解決に向けた需要が高まってきており、今後、「AI画像認識」は本格的な普及フェーズに入ってくることが見込まれます。これまで「期待先行」という印象を持たれることも多かったの「AI」関連銘柄を、改めて見直す動きに期待したいところです。
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