【日本株】「レトロブーム」関連銘柄は「Z世代」や
「インバウンド消費」が人気を支える注目テーマ株！
「昭和・平成レトロ」グッズを扱う注目企業を紹介！

「Z世代」での人気化や「インバウンド需要」に牽引され、
ここ数年で「昭和・平成レトロ」のブームが拡大

　ここ数年、「昭和・平成レトロ」のブームが続いていますが、これは「ミレニアル世代（1981年〜1990年代中頃に生まれた世代）」や「Z世代（1996年〜2012年頃に生まれた世代）」と呼ばれる世代が、当時の文化を取り入れたことからブームが拡大したと言われています。また、当時子どもだった人たちが大人になり、憧れていた家電や玩具などを購入していることも要因のひとつとなっているようです。

 「昭和・平成レトロ」のブームがいつから拡大したかは定かではありませんが、「日経トレンディ」による「2021年ヒット商品ベスト30」では、「昭和・平成レトロブーム」が4位にランクインしています。この年は5月に「西武園ゆうえんち」がリニューアルし、1960年代の街並みを再現して人気となったほか、「チェキ」「たまごっち」「写ルンです」「シティポップ」といったグッズや音楽も人気化しました。

　この「昭和・平成レトロ」のブームは、日本だけではなく世界にも広がりを見せています。インバウンド（訪日外国人）消費でも、中古のレコードやカメラ、「ファミコン」や「ゲームボーイ」のゲームカートリッジなどの人気が高まっており、レア商品を求めて来日する外国人も増えているようです。ちなみに、初代の携帯型カセットプレーヤー「ウォークマン」の中古価格は、10年前の約5倍に高騰しているとのこと。日本の中古品の保存状態の良さも、外国人からの人気につながっているようです。

「昭和・平成レトロ」が人気化した背景には、
「モノ消費」から「コト消費」への消費行動の変化が

 「昭和・平成レトロ」のブームの背景には、商品自体に価値を見出す「モノ消費」から、商品・サービスによって得られる体験や経験に価値を見出す「コト消費」への消費行動の変化もあると思われます。「Z世代」のブームの移り変わりはとても速いと見られますが、一方で、入国規制緩和後に訪日客数が順調に拡大していることから、インバウンド消費としてレトロな中古品の需要拡大が見込まれます。

　そこで今回は、当時を知る人には懐かしく、若い世代には新鮮に映る「レトロブーム」関連の銘柄に注目しました。具体的な銘柄としては「リユース」関連の中で、外国人に人気の高いレコードやカメラ、玩具などを手掛けている企業や、昭和レトロ感のある商品を手掛けている企業をピックアップ。それらのなかから、テクニカル面で妙味のある銘柄を選定しました。
 

【買取王国（3181）】
趣味性やコレクション性の高い商品の品揃えが豊富

　買取王国（3181）は衣料品や服飾雑貨、ホビー、雑貨、トレーディングカード、高級ブランド品などを取り扱うリユースショップ「買取王国」を展開しており、趣味性やコレクション性の高い商品を豊富に揃えています。リユース市場が活発化しており、2022年7月、10月および2023年1月には、創業以来となる各月の単月最高売上高を記録しています。株価は、2月16日に発表した2023年2月期の業績予想の上方修正が材料視されたこともあり、強い上昇トレンドが続いています。短期的には過熱感が警戒されますが、切り上がる13週移動平均線が下値支持線として意識されているので、押し目を狙いたいところでしょう。

⇒買取王国（3181）の最新の株価はこちら！

【まんだらけ（2652）】
ドバイで開催される「World Art Dubai2023」に出展

　まんだらけ（2652）は、漫画やキャラクターグッズ､同人誌などを販売しています。世界戦略の第一弾として、3月9日〜12日にドバイで開催される中東最大級のアートフェア「World Art Dubai2023」に出店。日本のコレクターズアイテムの魅力を中東マーケットでアピールするとのことです。株価は、2月14日発表の決算内容が評価され、史上最高値（株式分割考慮）を更新。短期的に過熱感はあるもののPBRが1倍を下回っていることもあり、割高感はないでしょう。

⇒まんだらけ（2652）の最新の株価はこちら！

【ブックオフグループホールディングス（9278）】
新サービス「REMARKET」でレトロ家電・雑貨を販売

　ブックオフグループホールディングス（9278）は、中古本やCD・DVD、ゲーム、玩具、トレーディングカード、家電などを販売しています。また「不要品の使い方を創造し、捨て方をデザインする」をキャッチコピーとする新サービス「REMARKET(リマーケット)」では、昭和レトロ感が溢れる懐かしい家電や雑貨などのリユース品の展示・販売を行っています。株価は、年初こそ弱い値動きが目立ちましたが、52週移動平均線近くまでの下落を経て上昇トレンドに転換。26週移動平均線を下値支持線としたリバウンドから、足元では13週移動平均線を捉えてきました。

⇒ブックオフグループホールディングス（9278）の最新の株価はこちら！

【トレジャー・ファクトリー（3093）】
レトロ雑貨・レトロホビーの買い取りを強化

　トレジャー・ファクトリー（3093）は、総合リユースショップ「トレジャーファクトリー」や服飾専門リユースショップ「トレファクスタイル」などを運営。レトロ雑貨やレトロホビーの買い取りを強化しており、希少品・廃盤品など魅力的なアイテムを数多く揃えています。例えば「ファミコン」は人気が高く、汚れや故障があっても買い取り、あるいは引き取りをしているとのことです。株価は、直近の急伸で1月の高値を突破。その後は急速に調整を見せているので、26週移動平均線を下値支持線とした押し目狙いで注目です。

⇒トレジャー・ファクトリー（3093）の最新の株価はこちら！

【ヴィレッジヴァンガードコーポレーション（2769）】
ギンビス「たべっ子どうぶつ」のレトロな限定アイテムを発売

　ヴィレッジヴァンガードコーポレーション（2769）は、「遊べる本屋」をキーワードに書籍、雑貨類、CD・DVDなどを販売しています。2月4日から、ギンビスが発売している人気ビスケット菓子「たべっ子どうぶつ」のレトロな限定アイテムの第二弾を発売。また、1970年代に人気だったプリントグラスの復刻版なども販売しています。株価は、2022年11月下旬にマドを空けて急落した後、1040円辺りでの揉み合いが続いていましたが、2月に入ってリバウンドの動きを見せ、足元で75日移動平均線を突破。急落時のマド埋めを意識した展開が期待されます。

⇒ヴィレッジヴァンガードコーポレーション（2769）の最新の株価はこちら！

【BuySell Technologies（7685）】
中古レコードやオーディオ機材などの買い取りに強み

　BuySell Technologies（7685）は高価格帯商材を中心に、出張訪問スタイルでの査定・買い取りから販売までを行う総合リユース事業を手がけています。また、関東地方や東海地方を中心に中古レコードや中古楽器、中古オーディオ機材などの買い取りを行なっているMIONと業務提携しており、そういった商材の出張買い取りにも強みを持っています。株価は、2022年9月高値と11月高値で「ダブルトップ（二点天井）」を形成した後、調整していましたが、2023年に入ってリバウンドを見せており、足元では横ばいで推移する13週・26週移動平均線を挟んでの底堅さが意識されています。

⇒BuySell Technologies（7685）の最新の株価はこちら！

　以上、今回は「レトロブーム」関連銘柄を発掘しました。

　ちなみに、最近では東京都の大田区・蒲田が、昭和の名残を感じさせるレトロでノスタルジックな店が多く残っているとして人気が高まっており、例えば、昭和35年にオープンした喫茶店では昔ながらのパフェが人気となっているようです。また、企業や自治体などによるレトロを取り入れた地域起こしの動きも全国で見られています。このように「レトロブーム」はますます広がりを見せているので、個人投資家としても幅広くアンテナを張っておくといいでしょう。
【※関連記事はこちら！】
⇒【株初心者向け】1株（単元未満株）から株が買える証券会社を比較！「少額で株を始められる」証券会社の売買手数料や取扱商品、おすすめポイントを解説！

【※今週のピックアップ記事はこちら！】
⇒2023年中に｢つみたてNISA｣を始めたほうがいい理由を解説！ 2024年に始まる｢新しいNISA｣の金融機関の選び方、現行NISAの活用法など“6つの疑問”に回答！

⇒日銀の新総裁が後始末することになる“異次元の金融緩和”の「負の遺産」とは？ 金融政策の専門家の大半が厳しい評価をつける黒田総裁の金融政策の功罪を解説