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【日本株】長期金利が上昇中は「低PER・低PBR・高配当・好業績の大型バリュー株」が狙い目! 円安&中国人観光客増加の恩恵を受ける「インバウンド株」にも注目!

2023年8月15日公開(2023年8月15日更新)
藤井 英敏
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日経平均株価は8月15日に反発したものの、
依然として上値の重い状況が続いており、調整局面は継続中!

 日米の長期金利の上昇と中国の景気悪化懸念を主因に、日本株の上値の重い状況が続いています

 ちなみに、8月15日の日経平均株価は前日比178.98円(0.56%)高の3万2238.89円と反発したものの、5日移動平均線(15日現在3万2270.81円)、25日移動平均線(同3万2494.07円)ともに下回っています。また、25日移動平均線の向きも、8日連続で下降しました。そのため日経平均株価が25日移動平均線を下回り、かつ25日移動平均線自体が下向きの状況」になっていますので、調整局面が継続中と見ています。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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米国の「インフレ高止まり」と「利上げ長期化」が懸念されるなか、
8月24日に行われるパウエルFRB議長の講演内容に注目!

 まず、米国の長期金利に関してですが、8月14日の米国10年債利回りは、前週末比0.04%高い4.19%で取引を終え、一時は4.21%と2022年11月上旬以来、およそ9カ月ぶりの高水準をつける場面もありました。

■米国10年債利回りチャート/日足・3カ月
米国10年債利回りチャート/日足・3カ月米国10年債利回りチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 米国の長期金利の上昇の主因は、8月10日発表の7月の米・消費者物価指数(CPI)と11日発表の7月の米・卸売物価指数(PPI)で、インフレが市場の想定以上に高止まりしていることが確認されたからです。

 CPIに関しては、コア、総合ともに市場予想を下回りました。しかしながら、総合の上昇の伸びが加速したことに加え、コア指数の前年比の上昇率自体がFRBが目標とする2%に比べて、なお高い状況です。また、PPIは前月比0.3%上昇と市場予想の0.2%上昇を上回り、前年同月比でも0.8%上昇と13カ月ぶりに伸びが加速しました。このため、FRBの金融引き締めが長期化するとの見方が強まっています。

 このような状況下、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が、8月24~26日に米国のワイオミング州で開催され、その初日にパウエルFRB議長が講演を行う予定です。これまでの急激な利上げにもかかわらず、米国内で好調な雇用環境が続き、インフレ圧力が根強く残るなか、議長が今後の金融政策に対して何らかのヒントを市場に与えてくれるか否かに注目しています。

日本の長期金利は、米国の長期金利の上昇に加え、
約9カ月ぶりの円安・ドル高水準により上昇!

 一方、日本の長期金利に関しては、米国の長期金利上昇の影響に加え、外国為替市場での円安が影響しています

 8月14日のNY市場の米ドル/円相場は6日続落し、前週末比60銭円安・ドル高の1ドル=145円50~60銭で取引を終えました。一時は145円57銭と、2022年11月上旬以来、およそ9カ月ぶりの安値をつける場面がありました。この円安が、輸入物価の押し上げ要因として意識されています。

■米ドル/円チャート/日足・3カ月
米ドル/円チャート/日足・3カ月米ドル/円チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 その結果、8月14日の長期金利は上昇し、新発10年もの国債の利回りは前営業日の10日に比べ0.030%高い0.615%でした。

中国の大手不動産・碧桂園の社債の利払い不履行により、
中国の不動産不況と経済の長期低迷リスクが増大!

 ちなみに、中国に関しては、大手不動産開発会社・碧桂園(カントリー・ガーデン)が、発行したドル建て社債2本(総額2250万ドル)の保有者に対して、8月7日が期限であった利払いを履行できませんでした。30日間の猶予期間内に支払いができなければ、デフォルト(支払い不能)となります。また、碧桂園は13日、同社と関連会社が発行した人民元建て社債11本の取引を14日から停止することを発表しました。

 碧桂園は実質的デフォルトに陥った恒大グループの4倍にも上るプロジェクトを抱えているため、中国の不動産不況と経済の長期低迷リスクが強く意識され始めています

 なお、中国については、内閣府が8月14日公表の調査報告「世界経済の潮流2023年I」において、「中国の不動産市場及び地方財政の悪化による中国経済の下振れ」について分析しています。これによれば「今後、仮に一部の不動産企業、金融機関や地方財政の破綻が生じた場合には、その規模に応じ、金融収縮や消費・投資マインドの低下等を通じた景気の下押しが顕在化するリスクがある」としています。また「都市部の若年求職者のうち2割前後が失業者に該当する状況は、消費や不動産購入の停滞といった短期的なマクロ経済の下押し要因となるのみならず、人的資本の質の劣化に伴う生産性低迷に繋がり得る」「経済安全保障の観点からのアメリカ及び北米への生産拠点の増設の流れは今後も続くものと考えられ、米中貿易摩擦の解決・緩和は容易ではないものと考えられる」などとも指摘しています。

 実際、中国国家統計局が8月15日に発表した中国の1~7月の不動産開発投資は、前年同期比8.5%減の6兆7717億元と、1~6月の7.9%減から落ち込みが拡大しています。また、7月の小売売上高は前年同月比2.5%増と、増加率が6月の3.1%増から縮小し、市場予想の4.4%増も下回りました。これらの経済指標を見る限り、中国経済の低迷は長期化する可能性が高いと考えています。

このまま日米の長期金利の上昇が止まらない限り、
高PERのグロース株への売り圧力が強い状況は継続!

 日米の長期金利の上昇は、高PERのグロース株の上値圧迫要因となる見通しです。このため、長期金利の低下が見込めるまでは「低PER・低PBR・高配当利回りで、好業績が見込めるバリュー系大型株」に資金が流入すると見ています。

 また、円安に関しては、インバウンド消費にはポジティブに作用することでしょう。8月10日に中国から日本への団体旅行が約3年半ぶりに再開されたこともあり、中国人観光客の増加が、業績にプラスに寄与する見込みの「インバウンド関連銘柄」にも物色の矛先が向かう見通しです。

 その一方で、高PERのグロース株への売り圧力が強い状況は続くでしょう。特に、機関投資家の参入が見込めない小型株で、チャートが悪化(株価が25日移動平均線を下回っている、など)し、信用買い残が積み上がり、信用需給の悪い銘柄の関しては、株価の底値模索が長期にわたって続くことが危惧されます。

東京グロース市場は短期・中期ともに下降トレンドが継続中!
また、決算で業績が悪かった銘柄には強い「換金売り圧力」が

 ちなみに、8月15日の東証グロース市場指数は前日比9.22p(0.97%)安の946.17pで、5日移動平均線(15日現在962.45p)、25日移動平均線(同984.03p)、75日移動平均線(同986.92p)をすべて下回っています。また、5日移動平均線は6日連続で下降、25日移動平均線は20日連続で下降しています。そのため、短期・中期ともに下落トレンドが発生中と認識しています。今後、「東証グロース市場指数が25日移動平均線を上回り、かつ25日移動平均線自体が上向きの状況」に状態に変化するまでは、調整が続くと見ています。

 また、株式市場全体に資金流入が活発化しているわけではないので、銘柄選別は非常にシビアになっていく見通しです。3月決算の主力企業の第1四半期決算発表が終わったばかりですが、今後は、好業績銘柄だけが上値を追っていく可能性が高い一方で、業績が悪かった銘柄については、好業績銘柄に乗り換えるための“換金売り圧力”が強い状況が続く可能性が高いでしょう。

 このため、可能な限り、あなたのポートフォリオを「好業績で、チャートが良好(株価が25日移動平均線を上回っている、など)で、さらに信用需給が良好」な銘柄だけで構成するようにしておいてほしいと思っています。とにかく、現在のように全体相場が調整している局面では「資金を強い銘柄に寄せる」戦略を採用するべきと考えます。
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