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タクシー需要の増加と運転手の減少による「タクシー不足」の深刻化で、
長年規制されてきた「ライドシェア」解禁の議論が活発化!
コロナ禍が一段落して経済活動が正常化に向かい、外出の機会が増えていることに加えて日本を訪れる外国人旅行者が急増しているなか、タクシー不足が深刻化しています。
タクシー不足の背景には、利用者の増加だけではなく、タクシー自体の減少もあります。「全国ハイヤー・タクシー連合会」の調査によると、全国のタクシー会社で働く運転手の数は、2019年3月末の29万1516人から2023年3月末には23万1938人まで減少したそうです。
そのため、タクシー不足の解消には「まずはタクシー運転手の確保に向けて処遇改善などに取り組むべき」といった意見もありますが、一方で、自家用車を使って有料で人を運ぶ「ライドシェア」の解禁に関しても議論も活発化しています。
自民党の菅前総理大臣は9月7日、「(ライドシェアの解禁について)結論を先送りすべきではない状況になってきている」と述べました。また、小泉元環境大臣も1日に「タクシーかライドシェアかではなく、選べる社会をつくらなければならない」と述べるなど、自民党内からもライドシェアの解禁を求める意見が出てきています。
ただ、ライドシェアには、利用者の保護などの観点からさまざまな課題が指摘されています。ライドシェアは本質的にはいわゆる「白タク」であり、従来のタクシーのように運行管理やドライバーの教育などを行うタクシー会社が存在しないため、利用者がトラブルや事故などに巻き込まれるケースが従来のタクシーより高いことは容易に想像されます。そのため、法整備なども含め、すぐさまライドシェアが解禁されることはなさそうですが、将来的なライドシェアの実用化を見据え、運転手の登録制度、車両の位置情報や車内状況を管理するシステムの開発などが加速することになるでしょう。
そこで今回は「ライドシェア」の関連銘柄のなかから「配車システム」や「決済システム」を手掛ける企業に注目しました。「配車システム」や「決済システム」は、従来からあるタクシーへの導入のほか、将来的にライドシェアが解禁された際、需要の急増が期待できます。
【ソニーグループ(6758)】
グループ会社がタクシーアプリ「S.RIDE」を運営
ソニーグループ(6758)は、グループ会社のS.RIDEが、タクシー利用者向けアプリ「S.RIDE」やタクシー運転手向けにAIで利用客を見つける需要予測システムなどを提供しています。このS.RIDEは、ソニーグループとソニーペイメントサービス、東京のタクシー会社5社が協力するジョイントベンチャーとして誕生した企業です。ソニーグループと株価は6月15日につけた1万4100円をピークに下落トレンドが続いていましたが、足元で52週移動平均線を下値支持線にリバウンドの動きを見せ、13週・26週移動平均線を捉えてきました。押し目買いのスタンスで臨み、13週・26週移動平均線の突破を待ちたいところです。
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【デンソー(6902)】
グループ会社がタクシー配車システム「Type-A」などを手掛ける
デンソー(6902)は、カーエレクトロニクスを手掛けるグループ会社・デンソーテンが、「Type-A Model2022」「Type-S Model2022」などのタクシー配車システムを手掛けています。同社のタクシー配車システムは、パソコンやタブレット、スマホから車両の動態などの確認が可能。また、利用者からの配車依頼に対して、オペレーターが会話することなく自動応答で手配を完了させる「完全自動配車システム」を提供しています。さらに、タクシー会社が独自のスマートフォン用アプリを構築することも可能です。株価は、年初につけた安値6389円をボトムに上昇トレンドを形成しており、13週移動平均線が下値支持線として機能しています。下値支持線辺りでの押し目買いを狙いたいところです。
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【JVCケンウッド(6632)】
クラウド型配車システム「CABmee」が「DiDi」アプリと連携
JVCケンウッド(6632)は、タクシーの配車業務を支援するクラウド型のタクシー配車システム「CABmee」を提供しています。2023年の4月には、DiDiモビリティジャパンと連携し、同社が提供するタクシー配車アプリ「DiDi」からの注文を「CABmee」専用タブレットでも受注可能とすることについて合意。これにより、「CABmee」からの無線注文と「DiDi」アプリからの注文の両方を1台のタブレットで管理できるようになります。株価は8月頭にマドを空けて急伸した後、調整を見せていましたが、その後、25日移動平均線が下値支持線として機能し、9月14日には700円台を回復してきました。長期目線では、2009年6月の高値の830円を意識した上昇トレンドになりそうです。
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【FIG(4392)】
傘下のMVNO事業者がタクシー配車システム「新視令」を運営
FIG(4392)は傘下のモバイルクリエイトが、通信網を自社では持たずに携帯通信事業者から回線を借り受けて通信サービスを提供するMVNO事業者として事業を展開。そのなかで、タクシーメーターや車両の位置情報をもとに効率的に配車を行うタクシー配車システム「新視令」や、バス事業者向けのバスロケーションシステムなどを提供しています。 株価は、2月の急落以降、ボトム圏での推移が続いていましたが、7月以降は緩やかなリバウンドを見せています。13週・26週移動平均線とのゴールデンクロスの示現によってシグナルも好転しており、まずは52週移動平均線水準までの株価上昇を狙いたいところです。
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【ディー・エヌ・エー(2432)】
日本交通を協力し、タクシー配車アプリ「GO」を展開
ディー・エヌ・エー(2432)は2020年2月、日本交通ホールディングスの子会社JapanTaxiとタクシー配車アプリに関する事業を統合。この統合で誕生したタクシーアプリ「GO」は、指定した場所にタクシーを呼び出すことから、目的地の設定、さらにはタクシー代の決済まで、すべてアプリ内で済ませることが可能です。株価は、5月の高値2053円をピークに調整が続き、8月18日には一時1448円まで下落。しかし、足元で1500円辺りでの底堅さが見られるので、リバウンド狙いのタイミングとなりそうです。
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【フライトホールディングス(3753)】
タッチ決済を実現するソリューションを「Tapion(タピオン)」を運営
フライトホールディングス(3753)は傘下のフライトシステムコンサルティングが、市販のAndroid携帯を使ってクレジットカードやApple Pay、Google Payなどのタッチ決済を行う決済ソリューション「Tapion(タピオン)」を展開。2023年9月には、American Expressブランドのクレジットカードにも対応することを発表しました。株価は、2022年10月の高値819円をピークに調整が続いており、足元では400円手前の水準での推移が続いています。ボトム圏のため積極的には売買しづらい状況ですが、今後、400円辺りで推移している13週・26週移動平均線を捉えてくるようだと、長期的な下落トレンドが上昇トレンドへと転換する可能性は十分にあるでしょう。
⇒フライトホールディングス(3753)の最新の株価はこちら!
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以上、今回は「配車システム」や「決済システム」といった「ライドシェア」関連の銘柄を発掘しました。
今後、訪日外国人観光客のさらなる増加が見込まれることに加え、交通の便の少ない過疎地での取り組みも有望視されており、ライドシェア解禁に向けた機運は今後一段と高まることが期待できます。読者の皆様も、今のうちから関連銘柄をチェックしておくことをおすすめします。
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