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ヤマト運輸が「2050年温室効果ガス実質ゼロ」に向け、
EVトラックや再生可能エネルギー由来電力などを導入!
ヤマトホールディングス(9064)傘下のヤマト運輸は、9月12日、三菱ふそうトラック・バスが開発した電気小型トラック「eCanter」の新型モデル約900台を、9月から全国に順次導入することを発表しました。
さらに、ヤマト運輸は10月2日、稼働する全車両にEV(電気自動車)を採用した八幡営業所が本格稼働を開始したことを発表。八幡営業所は、再生可能エネルギー由来電力を活用するモデル店で、太陽光発電設備と蓄電池を導入し、日中に発電した電力でEVの充電や建物で使用する電気の一部を賄うとしています。
この他にもヤマトグループは、自社による「2050年温室効果ガス実質ゼロ」と、その達成に向けた「2030年排出量48%削減(2020年度比)」を実現させるため、「EV2万台」や「太陽光発電設備810基」の導入などを目標に掲げています。また、EVの運用オペレーションの最適化に向けた取り組みや、再生可能エネルギー由来電力の活用なども進めていくようです。
国内におけるEV普及率の加速が追い風となる
「EVトラック」関連事業を手掛ける企業に注目!
政府は、2035年までに乗用車の新車販売において、EVなど「電動車」の比率を100%にすることを目標に掲げています。そうした政府の方針もあって自動車メーカー各社は相次いでEVを市場に投入。以前と比べるとEVの車種も相当に増えており、消費者は多くの選択肢のなかから好きな車を選べる状況になってきました。しかし、それでも国内のEV普及率は世界的に見ると依然として低く、まだまだ遅れを取っているのが現状です。
乗用車のEV化と並行して、今後、国内のEV普及を進めるために重要となるのが、前述したヤマト運輸が採用を進めているようなEVトラックです。
自動車検査登録情報協会が公表している「車種別保有台数表」によると、2023年6月末時点における自動車の保有台数の二輪車を除く合計が7872万台、そのうち貨物が1457万台、特種(殊)用途が181万台で、二輪車を除く合計に対する貨物・特種(殊)用の割合は20.8%です。つまり、自動車の約5台に1台はトラックなどの車両が走っていることになります。
なお、全日本トラック協会による「日本のトラック輸送産業 現状と課題 2022」によると、令和2年度の国内貨物の総輸送量は年間約41億トン(令和2年度)で、そのうちトラックの輸送分担率は約9割を占めているようです。
こうしたデータからも、今後、国内におけるEVの普及が加速するにつれ、トラックのEVシフトが加速する可能性が高いことが読み取れます。そこで今回は「EVトラック」の関連銘柄に注目。EVトラックの製造や関連部材を手掛ける企業を選定しました。
【いすゞ(7202)】
量産バッテリー式電動自動車「ELF EV」を投入
いすゞ(7202)は2023年3月、小型トラック「エルフ」シリーズの17年ぶりとなるフルモデルチェンジに合わせ、同社初の“量産バッテリー式電動自動車(BEV)”である「ELF EV」を投入しました。また、2027年の市場投入を目標に、ホンダ(7267)と共同で燃料電池(FC)大型トラック「GIGA FUEL CELL」の開発も進めています。株価は、9月20日につけた高値2029.5円をピークに調整が続いていますが、10月に入ってからの急落で一気に200日移動平均線近くまで下げており、同線を下値支持線としたリバウンド狙いのスタンスになります。
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【日野自動車(7205)】
市街地での宅配業務など向いたバッテリー式電動小型トラックを発売
日野自動車(7205)は、2022年3月に普通免許で運転できるバッテリー式電動小型トラック「日野デュトロZ EV」を発売しました。「日野デュトロZ EV」は前輪駆動&超低床荷台のBEVで、市街地での宅配業務など向いた車両となっています。なお、2023年5月には、三菱ふそうトラック・バスと統合し、水素モビリティの普及などを目指す新会社を設立することを発表しています。株価は、6月14日につけた高値645.2円をピークに調整が続いており、足元の下げで13週・26週・52週移動平均線を一気に下回ってきました。さらに、ボリンジャーバンドの−3σの水準まで下げきたことで、「売られ過ぎシグナル」からのリバウンドが期待されます。
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【JFEホールディングス(5411)】
ごみ収集用電気自動車の普及を目指す団体を設立
JFEホールディングス(5411)は、傘下のJFEエンジニアリングが日立造船(7004)などと共同で、EVパッカー(ごみ収集用の電気自動車)と電池交換ステーションの普及を目的とした「EVパッカー及び電池交換ステーション普及協議会」を2021年12月に設立。また、EVトラック関連のベンチャー「フォロフライ」とバッテリー交換式設備を共同開発しています。株価は、9月4日につけた高値2437円をピークに調整を見せており、足元で13週移動平均線を割り込んだ後、26週移動平均線の水準まで一気に下落。同線を下値支持線とした押し目狙いのスタンスで臨みましょう。
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【丸紅(8002)】
ファブレスEVメーカー・フォロフライに出資
丸紅(8002)は、EVの開発・販売を行うファブレスEVメーカーで商用EVトラックも手掛けるフォロフライの主要株主の一社です。なお、フォロフライは丸紅のほかにも、SBSホールディングス(2384)やENEOSホールディングス(5020)、大阪ガス(9532)なども株主に名前を連ねています。株価は、しばらくの間、2250~2500円のレンジで推移していましたが、足元でレンジの下限を下回り、26週移動平均線も割り込んできました。調整の勢いが強まってきましたが、それでも週足の一目均衡表を見ると雲を上回って推移しているので、押し目狙いのスタンスになります。
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【TBK(7277)】
商用BEV向け製品に関して、ミクニと共同開発契約を締結
TBK(7277)は2023年3月に、サーマルマネジメント(熱管理)分野における商用BEV向け最適システムと、その関連製品の開発を目的として、ミクニ(7247)と共同開発契約を締結。今後のEV化に向け、既存技術と新規技術を掛け合わせた電動化新商品の開発に注力する計画としています。株価は、9月20日につけた478円をピークに調整が続いていますが、13週移動平均線を下回ってきたことからリバウンドに期待したいところです。
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【プレス工業(7246)】
EVトラックの軽量化につながる製品を開発
プレス工業(7246)は、トラックの骨格であるフレームを手掛けています。最近では車両の軽量化ニーズに応えるため、スチール製品から樹脂への置換提案を続けており、熱可塑性樹脂(PP)にガラス繊維を配合し、強度・剛性を高めた樹脂製品を手掛けています。EVトラックにとっては“軽量化”も大きな課題なので要注目です。株価は、9月20日につけた高値731円をピークに調整が継続。足元で、下値支持線として機能していた13週移動平均線を一気に割り込み、26週移動平均線の水準まで下げてきており、急ピッチの下げに対する自律反発狙いの動きが意識されやすいでしょう。
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以上、今回は「EVトラック」の関連銘柄を発掘しました。
なお、上で紹介した銘柄のほかにも、NEC(6701)やENEOS(5020)、NIPPON EXPRESSホールディングス(9147)傘下の日本通運は共同で、EVトラックの普及拡大に向け、高速道路のパーキングエリアや道の駅などでの「経路充電」に関する実証実験を9月から開始しています。こういった取り組が広がりを見せていることからも、今後の「EVトラック」の普及には期待したいところです。
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