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トヨタ自動車とドイツのダイムラートラックなどの4社が提携し、
商用車の開発・調達・生産分野で協業することを発表!
トヨタ自動車(7203)とドイツのダイムラートラック、日野自動車(7205)、三菱ふそうトラック・バスの4社は5月30日、CASE技術の開発の加速を目指すとともに、日野自動車と三菱ふそうトラック・バスを統合する基本合意書を締結しました。
「CASE」とは、Connected(コネクティッド)、Autonomous(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の4つの領域を意味し、今後、自動車が進化すべき方向として多くの自動車メーカーが提唱している言葉です。
このCASE技術のなかでも、5月30日の共同記者会見において特に強調されていたのが、電動化の推進につながる「水素」技術です。トヨタ自動車CEOの佐藤恒治氏も「(CASE技術の)なかでも水素領域の取り組みは、豊かなモビリティ社会を実現するために4社で力を入れて協力していく大きなテーマだと考えています」「今後、三菱ふそう、日野も含めた4社で水素モビリティの普及を商用車から加速させていきたいと考えています」と発言していました。
チリの政策変更による将来的な「リチウムの供給不安」を背景に、
大型のバッテリーを必要としない「水素トラック」の需要増加に期待!
大手商用車手メーカーにおける大型トラックの脱炭素化対策としては、外部から電気を充電して走る「EV(電気自動車)トラック」と、水素を燃料とする「水素トラック(燃料電池トラック・FCトラック)」の大きく2つが挙げられますが、現状ではEVトラックに重点が置くメーカーが多いように見受けられます。
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⇒トヨタ系列の「EV関連部品・部材」関連銘柄に注目! 「アイシン」「デンソー」など、トヨタ自動車の“EVシフトの推進”で業績アップが期待できる銘柄を紹介
しかし、EVトラックで使用されるリチウムイオン電池は、原料であるリチウムの供給が安定しないことが問題視されています。リチウムの主要な生産国は、オーストラリア、チリ、アルゼンチンの3カ国ですが、チリのボリッチ政権が4月にリチウム産業を国有化する方針を明らかにしたことで、将来的にリチウムの供給に影響する可能性が不安視されています。
そこで、期待が高まっているのが、大型のバッテリーを必要としない「水素トラック」です。
日本政府は6月6日、脱炭素社会の実現に向けた「水素基本戦略」の改定内容を明らかにしました。新たな「水素基本戦略」では、2040年までに水素供給量を年間約1200万トンに拡大する数値目標を盛り込んだほか、大規模なサプライチェーンの構築に向けて今後15年間で官民合わせて15兆円程度の投資計画を策定することなどが示されました。このニュースにより、株式市場でも改めて「水素」への関心が高まっています。
そこで今回は「水素トラック」関連に注目。銘柄としては、「水素トラック」の製造や部品販売、設備などを手掛けている企業のなから、株価やテクニカル面などを考慮して選定しました。
【豊田合成(7282)】
水素トラック向けに大型高圧水素タンクを市場投入
豊田合成(7282)は、燃料電池車の基幹部品である水素タンクの開発・生産を手掛けています。3月には大型の高圧水素タンクを市場投入しており、トヨタ自動車(7203)やいすゞ自動車(7202)などが出資するコマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズが市場導入を進める小型水素トラックへの採用が決まっています。株価は、5月18日につけた高値2394円をピークに下落していましたが、直近では200日移動平均線近くまでの調整を経てリバウンドの動きを見せています。
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【岩谷産業(8088)】
足元で2021年1月につけた上場来高値を突破!
岩谷産業(8088)は水素ステーションを手掛けており、「水素」関連銘柄の中核的な位置づけになります。6月に入って、政府が水素の供給を増やすために製造装置や関連素材への投資支援に乗り出すと報じられたことで市場では物色が強まり、2021年10月以来となる7000円を回復。さらに、2021年1月につけた上場来高値7470円を突破したことで、さらなる上昇が期待されます。
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【日野自動車(7205)】
三菱ふそうトラック・バスとの統合によって巻き返しに期待
日野自動車(7205)は、エンジン不正問題で国内出荷を停止するなど厳しい経営環境にありますが、前述した三菱ふそうトラック・バスとの統合により、開発・生産など事業効率が上がり、メーカーとしての競争力が磨かれるため、今後の巻き返しが期待されます。株価は、2022年3月の急落以降は低迷が続いていましたが、5月31日に三菱ふそうトラック・バスとの統合などの報道を受けてマドを空けて急伸。これまで上値を抑えていた13週・26週移動平均線を下値支持線に変えて52週移動平均線を突破しており、上昇トレンドへの転換が期待されます。
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【堀場製作所(6856)】
水素関連の開発環境や計測ソリューションを提供
堀場製作所(6856)は、水素やCO2、不純物ガスなどの計測から、材料分析、プラント監視、バッテリー・燃料電池の評価、さらには次世代モビリティの車両開発に至るまで、幅広く開発環境や計測ソリューションを提供しています。株価は、2月中旬の急騰により、これまでの5500~6600円辺りでのレンジを大きく上放れ、その後は7200~8000円辺りでの推移が継続しています。目先的には2021年9月の高値8420円が意識されており、それを捉えてくるようだと2018年5月の高値9590円が射程に入ってきそうです。
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【住友理工(5191)】
トヨタ自動車の電燃料電池車「ミライ」に、部材が継続採用
住友理工(5191)は、燃料電池車に搭載される燃料電池スタック向けのゴム製シール部材「セル用ガスケットを手掛けており、トヨタ自動車の燃料電池車「ミライ」に2014年の初代モデルから新型モデルまで継続採用されています。株価は、切り上がる13週・26週移動平均線を下値支持線とした強いトレンドが継続。足元で2021年8月の高値828円に接近しており、これをクリアしてくるようだと2019年12月以来となる1000円の大台回復が射程に入ってくるでしょう。
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【リケン(6462)】
水素を燃焼させて駆動する「水素エンジン」の開発に注力
リケン(6462)は、2021年10月から水素エンジン向けの部品開発や水素エンジン評価解析設備の導入など、水素関連事業へ参入。2022年5月から水素エンジン実機評価設備を稼働するなど、水素エンジンの開発に注力していきます。水素を燃焼させてエンジンを駆動させる水素エンジンは、水素で発電する燃料電池車とは異なるシステムになりますが、燃料電池車同様、CO2を出さないクリーンなエンジンとして注目されています。株価は、切り上がる13週移動平均線に沿った上昇トレンドが継続。5月22日につけた高値2910円をピークに足元で調整を見せており、13週移動平均線を下値支持線としたリバウンド狙いになるでしょう。
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以上、今回は「水素トラック(燃料電池トラック・FCトラック)」の関連銘柄を発掘しました。
水素トラックに関しては、ダイムラートラックが液体水素を使う製品の開発を続けており、2022年には試験走行に成功して数年以内の実用化を目指しているようです。また、一般向けの燃料電池車としては、トヨタ自動車が「ミライ」を世界に先駆けて一般販売しています。
こうした水素関連技術で先行するトヨタ自動車とダイムラートラックが協業することで、今後、水素トラックの市場拡大が見込めます。さらに、水素ステーションの普及など、遅れているインフラ整備についても、水素トラックの需要の高まりにより加速することが期待されます。
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