いま「インド株」が絶好調な理由とは?「つみたてNISA」で唯一買えるインド株投信も紹介!
発売中のダイヤモンド・ザイ12月号では、特集「絶好調の【インド株投信】を買え!」を掲載! 目下、急成長しているインド経済。株価もこの10年で大幅に伸びており、今後も中長期で成長は続く見通しだ。そこで気になるのがインド株。日本からは個別株に投資することができないので、注目すべきは投資信託かETFということになる。そこで、この特集ではインド経済好調の理由を掘り下げるとともに、おすすめのインド株投信やETFをピックアップしている。
今回はその中から、つみたてNISAで唯一買えるインド株投信を取り上げるので、投信選びの参考にしてほしい!
インド株は、この10年間で3.5倍に急成長!
コロナ・ショックからの回復も早く、新興国では一人勝ち状態!
「インド株」が絶好調だ。下のチャートはインド、日本、米国、中国の代表的な株価指数の過去10年間の推移を示したもの。インド株は、この10年で3倍超に上昇している。米国や日本も2倍以上に上昇したが、それをはるかに超える成績だ。
コロナ・ショックからの回復が他国に比べて目覚ましいのも、インドの特徴だ。2020年3月から2023年8月までの間で、日米の株はともに70%上昇したが、インド株は両国をはるかに上回り、2倍以上も上昇した。13%の上昇にとどまった中国株とは対照的と言えるだろう。
新興国株といえば、前々からBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)の市場が注目されてきた。しかし、経済政策に多くの不安を抱えるブラジル、世界の経済システムから事実上排除されているロシア、不動産不況など問題が頻発している中国と比較すると、インドの成長は群を抜く。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの堀江正人さんは「新興国株式市場では、インドの”独り勝ち”状態が続くでしょう」と予測する。「現政権の施策で、インド経済の底上げが促された。株価が上昇する流れは、中期的に続くとみています」(堀江さん)
成長が見込まれる理由は、大きく3つある。
一つは「人口が増え続けていること」だ。国連の推計によると、インドは2023年4月末で人口が14億2577万人に達し、中国を追い越して世界1位になった。しかも「今後10年間程度は毎年、東京23区民とほぼ同数にあたる1000万人のペースで生産年齢(15~64歳)人口が増えていく」と、ニッセイ基礎研究所の斉藤誠さんは言う。
日本の高度経済成長も、生産年齢人口の増加が大きな要因だった。それが今、インドで、日本よりもっと大きなスケールで起きている。活力が生まれないわけがない。
シンクタンクの日本国際問題研究所は、インドの「人口ボーナス期」(生産年齢人口が、その他の人口の2倍以上あるなど大幅に多い期間。経済活動が活発化しやすく、福祉や教育などの負担が少なくすむ)は、2040年代後半まで続くと予測する。”雇用を吸収する産業の育成”という課題をクリアしていけば、爆発的な経済成長の可能性が高まるだろう。
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人口が多いため、自国内での消費活動が堅調!
海外マネーを大量に呼び込む現政権の政策も奏功!
インドの成長が見込まれる2つ目の理由は「消費が分厚く堅調で、公共投資も拡大していること」だ。
他国との貿易依存度が高い外需主導の国は、世界経済の変動の影響を受けやすい。アジアでいえばベトナムやマレーシア、タイがそれにあたる。いずれの国も、GDPにおける輸出の比率が50%以上を占めており、世界経済の減速につれて、自国の経済成長も減速している。
「その点、インドの輸出比率は21.5%。輸出動向が経済を左右する部分が少ない国の一つと言えます」(斉藤さん)
世界1位の人口を背景に、自国内で消費活動が堅調。これに加えて、公共事業も経済を活性化させる。2023年度(2023年4月~2024年3月)の国家予算では、国内のインフラ整備が主な用途となる資本支出として、10兆ルピー(約16兆円)を計上。前年度比で33%も増額して、鉄道や航空などの整備を大胆に進めている。こうした施策は、中長期的な経済成長に大いに寄与するとみられる。
続いて、インドの成長理由の3つ目は「海外マネーを大量に呼込む政策が続いていること」だ。インド経済を発展させたのは、モディ首相率いるインド人民党(BJP)政権の手腕によるところが大きいと、堀江さんは話す。
「インドは長らく社会主義的な経済統制を行ってきましたが、1990年代から自由化に踏み切りました。その効果は2000年ごろから表れ始めたのですが、これをさらに推進させたのが、2014年の総選挙でのBJPの勝利でした」(堀江さん)
BJP政権は、さまざまな規制緩和を進め、企業間の競争を促す政策を実行している。「こうした政策が評価されて、海外から投資マネーが流入し、株価が上がっています。この流れは中長期的に続くと考えます」(堀江さん)
インドの泣き所は、工業製品の生産設備が足りないこと。一方、需要のほうは非常に多い。「需要超過の状態だから、インフレになりやすい。ただ、そのあたりは徐々に改善中です」(堀江さん)
生産設備の拡充でも、BJP政権が音頭を取っている。その政策のスローガンが「メイク・イン・インディア」。インドでモノづくりをしましょうと、外資系企業などに呼び掛けて、工場建設などの実需を拡大させている。
「今、インドはインド洋の対岸にある、ケニアなどの経済発展中のアフリカ諸国に対し、自動車などの輸出を計画しています。ケニアはインドと同じく英語圏で左側通行だから、自国の車をそのまま輸出できます」(堀江さん)
インフラが整い、メイク・イン・インディアが進めば、インドは中国や東南アジアに匹敵する工業大国となるかもしれない。
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日本で買えるインド株投信はどんどん増加中!
ただし、つみたてNISAで買えるのは「iTrustインド株式」のみ
こうした状況下で、世界中の投資家が注目するのがインド株だ。ただ、日本ではインドの個別株を買えないので、投資信託やETFを通して投資することになる。近年のインド株投信は、株価指数を大きく上回る好成績なアクティブ型や、低コストのインデックス型など、バラエティに富んだ商品が揃っている。
ここでは、そんなインド株投信のうち「つみたてNISA」で唯一買うことができる商品を紹介しよう(※基準価額、純資産、運用成績、組み入れ銘柄は2023年8月末時点。信託報酬は9月末時点)。
現状、つみたてNISAで唯一買えるのはiTrustインド株式/ピクテ・ジャパンだ。
iTrustインド株式/ピクテ・ジャパンは、2018年4月より運用。2023年3月に信託報酬を1%未満に引き下げた。直近の投資銘柄数は24と、かなりの集中投資が特徴と言える。投資家からの人気は高く、SBI証券が発表しているつみたてNISAの積立設定金額ランキングでも上位だ(2023年9月の取引では4位にランクイン)。
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⇒「つみたてNISA」で人気の投資信託ランキング!【2023年10月】SBI証券「つみたてNISA」口座での積立金額&積立件数が多い投資信託ランキング公開!
肝心の成績は、1年・3年・5年とも指数を上回ってはいるが、ややもの足りない水準と言えるかもしれない。前述のように、インド株投信には好成績の商品も多い。今のところ、iTrustインド株式/ピクテ・ジャパンしかつみたてNISAでは買えないが、2024年から始まる新NISAの成長投資枠で、その他の好成績投信を狙ってみるのもおすすめ。今からチェックしておこう!
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