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アップルがMR対応のゴーグル型デバイス
「Apple Vision Pro」を米国で発売!
米国のアップル(AAPL)は2024年2月2日、MR(複合現実:ミックスリアリティ)対応のゴーグル型デバイス「Apple Vision Pro(アップル・ビジョン・プロ)」を米国で発売しました。発売初日には店舗に行列ができるほどの人気だったようです。
「MR」とは「CGで人工的につくられた仮想世界を現実世界とリンクさせて表示することで、現実ではできない体験を実現する技術」のことで、ゴーグル型の「Apple Vision Pro」をかけると目の前に巨大なスクリーンが現れ、現実世界の風景にCGなどを重ね合わせて映し出すことができます。「Apple Vision Pro」はゲームや映画などを楽しむことができるほか、自動車の開発現場や工場の製造ラインのシミュレーションなど、さまざまな場面で活用できると期待されています。
CGを使って現実世界では不可能な体験を実現する技術には、MRのほかにもVR(仮想現実:バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実:オーグメンテッドリアリティ)があります。
VRは、ゴーグルなどを装着することで、現実世界から切り離されて100%バーチャルの世界に入る技術。一方、ARは、現実世界の一部に仮想のディスプレイなどデジタル情報を付加する技術ですが、表示されたデジタル情報を現実世界で操作することはできません。それに対してMRは、現実世界と仮想世界とをリアルタイムで重ねたうえで、手の動きなどユーザーの動作を機器のセンサーが感知することで、現実世界と仮想世界の双方に影響を与えながら表示・操作できる技術です。
エンターテイメント産業やEコマース産業はもちろん、
産業利用での拡大も期待できる「MR」の関連銘柄に注目!
VRやARと比べ、MRは現実世界と仮想現実の双方にリンクしていることから、さまざまな産業において業務を効率化できる技術として注目を浴びています。例えば、MRを使うことで、宇宙飛行士は国際宇宙ステーション(ISS)でのミッションを地球上にいながら体験できます。従来であれば実物を用いてしか提供できなかった体験を、MRで代替することが可能となるのです。
MRには複雑な技術体系が必要なので、現時点においてARやVRほど普及が進んでいません。しかし、今後、より高品質なデバイスやAI(人工知能)と組み合わせたり、メタバース技術などと連携したりすることで、MRの産業利用の拡大は一段と加速することが見込まれます。また、エンターテインメント産業やEコマース産業でMRの活用が進むことにより、一般消費者向けの市場が拡大していくことも期待されます。
そこで今回は「MR」に関連する銘柄に注目。「MR」関連の事業を展開する企業のなかから、株価やチャート形状などのテクニカル面を考慮して銘柄を選定しました。
【ソニーグループ(6758)】
MR体験ができるEVを活用したサービスを提供
ソニーグループ(6758)はヤマハ発動機(7272)と共同で、画像センサーなどの技術を使ったMRが体験できる電気自動車(EV)「Sociable Cart:SC-1」を開発。2023年10月からは、上野公園において歴史や各所の説明を聞きながら公園を回る「バーチャル乗馬ツアー」などのサービスを開始しました。「Sociable Cart:SC-1」は車両外部のモニターを連動させることで、乗車している人だけではなく、乗車していない周囲の人も関連映像や音楽が楽しむことができます。株価は1月23日に1万4915円まで買われ、その後は高値圏での保ち合いが続いています。25日移動平均線が下値支持線として意識されるなか、押し目を狙いたいところです。
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【キヤノン(7751)】
小型・軽量のMR用ヘッドマウントディスプレイを開発
キヤノン(7751)は、本体重量が約158グラムで手のひらサイズという小型・軽量のMR用ヘッドマウントディスプレイ「MREAL(エムリアル) X1」やMRシステム「MREAL」を提供。「MREAL」は現実の映像とCGを違和感なく融合し、自由な視点で体験できる映像技術です。これまでは製造業や建設業などを中心に活用されてきましたが、今後はエンターテインメント領域でも事業を展開していく計画です。株価は、1月30日に発表された決算を手掛かりに急伸した後は、高値圏での膠着を見せており、押し目狙いのスタンスとなります。
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【IMAGICA GROUP(6879)】
360度から撮影して3Dモデルを作成する技術を提供
IMAGICA GROUP(6879)は、実写立体動画撮影技術「Volumetric Capture(ヴォルメトリックキャプチャ)」を開発。360度全方位から撮影することで、マーカーを使わずに動作を捉えた3Dモデルを作成することができます。また、3DCGのモデルをVR/AR/MRに展開する技術「Visualization(ヴィジュアライゼーション)」は、産業分野での高度なシミュレーションを可能としており、精緻なモデリングや開発⼯期の短縮を実現します。株価は、1月18日につけた598円を安値にリバウンドを見せています。直近の急伸により2023年11月の戻り高値688円を突破したことで、さらなる上昇が期待されます。
⇒IMAGICA GROUP(6879)の最新の株価はこちら!
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【セック(3741)】
JAXAと共同でヘッドマウントディスプレイなどのMR技術を研究
セック(3741)は、2017年から宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同でMR技術に関する共同研究に取り組んでおり、大規模かつ高精細な3Dモデルを各種ヘッドマウントディスプレイに投影するための基礎技術を開発しています。株価は、上向きで推移する25日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いており、1月22日には5700円まで買われました。直近の下落で25日移動平均線を下回ってきましたが、中・長期的には13週移動平均線を上回って推移していることから、押し目を狙いたいところです。
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【ブロードリーフ(3673)】
子会社のSpiralMindがMRやAIの技術を開発
ブロードリーフ(3673)は、2017年にオープンイノベーションの推進を担う研究子会社SpiralMindを設立しており、そこでMRやAIなどの先端技術に関するオープンラボを運営。国内外の研究機関や大学、クリエイターといったさまざまな外部パートナーとともに、先端技術の研究・開発を進めています。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いています。短期的に過熱感が警戒されるので、押し目を待つスタンスとなります。
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【HEROZ(4382)】
MR技術を有するポケット・クエリーズと業務提携
HEROZ(4382)は、2018年にVR/AR/MRの実用アプリケーション開発などを手掛けるポケット・クエリーズと資本業務提携を締結。これにより、HEROZのAI技術とポケット・クエリーズのMR技術を組み合わせた商品・サービスの開発に取り組んでいます。株価は、2023年12月20日につけた高値1925円をピークに調整を見せています。日足では75日移動平均線が、週足では13週・26週・52週線が下値支持線として意識されやすく、ボトム圏からのリバウンドが期待できます。
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以上、今回は「MR(複合現実)」関連銘柄を発掘しました。
なお、我が国にとって少子化による慢性的な人手不足は重大な課題となっていますが、MRを活用し、業務の効率化や省力化を進めることで、その解消に貢献することが見込めます。また、アップルの「Apple Vision Pro」の発売を契機に,スマートグラスなど一般ユーザー向けのMR向けゴーグル型デバイスの世界市場の拡大に期待したいところです。
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