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米国のアップル(AAPL)は9月15日、腕時計型のウェアラブル端末「アップルウォッチ(Apple Watch)」の新製品「シリーズ6」を発表しました。「シリーズ6」の最大の特徴は新たに「血中酸素飽和度(SpO2)センサー」を搭載したことで、ヘルスケア機能をより一層強化したモデルと言えます。
さらに、価格を抑えたモデルの「アップルウォッチ SE」も発表。手頃な価格帯のラインナップが増えたことで、アップルウォッチがより広い層に普及していくことが期待できます。
なお、どちらのモデルも9月18日に発売される予定となっています。
アップルウォッチの心電図機能が医療機器認定されるなど、
ウェアラブル端末の用途は「健康維持」から「医療」へと拡大
新型モデル発表に先駆け、アップルウォッチにとって追い風となるニュースが報じられました。厚生労働省が9月4日、アップルウォッチに搭載されている心電図機能(ECG機能)を医療機器に認定した、というニュースです。
実はこれまで日本では、アップルウォッチで脈拍などを測ることはできましたが、心臓の拍動を電気信号として計測する心電図機能を使用することができませんでした。それが今回の認定により、アップルウォッチを医療用の心電計として利用することができるようになったのです。
また、厚生労働省に認定されたウェアラブル端末はアップルウォッチだけではありません。CureAppの禁煙治療用アプリ「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」も、8月21日付けで厚生労働省から製造販売承認(薬事承認)を取得しました。
このように、アップルウォッチをはじめとしたウェアラブル端末の用途は、歩数の計測などの単純な「健康維持」から心電図のチェックなどの「医療」へと、少しずつ拡大しています。
米国の調査会社マーケッツアンドマーケッツによると、世界の医療用ウェアラブル端末市場は、2016年の53億ドル(約5600億円)から2022年には144億ドル(約1兆5000億円)まで成長すると予測されています。身に着けたまま使用する「ウェアラブル端末」なら、常に身体に関するデータが把握できることから、「医療」との相性が非常に良いことが影響しているのでしょう。
ウェアラブル端末の用途は、「健康維持」や「医療」だけに留まらず、さらに多くの分野に活躍の場が広がっていくことが期待されています。例えば、スマートグラスは製造業や建設業、点検・保守系の業務などと相性が良く、すでに現場での活用が始まっています。
こうした流れから、「ウェアラブル端末」や「ウェアラブル端末用アプリ」の開発競争が今後ますます加速していくと予測されます。今回は、そんな「ウェアラブル端末」の関連銘柄に注目しました。
「ウェアラブル端末」の本体を製造している企業から
関連ソリューションの提供企業まで、幅広くピックアップ
具体的な銘柄としては、幅広い観点から紹介するために以下のような企業を選定しました。
(1)「ウェアラブル端末」を提供している企業
(2)「ウェアラブル端末」に関する製品を手掛けている企業
(3)「ウェアラブル端末」を活用したソリューションを提供している企業
これらの分野において特に強みを持ち、「ウェアラブル端末」の普及で恩恵を受けると判断できる企業を選びました。
【オムロン(6645)】
腕時計型のウェアラブル血圧計「HeartGuide」を販売
オムロン(6645)は、腕時計型のウェアラブル血圧計「HeartGuide」を販売しています。「HeartGuide」は、血圧、歩数・歩行距離などの活動データ、睡眠時間や覚醒時間などの睡眠データなどを測定可能です。圧力センサーや空気を制御するための弁など、血圧測定に必要となる部品を独自開発し、コンパクトな腕時計サイズを実現しました。医療機器としての薬事認証も取得しています。
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【大真空(6962)】
ウェアラブル端末には欠かせない「水晶振動子」などを提供
大真空(6962)は、ウェアラブル端末向けに水晶振動子や水晶発振器、MEMS発振器などを提供している企業です。水晶振動子とは、水晶の圧電特性を利用して高い精度で一定の周波数を安定して生み出す受動素子で、コンピューターや情報家電などに欠かせない部品です。
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【日本電産(6594)】
アップルウォッチ用モーター装置の供給実績も
日本電産(6594)は、精密小型タイプから超大型タイプまで、あらゆる種類のモーターとその周辺機器を製造しています。ウェアラブル端末向けとしては、アラームや着信などを通知するバイブレーション用のモーターを提供。さらに、アップルウォッチやiPhoneに搭載された「触感フィードバック」を実現するモーター装置「Taptic Engine」の供給実績も持っています。
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【日本電気硝子(5214)】
世界最高レベルの“屈折率”と“内部透過率”を備えた基板ガラスを開発
日本電気硝子(5214)は2019年10月、拡張現実(AR)や複合現実(MR)対応のスマートグラス用として、世界最高レベルの屈折率および内部透過率を備えた新しい基板ガラスの開発に成功したと発表。今後の需要の取り込みに期待がかかります。
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【オプティム(3694)】
スマートグラスを利用した「遠隔作業支援サービス」を手掛ける
オプティム(3694)は、ウェアラブル端末を活用した遠隔作業支援サービス「Optimal Second Sight」を提供しています。現場の作業者が装着しているスマートグラスなどのカメラを経由して、現場の映像を共有し、専門的知識を持った指示者が遠隔から作業支援を行う仕組みです。その利便性の高さから、今後の需要増加に期待できます。
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【グレイステクノロジー(6541)】
AR(拡張現実)を使った「完全誘導型AIマニュアル」を開発
グレイステクノロジー(6541)は、ウェアラブル端末を活用した次世代型マニュアル「GRACE VISION」を提供しています。これは、AIを搭載した専用のスマートグラスにAR(拡張現実)で文字や画像などを表示し、音声とともに誘導する“完全誘導型AIマニュアル”となっています。
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アップルウォッチが2015年に発売されてから、あっという間に5年が経ちました。アップルウォッチには、食事の記録やカロリー計算をしてくれるアプリ、水分摂取量を記録するアプリ、瞑想アプリ、転倒検出アプリなど、さまざまなサービスが揃っており、私の周りでも利用者が着実に増えてきている印象です。
今後はアップルウォッチに限らず、さまざまなメーカーのスマートウォッチやスマートグラスなどウェアラブル端末が私たちの生活に自然と入り込んでくることが容易に想像ができます。そうした時代の到来に備えて、今のうちから関連銘柄をチェックしておきたいところです。
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