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世界最大手のドローンメーカーである中国のDJIが、
米国の商務省により禁輸措置が発動される!
米国の商務省が2020年12月18日、ドローン(無人航空機)の世界最大手である中国のDJIに事実上の禁輸措置を発動したことを、投資家の皆さんは覚えていらっしゃるでしょうか? コロナ禍の慌ただしい中で数多くの情報が次々と流れて来るために見逃していた方もいるかと思うので、今回、改めてチェックしてみましょう。
DJIは、安全保障上の問題などを理由に米国企業との取引が禁止される「エンティティー・リスト」に加えられましたが、その理由は「DJIの製品が人権侵害に関与している」というものでした。ちなみに、2019年10月には監視カメラ大手のハイクビジョンも、新疆ウイグル自治区においてウイグル族の弾圧に関わったとして、DJIと同様に禁輸措置を受けています。
バイデン次期米大統領は、2020年12月28日に地元デラウェア州で行った演説で「人権問題などで中国政府に責任を負わせる」という発言をしていることから、トランプ氏からバイデン氏にバトンが引き継がれた後も、米国の対中姿勢は引き続き厳しいものになると思われます。
このような状況を踏まえ、今回は「ドローン」関連銘柄に注目したいと思います。
ドローンの普及が進む中で、国内でも中国製ドローンを排除して、
「国産ドローン」への置き換えが進む可能性が高い!
ドローンは、以前から人手不足を解消する手段として、農薬散布や公共インフラの点検などの局面での活躍が期待され、すでに一部では運用が始まっており、将来的には配送(配達)などにもドローンが活用されていくことになるでしょう。このように、ドローンには官民双方からの需要が存在しており、将来的に大きな成長が期待されています。
そんな中、ドローンの世界最大手企業であるDJIが米国から禁輸措置を発動されたことで、国内メーカーの事業機会が増加する可能性があります。
日本政府も、2021年度以降にドローンを購入する際、セキュリティー強化を進める方針を2020年9月に発表しています。この方針によると、ドローンを購入する際は、内閣官房に計画書を提出して審査を受けることが、全省庁に対して義務付けられます。
こうした状況から、現在は中国産のドローンが世界シェアの7割を占めていると言われていますが、今後は国産のドローンに置き換わる流れであると考えられ、「ドローン」関連銘柄への関心は次第に高まってくると見られます。
具体的な銘柄としては、ドローン製造に関わる企業だけだと銘柄数に限りがあるため、ドローンを活用したサービスを展開している企業も取り上げました。
【ドーン(2303)】
GIS技術に特化した企業で「ドローン」関連の筆頭銘柄
ドーン(2303)は、GIS(地理情報システム)技術のパイオニア的企業で、株式市場では「ドローン」関連の筆頭銘柄として位置付けられています。最近の話題としては、2020年11月に、映像通報システム「Live119」に対して、災害現場を飛行するドローンが撮影する映像を消防本部の通信指令室などでリアルタイムに閲覧するための機能を追加した、と発表しました。
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【自律制御システム研究所(6232)】
世界で初めて上場したドローン専業メーカー
自律制御システム研究所(6232)は、世界で初めて上場したドローン専業メーカーです。2020年12月には、ANAホールディングスなどによるドローンでの日用品・処方箋医薬品の即時配送サービス実証に参加。5kgペイロードの中型物流ドローン原理試作機の実環境における現場実証を実施し、合計65回、総延長160km以上の飛行を行ったと発表。また、11月には、秋田県仙北市などと実施した国産の物流ドローンによる農産物運搬実証実験にも成功しました。
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【双葉電子工業(6986)】
「風力階級7レベル」でも安定した飛行を実現
双葉電子(6986)は、長時間の定点監視や捜索、放送、医療物資の搬送など、過酷な環境でも適用可能な産業用ドローンを得意とする企業です。産業用ドローン「FMCシリーズ」は、安全性に優れており、気象庁風力階級表による「風力階級7レベル(樹木全体がゆれ、風に向かって歩きにくい状況)」の環境下でも安定飛行を実現します。
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【イメージワン(2667)】
ドローンに関連する画像処理技術やソリューションを提供
イメージワン(2667)は、医療分野や地球環境分野における画像処理技術とソリューションを提供する企業です。GEOソリューション事業として、衛星画像やUAV(小型無人航空機)・地上計測機器・各種画像処理ソフトウェアの販売、ドローン関連サービスなど、宇宙から地上まで幅広い製品を手掛けています。
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【ブイキューブ(3681)】
業務用ドローンの活用をソリューションのひとつとして提供
ブイキューブ(3681)は、コロナ禍の中でテレワーク関連の一角として注目を集めた企業ですが、社会インフラの保守・メンテナンスを行う企業向けに業務用ドローンの活用をソリューションのひとつとして提供しています。
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【菊池製作所(3444)】
筑波大学発のスタートアップ企業・FullDepthと資本・業務提携
菊池製作所(3444)は、モノづくりで人を支える「サポート産業の創出」を目標に掲げている企業で、中型タイプの国産製ドローンを展開しています。また、産業用水中ドローン「DiveUnit300」を軸に、水中のプロたちの仕事をサポートする筑波大学発のスタートアップ企業・FullDepthと資本・業務提携するなど、ベンチャー企業との連携にも積極的です。
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【オプティム(3694)】
「スマート農業」の一環としてドローンを活用したサービスを提供
オプティム(3694)は、ITを活用した「スマート農業」の一環として、固定翼ドローン「OPTiM Hawk V2」や、マルチコプター「OPTiM Agri Drone」などを展開。圃場スキャンなどの広域見回り作業や、生育状況のモニタリングなどの分析用画像の収集、さらにはピンポイントでの農薬散布など、農業の現場におけるドローン活用サービスを数多く提供しています。
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【日本アビオニクス(6946)】
新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトに採択
アビオニクス(6946)は、赤外線サーモグラフィーカメラの開発・製造・販売を行っている企業です。2020年8月には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募による「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」の研究開発項目「無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発」に採択されたことを発表。この採択により、事業としては直接恩恵を受けるわけではありませんが、投資家の思惑的に物色が向かう可能性は十分あるでしょう。なお、2019年にもNEDOを中心にアビオニクスやSUBARU(7270)などが協力して、無人航空機が緊急時でも自律的に危険を回避できる技術を実証する飛行試験を実施したことを公表しています。
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以上、今回は「ドローン」関連銘柄を8社ピックアップしました。
なお、本連載は今回が年内最後の記事となります。来年も皆様の参考になるよう隠れた「お宝銘柄」をどんどん発掘していきたいと考えておりますので、引き続き本連載をよろしくお願いいたします。
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