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大リーグのメッツ球場やジョン・F・ケネディ国際空港の近くなど、
ニューヨーク市内の3カ所でカジノ開設計画が承認される!
米国・ニューヨーク州のゲーミング施設立地委員会は12月1日、ニューヨーク市内での3つのカジノ開設計画を承認しました。世界最大級の金融都市であるニューヨーク市で、初めてカジノ建設にゴーサインを出たことになります。
承認されたのは、大リーグのニューヨーク・メッツの本拠地であるメッツ球場(シティ・フィールド)隣接地、マンハッタン北部のブロンクス地区、ジョン・F・ケネディ国際空港の近辺の3カ所です。なかでもメッツ球場の隣接地には、カジノのほかに大型ホテルやコンサートホールなどが併設されたIR(Integrated Resort:統合型リゾート)が計画されています。
IRについて考える際に重要となるのは、単純な賭博の是非ではなく、都市再開発と観光収入をどう評価するかという現実的な視点です。現代において、IRは単なる「賭博を提供する場所」ではなく「巨大な人流と消費が発生する経済装置」として扱われています。実際、報道によると、メッツ球場の隣接地に計画されているIRは2万3000人の安定した雇用を生み出し、30年間で335億ドルの税収をもたらす見込みとなっています。
IRが巨大な経済効果をもたらしているのはアメリカだけではありません。韓国では、済州ドリームタワー複合リゾートのカジノ部門が、2025年11月、オフシーズンにもかかわらず過去最高の売上高を記録しました。VIP依存を抑え、多国籍・中間層を取り込む運営モデルへ移行したことが、収益の安定につながったとのことです。
大阪でカジノを含む統合型リゾート施設(IR)が開業すると、
その経済波及効果は年間1兆1400億円にも達すると予測!
一方、日本では、大阪・関西万博会場の跡地も含めた夢洲に、カジノやホテル、国政会議場、レストラン、エンターテイメント施設などで構成される総合型リゾート「大阪IR」が建設される予定です。事業計画では、敷地面積は東京ドーム約10個分の約49.2万平方メートルで、年間に約2000万人の来訪者が期待されています。
大阪IRの開業は2030年秋を予定しており、他のカジノ先進国と比べて開発が遅れていると言われています。ただ、見方を変えれば海外の先行事例を観察できる立場にあることから、後発だからといって不利な点ばかりではありません。
また、ギャンブル依存症や治安・地域風俗の悪化への対策の遅れも議論を呼んでいます。ただ、事業計画を見ると、売上は年間5200億円、近畿圏への経済波及効果は年間1兆1400億円、雇用創出効果は約9.3万人が見込まれています。この計画通りに行くとは限りませんが、もし大阪IRが成功した暁には巨大な経済効果が期待できることは間違いないでしょう。
そこで今回は「カジノ・IR」関連銘柄に注目しました。カジノは単独で成立する産業ではなく、建設、交通、宿泊、広告、IT、警備、決済など、幅広い業種と密接に結びついています。それらを考慮し、具体的な銘柄についてはニューヨーク市のカジノ計画で恩恵を受けるであろうカジノ機器や、大阪IRにおいてインフラ整備やセキュリティ対策に関わることが期待される企業を幅広く取り上げました。
【コナミグループ(9766)】
スロットマシンやカジノ向けマネジメントシステムを提供
コナミグループ(9766)はゲーム、アミューズメント機器、スポーツクラブ運営などを手掛けています。ゲーミング&システム事業では、スロットマシンなどのカジノ向けゲーミング機器を販売。さらに、カジノ運営を効率化するマネジメントシステムの開発・製造・販売などをグローバルに展開しています。株価は10月31日につけた高値2万6645円をピークに調整が続いていますが、上向きで推移する26週移動平均線まで下げてきたことで、リバウンドが期待されます。
コナミグループ(9766)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【セガサミーホールディングス(6460)】
カジノ機械メーカーとして世界各地のゲーミング市場に参入
セガサミーホールディングス(6460)は韓国のパラダイスグループとの合弁事業により、韓国初のIR「パラダイスシティ」を2017年に開業しました。また、傘下のセガサミークリエイションが、スロットマシンやテーブルゲームなどのゲーミング機器の販売で、北米やマカオ、アジアなど、世界各地のゲーミング市場に参入しています。株価は6月19日につけた高値3683円をピークに調整が続いていますが、4月の安値とのダブルボトム形成が意識されることから、押し目狙いのスタンスで。
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セガサミーホールディングス(6460)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【日本金銭機械(6418)】
世界中でゲーミング関連のライセンスを取得して事業に参入
日本金銭機械(6418)は貨幣処理機器、金融関連機器、遊技場向け機器の開発・製造・販売を手掛けています。ゲーミング市場は厳しい法規制やライセンス管理により参入が難しい市場ですが、日本金銭機械は世界中で関係する許認可を取得。北米では190を越えるゲーミング関連のライセンスを取得・管理しています。株価はおおむね1000円を挟んでのレンジで推移しているので、13週移動平均線辺りでの押し目狙いたいところです。
日本金銭機械(6418)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【オリックス(8591)】
米国のカジノ大手・MGMと共同で大阪IRを推進
オリックス(8591)は2021年、米国のカジノ大手・MGMリゾーツ・インターナショナル(MGM)などと共同で、大阪IRの運営会社・MGM大阪を設立。日本初のIR事業を通じて、大阪・関西地域や国の観光と経済の持続的成長に貢献するとのことです。株価は13週移動平均線辺りでの調整を経て、再び上昇トレンドを見せています。過熱感も意識されるので、焦らず押し目を待ちたいところでしょう。
オリックス(8591)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【西日本旅客鉄道(9021)】
大阪IRへの鉄道路線の延伸など、周辺のインフラ整備や再開発に期待
西日本旅客鉄道(9021)は、IRの運営会社であるMGM大阪に少数株主として出資しています。大阪IRの建設地である夢洲につながる鉄道路線の延伸など、周辺のインフラ整備や再開発の本格化が期待されます。株価は下向きで推移する13週移動平均線に上値を抑えられる形での調整が続いていますが、3000円近辺での底堅さが見られており、上昇トレンドへの転換が期待できます。
西日本旅客鉄道(9021)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【ALSOK(2331)】
大阪IR施設内のセキュリティ需要の増加に期待!
ALSOK(2331)は大手警備会社です。大阪IRでは広大な施設内のセキュリティ対策が重要となることから、ALSOKのような大手警備会社が関わってくる可能性が見込めます。イベント警備、要人の身辺警護などを行う常駐警備事業、さらには指定場所に現金などを輸送する警備輸送事業などの需要増加が期待できます。株価は11月以降、強い上昇トレンドが継続。12月1日につけた高値1255円を足元でピークに調整を見せており、押し目を狙いたいところです。
ALSOK(2331)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます拡大画像表示
以上、今回は「カジノ・IR」関連銘柄を発掘しました。
2030年の開業に向けて大阪IRの詳細が明らかになるなか、カジノ機器を手掛けている企業のみならず、施設建設からインフラ整備、ホテル、レストラン、ショッピングモール、劇場など、関連する企業はより大きく広がることが見込まれます。今後も大阪IRに関するニュースはぜひチェックしておきたいところです。
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