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2020年の株式相場をひと言で言えば、「終わり良ければすべて良し」です。
例えば、日経平均株価は1月17日に2万4115.95円でしたが、3月19日には1万6358.19円まで急落しました。きっかけは、2月下旬に、イタリアで新型コロナウイルスの感染者数が急増するなど、欧州の状況が急速に悪化したことです。2月中旬までは、新型コロナウイルスは中国だけの問題という感じでした。しかしながら、イタリアでの感染拡大を受け、欧米の投資家がパニックに陥ったかのように世界規模で株式の叩き売りをした結果、2月下旬から3月中旬にかけて株価は急落し、「コロナ・ショック」の様相を呈しました。
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その後、日米欧の政策当局による矢継ぎ早の政策対応により、株式市場は落ち着きを取り戻すだけでなく、米国や日本、中国などの株式市場では「コロナ・ショック」以前よりも株価指数が高くなる事態になっています。具体的には、中央銀行による「超絶金融緩和」と、政府による「カネのばら撒き」です。これにより、「カネ余り(過剰流動性)」が当然の帰結として発生し、その一部が世界の株式市場にドッと流れ込んだのです。
「コロナ・ショック」で株価が大きく下落したことをきっかけに
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ちなみに「コロナ・ショック」で株価が大幅に下落したことをきっかけに、ネット証券の新規口座開設が急増しました。例えば、楽天証券は2月、1カ月の口座開設数が初めて10万を超え、さらに3月には2月比で3割程度増えそうです。また、大手ネット証券5社の口座数は、9月までの6カ月間で100万以上増えたそうです。
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昨年話題になった「2000万円問題」で老後の資金不足を心配していた人や、コロナ禍で在宅勤務になった人など、「コロナ・ショック」による株安をきっかけに投資に踏み切った人が急増した結果です。
このような状況下、若年層を中心に資産形成に向けた投信購入が活発になり、ネット証券での投信残高は11月末時点で約2.5兆円と、この2年間で倍増したそうです。とりわけ、つみたてNISAなどで長期の積立投資をする個人が増えているということです。
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可能な限り「損失限定・利益無限」の「買い」ポジションで勝負して、
「損失無限・利益限定」の「売り」ポジションは避けよう!
2020年は、短期スタンスであろうが中長期スタンスであろうが、「買い」で市場参加している個人にとって、それなりに儲かった1年だったでしょう。
しかし、日経平均株価が急騰した11月以降に「売り」に回った個人にとっては最悪の1年になったかもしれません。
例えば、NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)の12月18日時点の信用売り残は186万口にまで積み上がり、さらに、信用倍率は0.74倍と大きく1倍を割り込んで“売り長”の状態です。ちなみに、11月以降の日経平均株価の急騰劇の開始は、11月2日(前日比318.35円高の2万3295.48円)でした。NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信は、前営業日の10月30日の終値が2万330円でしたが、11月2日から日経平均株価が大幅に上昇し、約2カ月後の12月28日には終値で2万7590円にまで上昇しました。上昇幅は7260円で、上昇率は35.71%でした。
また、NEXT FUNDS 日経ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357、通称:ダブル印旛沼)の12月18日時点の信用買い残は1億497万口と、とんでもない高水準で推移し、信用倍率は47.22倍とメチャクチャ需給の悪い状況でした。終値を見ると、10月30日は720円、12月28日は520円であり、下落幅は200円、下落率は27.78%でした。
どちらのETF(上場投信)も、レバレッジをかけたうえで逆方向に動いたとき、損切りをせず我慢していたら致命傷を負いかねない価格推移です。
結果論ではなく、個人が株式投資で資産を築きたいのなら、逆張りをするのではなく、トレンドを友人にした(トレンドに沿った)投資を実践しましょう。
また、基本的には「損失限定・利益無限」である「買い」のポジションで勝負し、可能な限り「損失無限・利益限定」の空売りなどは避けるべきだと考えます。特に、信用取引などでレバレッジをかけた取引を行う場合、「買いは家まで、売りは命まで」という相場格言を常に頭の片隅に置いておかなければなりません。そして「損小利大」を心掛け、損失は小さく抑えて利益は大きく伸ばすことで、トータルの利益を大きくすることに全力を傾けましょう。
世界中の中央銀行が「超絶金融緩和」を続ける限り
「カネ余り状態」が維持され、来年も上昇相場が継続!
さて、2021年の株式相場ですが、世界の中央銀行が超絶金融緩和を続ける限り、世界中でカネ余り状態が維持されるため、上昇トレンドが継続するでしょう。いわゆる「コロナバブル相場」です。
ただし、上昇相場と言っても、当然のことながらその過程で「上げ・下げ」を繰り返します。今後、どういった材料で、相場が調整するかはわかりませんが、前述のように「世界の中央銀行が超絶金融緩和を続ける限り、押し目は買い」だと、私は考えています。
とりわけ重要なのは、やはり、世界ナンバーワンの経済大国である米国の中央銀行・FRBの金融政策です。つまり、FRBの姿勢が大きく変化(引き締めへの変化)しない限り、「米国発の世界的なコロナバブル相場」は継続すると見ています。したがって、2021年もFRBの姿勢の変化の有無だけは毎日必ずチェックしましょう。
ウォール街には「FRBには逆らうな」という有名な相場格言があるくらいです。FRBが米国景気に配慮して超絶金融緩和を続ける、または、強化する限り、今回のバブル相場は続くはずと、私は信じています。
その過程において、あなたが「これはバブルだからいずれ相場は崩れる」と冷静に相場を眺めているだけでは、あなたにとって一銭の得にもなりません。ましてや、トレンドに逆らって空売りしたり、株価指数先物やコール・オプションをショートしたりしたら、手痛い損失を被る可能性が高い状況が当分続くと見ています。なので、バブルが終わる予兆が出るまでは、「同じ阿呆なら踊らにゃ損々」ではありませんが、積極的に相場に乗りましょう。
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平成元年以降で最も儲かりやすい「最高の相場環境」なので、
相場の下落局面でも勇気を出して買い注文を!
一方、「株の利益は恐怖の報酬」です。先ほど述べたように、上昇相場の中でも、なんらかの悪材料が飛び出して多くの投資家が投げ売りする「スピード調整」が、2021年も年間に数回は訪れることでしょう。当然、そのときには、あなたの周りの投資家も弱気になって売り注文を出しているはずです。そこで、あなたも皆と同様に、売り注文を出しているようでは、いつまで経っても株式投資で成り上がることはできません。
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「FRBが米国景気に配慮して超絶金融緩和を続ける、または、強化する限り、押し目は買い!」「野も山もみな弱気なら、阿呆になって買いの種をまけ!」と頭の中で繰り返しながら、恐怖心に打ち克ち、買い注文を出しましょう。
正直、今は、株式投資をする環境としては、私が平成元年(1989年)に社会人になってからでは、これ以上にないくらい儲かりやすい最高の相場環境です。ぜひ、あなたもこのチャンスを逃さず、成り上がってください。
なお、当コラムは、年内はこれが最後になります。3月に1万6358.19円まで急落して、ようやく底入れした日経平均株価は、12月29日に2万7568.15円とバブル景気後の最高値を更新しました。まさに「尻上りの相場」で、振り返ってみれば最高の終わり方で1年を締めくくることになりそうです。
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読者の皆様におかれましては、いよいよ年の瀬も押し詰まり、お忙しいことと存じます。来る年の読者の皆様の繁栄とご多幸を心よりお祈りいたします。2021年も、引き続きご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。時節柄ご自愛のうえ、どうぞ良いお年をお迎えください。
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