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突然ですが、皆さんは三井不動産(8801)という会社をご存知でしょうか? 投資家の方であれば言わずもがなかとは思いますが、三井不動産は三菱地所(8802)と並ぶ総合不動産の国内最大手企業です。そんな三井不動産はが12月14日から15日まで、東京・日本橋である面白い取り組みを行いました。それは、国内最大級の宇宙ビジネス展示会「TOKYO SPACE BUSINESS EXHIBITION 2021」です。
「TOKYO SPACE BUSINESS EXHIBITION 2021」には、海外からも注目される宇宙ビジネス関連のスタートアップ企業を中心に、宇宙港(宇宙船の発着場)の設置に取り組む自治体や、日本初の宇宙保険を引き受けた実績を持つ三井住友海上火災保険、さらにはJAXAなど、宇宙ビジネスに関わる約25の企業・団体が集結したそうです。
三井不動産が新たな事業領域として注目するように、
「宇宙ビジネス」は世界的にも将来性が期待できるビジネス!
「なぜ不動産会社の三井不動産が宇宙ビジネスを?」と考えた方もいると思いますが、実は三井不動産は宇宙ビジネスにも力を入れており、2021年2月にはJAXAと宇宙ビジネスの創出促進に関する連携・協力を開始することを発表しています。三井不動産としては、宇宙ビジネスを新たな事業領域として見据えているのでしょう。
「TOKYO SPACE BUSINESS EXHIBITION 2021」のオープニングセレモニーでは、宇宙飛行士の野口聡一さんが登壇し、民間宇宙ビジネスのさらなる飛躍に期待する旨のコメントを述べられたようです。ちょうど、実業家の前澤友作さんが12月8日から日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在しているタイミングということもあり、社会的にも宇宙への関心が急速に高まっているように感じます。
日本だけを見ていると「宇宙ビジネスはまだ盛り上がっていない」という声も聞かれますが、世界では、すでに注目度の高い事業領域になっています。中国でも11月24日〜26日に第7回「China Commercial Aerospace Forum」が開催され、中国国内のみならず海外からも多くの宇宙開発関連企業が参加したとのことです。
AIや5Gも同じですが、「実用化されるのは、まだまだ先だろう」と考えられていた先進技術が実用化され、我々の手の届く場所にやってくるのは、意外と早いものです。年末で株式市場の商いが薄くなり、手掛けにくさが増している今だからこそ、未来の話を考えるには良い機会だと思いますので、今回は「宇宙ビジネス」に関連する銘柄に注目しました。
直接的な「宇宙」関連銘柄となると、ロケット製造や燃料、素材、通信機器などが取り上げられやすいのですが、将来的な「宇宙ビジネス」の話となると、衛星の製造や衛星が取得したデータを活用するビジネスへの期待が高まっているので、今回はそういった銘柄を中心に選定しました。
【INCLUSIVE(インクルーシブ・7078)】
インターステラテクノロジズと資本提携
INCLUSIVE(インクルーシブ・7078)は、Webメディア支援事業を展開する企業です。7月30日に、宇宙港「北海道スペースポート」の事業運営会社、SPACE COTANに資本参加し、北海道大樹町における地域活性化や宇宙産業の発展に参画することを発表しました。また、10月26日にロケット開発のスタートアップ企業であるインターステラテクノロジズと資本提携することを発表。さらに11月10日には、同じくインターステラテクノロジズとロケット機体広告およびロケット打ち上げに関連するサービスの企画開発を推進していくマーケティングパートナー契約に合意したことを発表しました。株価は、インターステラテクノロジズとの資本提携をきっかけにストップ高を交えて上昇し、11月5日には5900円まで急伸。その後は調整が続いており、ほぼ急伸前の水準まで下げているので、仕切り直しからの株価上昇が期待できます。
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【パスコ(9232)】
人工衛星や航空機などから地理空間情報を取得
パスコ(9232)は、人工衛星や航空機などから地理空間情報を取得するサービスを提供しています。2005年から地球観測衛星の利活用を促進するビジネスを本格化しており、国内外の人工衛星の運用やデータ流通、ソリューションの提供などを手掛けています。株価は足元で下落が続いており、3月5日につけた年初来安値1263円の近くまで下げてきました。3月の安値との「二点底(ダブルボトム)」形成からのリバウンド狙いが意識されます。
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【さくらインターネット(3778)】
衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」を運営
さくらインターネット(3778)は、インターネットのインフラサービスを手掛けています。経済産業省の「政府衛星データのオープン&フリー化・データ利活用促進事業」として開発・運用に取り組んでいる衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」を提供。「Tellus」では、衛星データに加え、雷観測情報や海面水温といった地上データの購入・販売などを手軽に行うことが可能です。株価は4月下旬に急落した後、600円を挟んだもち合いが続いており、12月1日には一時519円まで下げる場面も見られました。トレンドは下落傾向にありますが、2020年7月30日につけた安値520円との「二点底」形成からのリバウンドに期待したいところです。
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【アイネット(9600)】
宇宙開発をハードとソフトの両面からサポート
アイネット(9600)は、宇宙開発における人工衛星のシステム設計や検査、運用などをハードとソフトの両面からサポートしています。1977年に打ち上げられた気象衛星「ひまわり」の運用業務から宇宙開発業務に関わっており、多くの実績を有しています。株価は年初以降、緩やかな下落トレンドが続いていましたが、10月中旬以降はリバウンドの動きを見せています。上値抵抗線として意識されていた13週・26週移動平均線を突破し、52週移動平均線に迫っているので、長期的な上昇トレンドへの転換が期待されます。
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【スカパーJSATホールディングス(9412)】
「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」の構築を目指す
スカパーJSATホールディングス(9412)は5月20日、NTT(9432)と新たな宇宙事業を創出することを目指して業務提携契約を締結したことを発表。新たな宇宙インフラ「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」の構築を目指しています。株価は11月後半に急落しましたが、8月20日につけた安値398円と「二点底」を形成した後は、急速にリバウンド。上値抵抗線として意識されている75日移動平均線を突破してくると、一段の上昇が期待できます。
⇒スカパーJSATホールディングス(9412)の最新の株価はこちら!
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【スパークス・グループ(8739)】
子会社が「宇宙フロンティアファンド」を設立
スパークス・グループ(8739)は、子会社のスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー(SIF)が2020年6月29日、宇宙開発にかかわる人材・技術を支援し、世界と戦える宇宙企業の育成を目的とした「宇宙フロンティアファンド」を設立しました。株価は7月9日につけた安値234円を底値に上昇トレンドが継続。13週移動平均線を下値支持線として2月22日につけた高値343円に迫っており、ここを上抜けしてくるとさらなる上昇が見込めるでしょう。
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【日本工営(1954)】
「衛星防災情報サービス」を提供
日本工営(1954)は、水資源や環境、インフラ関連のコンサルティング事業、都市空間事業、エネルギー事業など、さまざまな分野を手掛ける総合建設コンサルタントです。2020年10月15日には、スカパーJSATホールディングス(9412)やゼンリン(9474)と共同で「衛星防災情報サービス」の提供に向けた業務提携を発表しました。株価は11月16日につけた3675円を高値にその後は調整していますが、52週移動平均線が下値支持線として機能しています。
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以上、今回は「宇宙ビジネス」関連のなかでも、今後、市場が拡大すると見られるサービス分野で事業を展開している企業を中心にピックアップしました。「宇宙ビジネス」にはスタートアップ企業が続々と参入しているので、近い将来、IPO(新規上場)する企業が出てくることにも期待したいところです。
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