拾うなら独立系よりオイルメジャー株の方が安全だ
石油株の底値を拾おうとするのは危険な賭けのように思います。独立系石油探索生産会社、石油サービス会社などの株は高値から4~5割近く下落した銘柄が多いのですが、この辺りの銘柄は原油価格の底入れを見極めずに買い出動すると、こっぴどくやられるリスクがあると思います。
むしろこの局面では配当利回りが下値に対する支えを提供する、オイルメジャーの株の方が安全だと思います。オイルメジャーとはエクソン・モービル(ティッカーシンボル:XOM)、シェブロン(CVX)、ロイヤルダッチ・シェル(RDS.A)、BP(BP)、トタール(TOT)を指します。
その中でも一番財務的にしっかりしている企業はエクソン・モービルです。
同社はバランスの取れたリソースベースを誇っています。
株主資本利益率でも安定してグループ内で最高です。
フリー・キャッシュフローも潤沢です。
7月末に発表された同社の第2四半期決算では、一株当たり利益(EPS)が予想$1.11に対し$1.00、売上高が予想752.2億ドルに対し741.1億ドルでした。
売上高成長率は前年比-33.4%でした。これは言うまでもなく原油価格の急落(-44%)が影響しています。
今期の部門別利益を見ると米国の川上部門(水色)が全く利益を上げなかったことがわかります。
この米国の川上部門とは、つまりシェールガスならびにシェールオイルを指します。エクソン・モービルは2010年にXTOエナジーを買収し、シェールのビジネスに参入しました。
去年までのエクソン・モービルの業績は下のように推移してきました。
今年のコンセンサス予想ではEPSは$4.16が見込まれています。これを現在の配当水準(年間$2.92)と比べてみると、まだ十分に余裕があります。このことからエクソン・モービルの配当が減配になるリスクは、ほぼゼロと言って良いでしょう。従って現在の同社の配当利回りの水準(3.8%)は極めて魅力的だと言えます。
(参考記事)
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