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米国で世界最大のテクノロジー見本市「CES 2022」が開催!
「フィンテック」などと並んで「メタバース」が注目の分野に
2022年の日本の株式市場は、1月4日の日経平均株価が前営業日比510.08円高の2万9301.79円と、大幅高でスタートダッシュを切りました。そんな新年の最初に取り上げるテーマは「メタバース」となります。
2021年10月に米国のフェイスブックが、今後は「メタバース(Metaverse)」を事業の核としていくことを理由に、メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms、ティッカーシンボル:FB)へと社名を変更しました。これをきっかけに、メタバースという言葉が一気に世間の注目を集めました。
メタバースは、「超〜」「高次の」「~の間の」といった意味を持つ接頭辞「meta」と、「宇宙」「万物」といった意味を持つ「universe」を組み合わせてつくられた造語で、現在はインターネット上に構築される仮想の三次元空間のことを意味します。
メタバースの代表的なコンテンツのひとつとしては、任天堂(7974)の「どうぶつの森」が挙げられます。また、細田監督作品のアニメ映画「サマーウォーズ」や「竜とそばかすの姫」で描かれていたような仮想現実の世界と言えば、イメージが沸きやすいでしょう。
2022年1月5日~8日に米国・ラスベガスの会場とオンラインのハイブリッドで開催されている、世界最大のテクノロジー見本市「CES 2022」でも、今後の注目分野として「リテールテック」「フィンテック」「ヘルスケア」などと同時に「メタバース」の名前が挙がっています。実際、今後多くのビジネス領域で、メタバースと関わりの深い「xR(クロスリアリティ)」を活用した商品・サービスが生まれてくると言われています。ちなみにxRとは、現実世界と仮想世界を融合し、ユーザー体験を生み出す技術で、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)といった技術の総称になります。
「メタバース」関連事業を発表したアパレル企業に
物色が集まり、一気に8倍以上に急騰する場面も!
メタバースについては、投資家も大いに注目しています。実際、フェイスブックが社名変更を発表した後、メタバース事業への参入を発表した企業の株価が急騰する場面が何度となく見られました。
例えば、アパレル企業のシーズメン(3083)は10月22日、メタバースでのファッション事業へ進出すると発表したところ、300円付近で低迷していた株価が急騰し、11月5日には一時2540円まで上昇しました。その後、調整して一時は700円台まで下落したものの、12月3日にメタバース領域への参入支援事業「ポリゴンテーラーインポート(POLYGON TAILOR IMPORT)」の開始などを発表したことで、再び急伸。12月8日には一時2270円に達しました。
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この他にも、いくつもの銘柄が「メタバース」関連として急騰しました。2022年も「メタバース」に対する投資家の関心は続くと見られます。
ただし2021年は、投資家が事業内容などを精査することなく、単純に「メタバース」という言葉に過剰反応した結果、株価が急騰した面もありました。そこで今回は、実態の伴った「メタバース」関連銘柄として注目すべき企業を、年が改まったこのタイミングで紹介したいと思います。
なお、今回は「メタバース」関連銘柄のなかでも、技術的な面で関連事業を展開している企業を中心に選定しました。
【パナソニック(6752)】
子会社のシフトールが、ヘッドセットなどの新商品を発表
パナソニック(6752)は、子会社のShiftall(シフト―ル)が1月4日、VRヘッドセット「MeganeX(メガーヌエックス)」、ウェアラブル冷温デバイス「Pebble Feel(ぺブルフィール)」、メタバース対応音漏れ防止機能付きマイク「mutalk(ミュートーク)」の3製品を発表し、それぞれ2022年春から夏にかけて発売する予定であることを明らかにしました。この3製品は、前出の「CES 2022」で初公開されています。株価は、2021年12月には底値圏で推移していましたが、年末以降、上昇トレンドを形成しています。
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【ネクソン(3659)】
「バーチャルワールド」の制作および運用を行う企業を目指す
ネクソン(3659)は2021年12月6日、子会社である開発スタジオNAT GAMESとNEXON GTを2022年3月末に合併することを発表。合併後は、Nexon Gamesとしてグローバル市場に向けて多様なゲーム開発を進める計画となっています。なお、ネクソン、あえて「メタバース」ではなく「バーチャルワールド」という言葉を用いており、「バーチャルワールド」の制作および運用を行う企業となることを掲げています。株価は2021年12月以降、2200円水準でのもち合いが継続していましたが、上値抵抗線として意識されていた25日移動平均線を一時突破してきたことで、そろそろ持ち合いからの上放れに期待したいところです。
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【ピー・ビーシステムズ(4447)】
2022年に入って「メタバース推進部」を新設
ピー・ビーシステムズ(4447)は、1月1日付けで「メタバース推進部」を設置。今後、需要が拡大すると想定される「企業向けメタバース」構築の要望に応えるため、パートナー企業と協業しながら、仮想空間構築用のクラウド基盤設計からVRコンテンツ制作、システム運用までを一貫してサポートする新サービスの立ち上げを進めています。株価は2021年11月半ばに乱高下しましたが、その後は順調な上昇トレンドを形成。足元で2021年11月19日につけた戻り高値910円に接近しています。ここを突破してくると、さらなる上昇が見込めます。
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【グリー(3632)】
メタバース事業に100億円規模の事業投資を行う計画
グリー(3632)は2021年8月6日、子会社のREALITYを中心としてメタバース事業に参入することを発表。今後2〜3年で100億円規模の事業投資を行い、全世界で数億人規模のユーザー獲得を目指す計画とのことです。グリーは、現在、スマホ向けバーチャルライブ配信アプリのサービスを展開し、すでに全世界63の国と地域で数百万人のユーザーを獲得しています。今後は、ライブエンターテインメント事業をメタバース事業と再定義し、さらに積極投資を進めていく計画としています。株価は2021年12月以降、下落が続いていましたが、足元で緩やかなリバウンドの動きを見せています。ロングスタンスで押し目を狙いつつ、上値抵抗線として意識される75日移動平均線の突破を期待したいところです。
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【Kudan(4425)】
ARナビゲーションを用いた運転ガイダンスを発表
Kudan(4425)は、グループ会社であるArtisense GmbHが2021年11月、「高精度マップと車両位置情報に基づくARを用いた運転ガイダンス」というホワイトペーパー(顧客獲得を目的とした報告書)を発表。この中で、SLAM技術(自己位置推定と地図作成を同時に行う技術)と高精度マップを用い、いかにしてARナビゲーションを実現しているかを紹介しています。ARナビゲーションは、仮想のデジタルマップと現実世界のデータを密に連携させる技術であり、KudanとArtisenseのSLAM技術が付加価値を生み出せる領域だとしています。株価は下落トレンドが継続していましたが、足元で底値水準からのリバウンドの動きを見せ始めているので、11月9日につけた直近安値水準での押し目狙いのスタンスがおすすめです。
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【IMAGICA GROUP(6879)】
XRなどの最新技術を用いた映像制作をサポート
IMAGICA GROUP(6879)は、グループ企業のIMAGICA Lab.が、XRなどの最新技術を用いた映像制作サービスを提供。2021年4月には、映像技術コンサルティングから映像作品製作まで、あらゆるニーズに対し、技術面でサポートする「テクニカルプロデュースグループ」という部署を新設しています。株価は2021年11月25日につけた高値881円をピークに調整していましたが、12月下旬以降、75日移動平均線を下値支持線として底堅さが意識されているので、600円水準での押し目を狙いたいところでしょう。
⇒IMAGICA GROUP(6879)の最新の株価はこちら!
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以上、今回は「メタバース」関連銘柄のなかでも、技術関連の事業を手掛ける企業を中心に選定しました。
今後、メタバースを活用したサービスは次々と生まれてくることが予想され、それに伴い関連銘柄もさらに増えてくると考えられます。VRやAR、MRなどから関連銘柄の一角として注目される企業が出てくる可能性もありますので、メタバース周辺のニュースはこまめにチェックしておくといいでしょう。
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