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大阪ガスの2022年3月期の純利益が一転して増益に!
LNG事業を含めた米国市場の採算が上向いたことが要因
大阪ガス(9532)は4月18日、2022年3月期の業績予想の修正を発表しました。売上高を従来の1兆5470億円から1兆5860億円に引き上げ、営業利益も805億円から945億円に上方修正しました。純利益についても前期比58%増の1280億円とし、4%減の775億円を見込んでいた従来予想から一転して増益見通しとなりました。
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この大阪ガスの上方修正については、米国の子会社、Osaka Gas USA Corporationが参加する事業が好調のため、設備の減価償却期間を複数年から即時実施に変更したことで課税所得の対象が減り、繰り延べ税金資産の積み増しに繋がったようです。
Osaka Gas USA Corporationの業績が好調な要因の一つは、LNG(液化天然ガス)事業だと考えられます。大阪ガスは、以前から海外の資源開発プロジェクトへの参画を積極的に進めていますが、そのなかでLNG事業にも注力しています。
例えば、大阪ガスは2019年8月、日本企業として初めて米国のシェールガス開発会社を買収しました。また、米国のガス市場から調達した天然ガスを輸出用に現地で液化加工する「フリーポートLNGプロジェクト」に参画しており、2019年12月から商業運転を開始しています。
直近では、4月6日に、100%子会社であるDaigasガスアンドパワーソリューションが、台湾の国営石油・ガス事業者の台湾中油からLNG受入基地の基本設計業務および技術コンサルティング業務を受注したことを発表しました。このニュースが好感され、大阪ガスは7日からリバウンドの動きを見せています。
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「LNG」関連のなかでも、これまで物色されてきた中核銘柄を避け、
LNG設備で使われる素材やソリューションを手掛ける企業に注目
足元では、ロシアによるウクライナ侵攻により、石油や天然ガスなどのエネルギー価格が高騰しています。米国の天然ガス価格は4月11日、2008年11月以来の高値をつけました。このようにエネルギー価格の先高観が強いことから、「LNG」に関連する銘柄の業績拡大への思惑は高まりやすいと考えられます。
そこで、今回は「LNG」関連銘柄に注目しました。しかし「LNG」関連銘柄のなかでも資源株や商社株、海運株といった代表的な銘柄については、原油価格の上昇などを背景に、これまでにも盛んに物色されてきました。そのため銘柄選定にあたっては、こうした「LNG」関連の中核銘柄は避け、これまであまり注目を浴びて来なかったLNG設備で使われる素材や熱絶縁技術、ソリューションなどを手掛ける銘柄を発掘しました。
【明星工業(1976)】
LNG関連施設に欠かせない「熱絶縁技術」に注目!
明星工業(1976)は、断熱工事など熱絶縁の技術を保有する企業です。LNGは超低温で冷却・加圧して液化するため、関連施設には完璧な保冷施工が求められます。明星工業の熱絶縁技術は、産油・産ガス国における生産・出荷基地の設備から運搬船に至るまで、幅広い需要の増加が期待されます。株価は4月12日につけた安値657円を底にリバウンドの動きを見せています。
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【クリヤマホールディングス(3355)】
シェールオイル向け採掘用ホースの需要増加に期待!
クリヤマホールディングス(3355)は、ゴム製品や樹脂製品を中心とした製品開発・事業開発を進める企業で、北米や欧州、南米を拠点に産業用ホースの製造販売を行っています。「LNG」関連としては、シェールオイル向け採掘用ホースの需要増加が期待されます。株価は3月上旬を底に緩やかな上昇トレンドを形成しており、足元で上値抵抗線として意識される75日移動平均線を捉えています。75日移動平均線の突破から、上昇の勢いが強まる展開に期待したいところです。
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【帝人(3401)】
圧縮天然ガス用タンク向けに炭素繊維の需要が高まる
帝人(3401)は、ヘルスケアから繊維、炭素繊維、樹脂、ITまで、幅広い事業をグローバルに展開しています。「LNG」関連としては、天然ガス自動車・トラックに搭載されている圧縮天然ガスタンクや、圧縮天然ガスの輸送用大型タンクに使われる炭素繊維の需要の高まりが期待できます。株価は上値抵抗線として意識される25日・75日移動平均線を捉えてくるようだと、本格的な上昇トレンドへの転換が期待できそうです。
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【住友ベークライト(4203)】
シェールガス採掘現場向けにフェノール樹脂成形材料を提供
住友ベークライト(4203)は、強度と耐熱性、耐湿性、寸法安定性に優れているフェノール樹脂成形材料を手掛けています。フェノール樹脂は自動車部品や電子部品などにも使われる汎用樹脂ですが、シェールガスの採掘現場でも利用されています。株価は、足元で調整が続いていますが、3月8日につけた安値4220円との2点底(ダブルボトム)形成からのリバウンドが期待できます。
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【UACJ(5741)】
LNG輸送に使われる大型球形タンクの材料を手掛ける
UACJ(5741)は世界トップクラスのアルミニウム総合メーカーです。LNGの輸送用大型球形タンクや低温貯蔵タンクに使われるアルミニウム合金板を手掛けており、なかでも備蓄用タンクには世界最大級の大きさのアルミニウム合金板が使用されています。株価は、ゆるやかな下落トレンドのなか、足元で2200円付近での底固めを見せており、ここから75日移動平均線の突破を意識した値動きに期待したいところです。
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【横河電機(6841)】
ガス工場やガス広域導管ネットワーク設備向けにソリューションを提供
横河電機(6841)は、制御システムや計測機器などを手掛けています。LNGを主体としたガス事業では、ガス工場やガス広域導管ネットワーク設備向けにソリューションを提供。例えば、西武ガスのLNG受け入れ基地では、横河電機の生産制御システム「STARDOM」が導入されています。株価は、75日移動平均線を下値支持線としたリバウンドから、足元で3月25日の高値2220円に接近しています。ここを突破してくるようだと、一段の上昇が期待できます。
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以上、今回は、LNG設備などで使われる素材や部材、ソリューションを手掛ける銘柄を中心に「LNG」関連銘柄を発掘しました。
「LNG」関連といえば、これまでは資源や商社、プラント、海運株などへ関心が集まっていました。しかし、今回の大阪ガスのようにエネルギー価格の上昇を背景とした好業績の企業が相次いで出てくると、「LNG」関連の物色が今回紹介したような銘柄まで広がりを見せる可能性は十分にありますので、今のうちから注目しておくといいでしょう。
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