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「1ドル=128円」という約20年ぶりの円安・ドル高水準など、
インフレ圧力の高まりによる「円安・米長期金利高」が止まらない!
4月18日のNY外国為替市場でドル/円相場は4日続落し、前週末比で45銭の円安・ドル高となる1ドル=126円95銭~127円05銭まで円安が進み、2002年5月以来、約20年ぶりの円安水準を記録。4月19日には1ドル=128円も突破しています。
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同じく4月18日の米国10年債利回りは、前営業日の14日に比べ0.03%高い2.85%で、一時、2.88%と2018年12月以来の水準を付ける場面がありました。このように、円安・米長期金利高が止まりません。
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円安・米長期金利高の主因は、資源・エネルギー価格や食料品価格の上昇によるインフレ圧力の高まりです。
4月18日のWTI原油先物の期近(5月物)は、14日終値比1.26ドル高の1バレル108.21ドルでした。一時は109.81ドルと、期近物として3週ぶりの高値をつける場面もありました。14日は「リビア国営石油会社が、輸出契約の義務を果たせない不可抗力条項を宣言した」と伝わったことで、リビアの原油輸出の減少観測が強まり、需給逼迫を見込む買いが原油先物相場を押し上げました。
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「利上げを進めるFRB」と「金融緩和を続ける日銀」の違いにより、
そう簡単には円安・ドルの流れは止まらない!
このような状況下、FRBは5月3~4日に開催予定のFOMCで、通常の倍となる0.5%の利上げに加え、資産圧縮の開始を決定する見通しです。
ちなみに、4月6日に公表された3月のFOMC議事要旨により、量的引き締めについて、月に950億ドルを上限として保有資産を縮小することでおおむね合意し、5月にも開始されることがわかっています。また、利上げペースについては、0.5%の幅で引き上げる可能性が高いことが明らかになりました。
円安に関してですが、日銀の黒田総裁は4月18日「急速な円安はマイナス」と発言しました。また、鈴木俊一財務相は19日、「やはり為替の安定が重要で、急速な変動は望ましくない」と述べました。円安を通じた輸入品などの価格上昇が家計にとって負担になることや、多くの一般企業において輸入コストの上昇が収益を圧迫することから、円安は一部の外需系企業を除き、日本株には逆風と認識されています。
しかし、FRBの金融政策正常化が速いペースで進む可能性は高く、米国の長期金利が上昇基調を維持する見込みのため、金融緩和を続ける日銀とのスタンスの差が意識されて、円と比べて利回りが見込めるドルに買いが入りやすい状況は続くでしょう。
また、原油高を背景に日本の貿易赤字が拡大するとの思惑も円売り・ドル買いの材料です。鈴木俊一財務相は4月19日、「米国などの通貨当局と緊密な意思疎通を図り、適切に対応しなければならない」とも述べましたが、そう簡単には、円安の流れは止まらないと考えています。
5月3日~4日のFOMCでFRBの金融政策スタンスがはっきりするまで、
日本市場では買いポジションを解消する動きが継続する見通し
ところで、電機・ハイテク株指数の色彩の濃い日経平均株価は、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数との連動性が高いとされています。
米国の長期金利が上昇すると、相対的に割高感が意識されやすい高PERのハイテク株・グロース株への売り圧力が強まり、ナスダック総合株価指数も日経平均株価も軟調に推移する傾向があります。日米の株式市場ともに、現在、その局面に突入中と認識しています。
そのため、日経平均株価が上昇トレンドに回帰するためには、資源・エネルギー価格や食料品価格が低下し、インフレ圧力が弱まり、米国の長期金利の上昇が一服する必要があり、当面は高PERのハイテク株やナスダック総合株価指数、日経平均株価の調整は続くということになりそうです。
以上のことから、少なくとも、5月3日~4日に開催予定のFOMCでFRBの金融政策スタンスがはっきりするまでは、東京株式市場では、買いポジションを解消する動きが継続する見通しです。
ちなみに、5月の会合では、通常の2倍の0.5%の利上げに加え、9兆ドルに拡大した保有資産の圧縮に着手することが予想されています。現時点では、この予想を超える規模の金融引き締めでなければ、FOMC通過後は当面の悪材料出尽くしとなり、日米株式市場はいったんリバウンド局面入りすると見ています。
日経平均株価は、4月15日に「半値戻し」を達成!
しかし、75日移動平均線を上抜くまで「強気」には転じにくい
日経平均株価については、3月25日の2万8338.81円から4月12日の2万6304.08円までの下げ幅2034.73円の半値戻しが2万7321.45円です。4月15日に2万7203.77円まで戻し、ほぼ半値戻しを達成して戻り一巡となりました。
4月19日の日経平均株価は、終値で前日比185.38円(0.69%)高の2万6985.09円でした。5日移動平均線(19日時点で2万6978.70円)はかろうじて上回りましたが、25日移動平均線(同2万7224.94円)、75日移動平均線(同2万7219.41円)、100日移動平均線(同2万7554.345円)、200日移動平均線(同2万8136.18円)のすべてを下回っています。
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今後に関してですが、25日移動平均線を上回る程度では強気に転じにくいと考えています。少なくとも75日移動平均線を上抜くまでは、強気にはなれません。逆に、4月12日の安値2万6304.08円を割り込むケースでは、3月16日と17日とで空けたマド(2万5824.94円~2万6152.89円)を埋めることが、まずは意識されることになると見ています。
当面はトウモロコシや原油、小麦など商品関連のETFや
資源・エネルギー関連株、肥料・農業関連株などが有力
ところで、トウモロコシの世界輸出の12%を占める主産地ウクライナの供給減が深刻化すると見る買いが続き、4月18日のシカゴ市場でトウモロコシは大幅に続伸しました。中心限月物は終値ベースで2012年8月以来となる1ブッシェル=8ドルに乗せ、同年につけた史上最高値に近づきました。また、小麦も反発しました。ウクライナ情勢による世界の需給逼迫や米国の減産を警戒する買いが入ったためです。
このような状況を受け、ロシアとウクライナの農産物に依存する中東・アフリカの国々で食料不安が本格化しています。アフリカ全体の小麦輸入の半分は、ロシアとウクライナが担っています。ロシアとウクライナは安価な肥料や食用油の主要輸出国でもあり、戦闘の長期化は食料危機に直結するとのことです。
こうなると当面は、WTとうもろこし(1696)、WTI原油ETF(1671)、WT小麦上場投信(1695)、WT大豆上場投信(1697)など商品関連のETFや、資源・エネルギー関連株、肥料・農業関連株を狙うべきでしょう。
ただし、5月3日〜4日開催のFOMCを通過するまでは、無理して相場に参加する必要はなく、「休むも相場」を引き続きおすすめします。
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