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岸田首相が臨時国会における所信表明演説で
「賃上げの構造的な問題」に対応することを表明!
岸田首相は10月3日、第210回臨時国会で所信表明演説に臨み、「賃上げが高いスキルの人材を惹きつけて企業の生産性を向上させ、さらなる賃上げを生む」という好循環が機能していない問題を改善して「構造的な賃上げ」を行うことを表明しました。
具体的には、成長分野へ労働環境を移すためのリスキリング(学び直し)に対する支援策の整備や、年功序列的な職能給から職務給への移行など、企業間、産業間での労働移動の円滑化に向けた指針を2023年6月までに取りまとめるとしています。特にリスキリングについては、5年間で1兆円を投じることを打ち出しました。
さらに「構造的な賃上げ」を実現するため、同一労働同一賃金の遵守を徹底していくことや、新しい働き方に対応するため個人がフリーランスで安定的に働ける環境をつくるための法整備に取り組むことなどを述べました。
岸田首相は、こうした「構造的な賃上げ」のほか、「成長のための投資と改革」「災害対策」などについて言及し、そうした課題に対応するための総合経済対策を10月中にも取りまとめ、今国会に補正予算を提出する考えであると述べました。
JALや大和ハウス工業など三菱地所の大手企業も
全社員を対象とした「リスキリング」を推進!
今回、岸田首相が所信表明演説で言及したテーマのなかから、特に注目したいのが「リスキリング」です。
働きながら新たなスキルを身につけるリスキリングに取り組む人は年々増えており、その背景には失業や収入減への不安があると言われています。一方、企業側としても中高年を含めた全社員に活躍してもらうべく、リスキリングを推進していきたいという思惑があります。
最近の話題で言えば10月4日、JAL(9201)が2023年度から全グループ社員を対象に、業務のDX化や顧客データの活用を柱とした教育プログラムを開始する、と日本経済新聞が報じました。同記事によると、大和ハウス工業(1925)や三菱地所(8802)も全社員を対象としたデジタル教育に乗り出すとのことです。
企業のこうした動きの背景には、ロボットやAIの活用、ビジネスの複雑化やスピードアップなど、さまざまな要因によって仕事に求められる人材やスキルが変化していることがあります。また、そうした企業のニーズに対応すべく、働きながらリスキリングを行って新たなスキルや知識を身に着け、職種を変更したりパラレルキャリアを志向したりする方も増えているようです。
そこで今回は「リスキリング」関連銘柄に注目しました。具体的な銘柄は、リスキリング関連の事業やサービスを手掛けている企業を中心に、業績やテクニカル面を考慮して選定しました。
【インソース(6200)】
講師派遣型の研修事業や公開講座事業が好調に推移
インソース(6200)は、組織に講師を派遣するオーダーメイド型研修や公開講座、LMS(学習管理システム)などを手掛けています。利用者数は順調に推移しており、年間の研修受講者数は55万人以上、オンライン受講者数は累計29万人以上、教育管理システム「Leaf(リーフ)」のアクティブユーザー数は200万人以上とのことです。講師派遣型研修事業と公開講座事業の売上が想定より好調なため、9月20日には2022年9月期の業績予想を上方修正しました。株価は9月20日の上方修正の発表で“材料出尽くし”となって急落しましたが、足元で切り上がる75日移動平均線を下値支持線としたリバウンドの動きを見せ、急落前の株価を上回ってきました。
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【リンクアンドモチベーション(2170)】
企業の生産性向上やリスキリングの支援を本格的にスタート
リンクアンドモチベーション(2170)は、パソコンスクールの「AVIVA」を運営するグループ会社・リンクアカデミーが「トータルキャリアスクール」を運営。2021年から企業の生産性向上やリスキリングの支援を本格的に開始しました。株価は6月下旬から上昇トレンドが継続。切り上がる13週移動平均線に沿ったトレンド形成により、2021年11月の高値1232円が射程に入ってきました。
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【ブリッジインターナショナル(7039)】
子会社が企業向けの研修とコンサルティングサービスを提供
ブリッジインターナショナル(7039)は、子会社のアイ・ラーニングがDX時代に向けた人材育成やITスキル、ビジネススキル、プロジェクトマネジメント、新入社員向けなど、企業向けの研修とコンサルティングサービスを提供しています。株価は、7月半ばから13週・26週移動平均線を下値支持線とした上昇が続き、9月半ばには52週移動平均線を突破。シグナルが好転しており、2021年11月の高値3300円辺りをターゲットとした上昇トレンドが期待できます。
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【Institution for A Global Society(4265)】
Society5.0時代に必要な人材の評価・育成を行う
Institution for A Global Society(4265)は、人材の能力を可視化するツールを手掛けています。Society5.0時代に求められる人材の評価・育成を行う事業を展開しており、人材の基礎をつくる教育「GROW Academy」やより実践的な研修「DX GROW」、人材を評価する「Ai GROW」や「GROW360」などを提供しています。株価は、2021年12月のIPO(新規上場)時につけた2170円を高値に下落が続いており、10月3日に一時は619円まで下げました。押し目を探りつつ、値ごろ感からの物色が意識されます。
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【KIYOラーニング(7353)】
オンラインの資格対策講座「STUDYing」などを運営
KIYOラーニング(7353)は、オンラインの資格対策講座「STUDYing(スタディング)」や、受け放題の動画研修がついたeラーニングシステム「AirCourse(エアコース)」を運営しています。リスキリング関連事業としては、「AirCourse」が「管理職のための1on1実践講座」などを提供。さらに「STUDYing」では、担任講師による個別サポートが受けられる公務員講座など、さまざまな教育コンテンツを手掛けています。株価は2020年11月の高値5870円をピークに調整が続いており、9月28日には432円まで売られました。テレビCM放映関連費用により今期は最終損益で赤字を見込んでいることが嫌気されましたが、一時430円辺りまで下落したことで底入れが意識されていると思われます。
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【パーソルホールディングス(2181)】
リスキリングに突破したコーチングサービス「学びのコーチ」を提供
パーソルホールディングス(2181)は総合人材サービスの大手です。グループ会社のパーソルイノベーションが、リスキリングに特化したオンラインコーチングサービス「学びのコーチ」を展開。学習目的に応じたカリキュラム設計と継続的な学習に繋げるための学習伴走を通じ、スキル習得を支援しています。株価は、6月半ばから8月半ばにかけての上昇で3115円まで買われましたが、その後は調整。しかし、足元で26週移動平均線を下値支持線としたリバウンドを見せており、13週・52週移動平均線を突破してきました。
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以上、今回は「リスキリング」関連銘柄を発掘しました。
最近は大手企業を中心に、社員のリスキリングを通じて構造転換を推し進める動きが増えてきています。そうした状況のなかでリスキリングの重要性はさらに増す可能性が高く、リスキリングに関連するサービスを手掛けている企業には旺盛な法人需要が期待できますので要注目です。
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