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10月4日の日経平均株価が700円超の急騰を見せるなど、
10月に入って日米の株式市場がそろって大幅に反発!
9月の日米の株式市場は激しい下落相場でしたが、月が変わって10月に入り、日米ともに大幅反発しました。
日経平均株価は10月3日が前週末比278.58円(1.07%)高の2万6215.79円、そして10月4日が前日比776.42円(2.96%)高の2万6992.21円でした。
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また、10月3日のNYダウは前週末比765.38ドル(2.66%)高の2万9490.89ドル、ナスダック総合株価指数は同239.82ポイント(2.27%)高の1万815.44ポイント、そして、S&P500種株価指数は同92.81ポイント(2.58%)高の3678.43ポイントでした。
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日米の株式市場が9月に大きく下落した要因は、
「FRB高官によるタカ派発言」と「英国金融市場の混乱」の2つ
振り返れば、9月30日のNYダウは続落し、前日比500.10ドル安の2万8725.51ドルと3日ぶりに年初来安値を更新しました。2万9000ドルを割り込むのは2020年11月以来、約2年ぶりのことでした。月間で見ると、9月のNYダウは2784.92ドル(8.84%)下落し、下落幅と下落率としては新型コロナ感染拡大で相場が急落した2020年3月以来の大きさでした。
また、9月30日はナスダック総合株価指数も続落し、同161.887ポイント安の1万575.619ポイントと6月16日に付けた年初来安値の1万646.099ポイントを下回りました。そして、S&P500種株価指数も同54.85ポイント安の3585.62ポイントと、連日で年初来安値を更新しました。
このように、9月の米国株式相場は酷い下げに見舞われていました。一方、9月の日経平均株価も終値ベースで見ると月間で2154.32円(7.66%)下落しました。
9月の日米株式市場の下落の主因は「米国の長期金利の上昇」でした。そして「米国の長期金利上昇」の主因は「物価指数の上振れと、それらに対するFRB高官による相次ぐタカ派発言」と「英国金融市場の混乱」でした。
しかしながら、英国のトラス首相とクワーテング財務相は10月3日、国債増発を伴う経済政策の一環として打ち出していた高所得者向けの減税について、固持の姿勢から一転、撤回を表明しました。これを受け、世界的な金融不安が緩和されました。
この結果、10月3日の米国10年債利回りは前週末比0.19%低い3.64%となりました。この米国の長期金利の低下が、3日の米国株の大幅反発の主因です。
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なお、10月3日の債券高は、他の要因として、9月の米国のISM製造業景況感指数が前月比1.9ポイント低下の50.9と市場予想の52.0を下回ったことでインフレ懸念が和らいだことや、クレディ・スイスの財務不安説が広がってECBなどの中央銀行が金融市場の安定に配慮して利上げペースを緩めるとの観測が浮上したことも挙げられます。
日米の株式市場は短期的な底入れを果たしたものの、
FRBが路線変更しない限りは「ベアマーケット・ラリー」でしかない
当面の日米株式市場については、ともに短期的な底入れを果たしたと見ています。今後は戻りを試すことになるでしょう。ただし、想定する上昇はしょせん「ベアマーケット・ラリー(下落相場中の一時的な上昇)」と諦めています。なぜならば、足元でFRBがタカ派スタンスを一切崩していないからです。FRBが金融引き締めスタンスを崩すという見通しが立つまでは、世界の株式市場では中長期的なベアマーケットが続くことでしょう。
私がここ最近で最も衝撃を受けたことは、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が8月29日、パウエルFRB議長による8月26日の「ジャクソンホール会合」での講演後に株価が急落したことについて、「歓迎する」と述べたことです。ウォール街の有名な相場格言に「Don’t fight the FED(フェドと戦うな、FRBが打ち出す方針に逆らわずに素直に従え、という意味)」があります。つまりFRBは、彼らが金融を引き締めている間は、資産インフレを誘発させる株高を望んでいないのです。
また、足元でFRBは急ピッチに利上げし「QT(量的引き締め)」を本格化させることで、金利面でもドル供給面でも引き締めを加速しています。そして、その結果として雇用を中心に米国経済が悪化することを、むしろ望んでいます。今の金融政策を継続すれば、彼らの目論見通り、米国の実体経済は悪化することでしょう。だから、米国株が大底を入れるためには、将来のFRBのハト派転換が見通せるまで難しいと考えているのです。
いつかは金融が緩和されて株式市場も上昇相場に転換するので、
それまでは無理な取引を避け、生き残ることを最優先に考えよう!
自分が社会人になりたての頃、誰に教わったか忘れましたが「普通の人間(平均的な庶民)には人生で必ず3度、金銭的に成り上がるチャンスがある。そのうちの1回だけでも上手く乗ることができれば、そこそこに成り上がれる。だから、そのチャンスを虎視眈々と狙え!」と言われました。
また、恐らく香港の話だと記憶していますが「株価や土地の値段が暴落する兆候が出ると、金持ちは保有する株式や土地を投げ売りして、米国やカナダなどに移住する。安値でそれらを買った一部の庶民が、その後の値上がりで金持ちになる。暴落は、次の金持ちを誕生させる十分なきっかけになる」とも聞いたことがあります。
最近では、2020年にコロナのパンデミックが発生し、各国政府は人為的に人流・物流を半ば強制的に止めました。当然、そうなると経済活動はストップし、不況に陥ります。そのため政府は未曽有の量のマネーをばら撒く必要があり、それを助けるべくFRBを中心にした世界の中央銀行は輪転機が壊れるのではないかというくらいのスケールで札を刷りまくりました。また、各国政府も巨額の財政支出に踏み切り、市中にマネーをばら撒きました。だから、2020年3月の世界的な株式相場の暴落局面は買い場(成り上がるチャンス)になったのです。
しかし、それはやり過ぎでした。なぜならば「コロナ・バブル」が発生し、強烈なインフレが発生してしまったからです。だから今はその巻き返しが起こっています。となると、米国はバラ撒き過ぎたドルを回収しないといけません。その準備が去年の10~11月頃から始まり、足元で加速・本格化しているのです。
今のFRBは、日本のバブル潰しを実行した三重野康総裁率いる日銀と酷似しています。将来がまったく同じ結果になるとは思いませんが、FRBがこのままの引き締めを継続するならば似たような結果になるとは思っています。
そうは言っても、あまりも景気が落ち込めば、その対応として金融を緩和せざるを得ません。そうなると景気は底打ちし、次は好景気になるのです。つまり景気を映す鏡である株式相場は、FRBの過度な金融引き締めのせいで暴落したとしても、金融が緩和されれば底打ちして上昇相場に転換するのです。
今、FRBの高官のタカ派発言が毎日毎日ニュースのヘッドラインで流れてきます。この状況で、米国株が中長期的な底打ちをして長期上昇トレンドに回帰する可能性は限りなくゼロだと思っています。高度が急低下して酸素マスクが下りてくる墜落中の飛行機の中で「機長助けてください!」とお祈りしても無駄です。実は機長は「墜落してもかまわない」と思って故意にエンジン切っているような状況なのです。今の米国株については、そんな感じで眺めています。
米国株を中長期スタンスで買うチャンスは、いつか来るはずです。それが明日なのか、数週間先なのか、数カ月先なのか、はたまた数年先なのかはわかりません。しかし、その兆候はFRB高官の発言内容(ハト派転換)で予想できるはずです。それまでは、短期的な「ベアマーケット・ラリー」で短期収益を稼いでお茶を濁しつつ、今後訪れるであろう大底において全力で買い向かえるように資金面での準備をしておくことが賢明な投資戦略だと思っています。
日本株も米国株に連動するはずです。そのチャンスを逃さず、読者の方が「成り上がる」ことを切に祈っています。だからこそ、日米株式市場の大底が入るまでは、退場するような無理な取引を避け、生き残ることに全力を尽くすことをおすすめしているのです。
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