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卵不足により「崎陽軒」や「ガスト」「びっくりドンキー」など、
多くの外食チェーンが卵メニューの休止・変更に追い込まれる
鳥インフルエンザの感染拡大で卵の供給が不足し、価格が高騰しています。報道によると、2023年3月の時点で1500万羽を超える鶏が殺処分されており、その9割が採卵鶏とのことです。この影響により、外食チェーンや食品販売業者が卵を使ったメニューを休止、変更する動きが広がっています。
横浜名物のシウマイ弁当で知られる「崎陽軒」は、卵不足を理由に3月2日から「炒飯弁当」の販売を休止していました。その後、4月13日より「炒飯弁当」の販売を再開しましたが、当面は炒り玉子の量を減らし、長ねぎとチャーシューの量を増やしたレシピに変更するそうです。また、「幕の内弁当」と「お赤飯弁当」も、従来の玉子焼きをレンコン煮やシイタケ煮、鶏の唐揚げなどに変更したとのことです。
その他、ファミリーレストランの「ガスト」は4月13日からオムライスの販売を休止。コメダホールディングス(3543)が全国で展開する「コメダ珈琲店」も、エッグサンドなど卵を使った一部の商品を提供できない場合があると4月10日に発表しました。また、ハンバーグレストランの「びっくりドンキー」は、3月30日から目玉焼きがついたセットメニューや卵かけご飯などを休止し、トーストセットのゆで卵もポテトサラダに変更。さらに、吉野家ホールディングス(9861)も、期間限定で検討していた親子丼の販売を今春は見送り、卵を使わない焼き鳥丼に変更したことを4月12日に発表しました。
帝国データバンクの調査によると、4月5日時点で外食大手100社のうち3割ほどの企業が卵を使ったメニューを休止したそうです。
卵の生産量減少や価格高騰が当面続くと見込まれることから、
豆乳などでつくった「代替卵」の需要増加に期待!
鳥インフルエンザの影響がない養鶏場が卵を増産したいと考えたとしても、ウクライナ危機などによる餌代の高騰によってコストが上がり続けていることから、増産に踏み切るのは難しい面があるようです。
このような状況が当面続くと見られるなか、豆乳などの植物性原料を使って卵の風味や食感などを再現した「代替卵」が注目を集めています。「代替卵」は、これまで食物アレルギーのある人や食事制限をしている人、動物性食品を避けるビーガンの人たちなどに向けてつくられてきました。しかし、卵の供給不足や価格高騰に対する懸念が払拭できない状況において、「代替卵」に対して食品関連企業や飲食店からの関心が高まってきています。
そこで今回は「代替卵」関連銘柄に注目しました。具体的な銘柄としては、代替卵製品を手掛けている企業や卵を使用しない製品などを扱っている企業になります。
【キューピー(2809)】
卵の代替品「HOBOTAMA(ほぼたま)」や卵不使用のマヨネーズを提供
キューピー(2809)は、豆乳加工品や植物油脂、食塩、酵母エキスパウダーなどを使い、味や食感がほぼ卵と変わらない「HOBOTAMA(ほぼたま)」を2022年3月17日から販売。また、卵を使わずにコクのある味わいに仕上げたマヨネーズ「キユーピーエッグケア」も扱っています。4月11日には、鶏卵の需給ひっ迫の影響を踏まえ、2023年11月期の通期業績予想の下方修正を発表しました。株価は1月の急落以降、ボトム圏での推移ながら緩やかなリバウンドを見せており、足元で25日・75日移動平均線を突破。信用倍率は2022年4月以降、1倍を下回る“売り長”の状態が慢性化しており、買い戻しの動きも意識されます。
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【カゴメ(2811)】
ニンジンなどを使った代替卵製品「エバーエッグ」を販売
カゴメ(2811)は、ニンジンや白いんげん豆を用いた「野菜半熟化製法」で卵の食感や色合いを実現した代替卵製品「エバーエッグ」を販売しています。冷凍タイプの従来品に加え、4月からは常温保存可能な商品を発売しており、オムライスや親子丼などに使う卵の代用品として汎用性を高めています。株価は、3月14日につけた2956円を直近安値にリバウンドの動きが強まっており、200日移動平均線を下値支持線とした値固めを経て、足元で1月以来となる年初来高値を更新。2022年9月以降、上値抵抗線として機能していた52週移動平均線を突破したことで、2022年7月の高値3445円が目先のターゲットとなっています。さらに、これをクリアしてくるようだと2020年11月以来となる4000円の大台突破が意識されます。
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【ニッスイ(1332)】
卵焼きの代替品「おさかなで作ったたまご焼のかわり」を開発
ニッスイ(1332)は、卵を使わずにスケトウダラのすり身などを原料にした「おさかなで作ったたまご焼のかわり」を販売。原料の配合などを工夫し、得意とするカニ風味かまぼこの製造ノウハウを駆使することで、本物の卵焼きのようなふんわりとした食感を実現しています。もともとはアレルギー患者向けなどに開発された商品ですが、外食産業が卵を使用したメニューを休止するなど「エッグショック」の拡大で注目され、売れ行きは好調のようです。株価は、2022年11月の安値498円をボトムに上昇トレンドが続いており、足元で52週移動平均線を上放れて2022年7月の高値608円が視野入ってきました。これを突破してくるようだと、2021年10月の高値689円が意識されてくるでしょう。
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【ローソン(2651)】
代替卵を使ったサンドイッチなど新商品の開発に着手
ローソン(2651)は、大豆などでつくられた代替卵を使用したサンドイッチなどの新商品の開発に着手。約1年分の商品に使う卵は確保できているものの長期的には調達に不安が残るため、代替卵を使った商品の開発を始めたとしています。株価は、長期的に見ると2016年2月の高値1万280円をピークに下落がつづいており、2022年6月には4210円まで売られました。しかし、2022年11月半ばに5000円の節目を回復すると、その後も切り上がる13週移動平均線に沿ったリバウンドが継続し、足元で2021年11月の高値6050円に接近しています。ここをクリアしてくるようだと、2018年11月の高値7680円が次のターゲットとして意識されそうです。
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【昭和産業(2004)】
卵を使わない「アレンジいろいろホットケーキミックス」を販売
昭和産業(2004)は、卵・牛乳なしのアレンジレシピでさまざまなお菓子が簡単につくれる「アレンジいろいろホットケーキミックス」を2022年9月から販売。既存のホットケーキとほぼ変わらない食感を実現しているようです。株価は、2020年9月の高値3645円をピークに2022年5月には2359円まで下落。その後は2500円を挟んだボトム圏での保ち合いが続いていましたが、足元で13週・26週・52週移動平均線を上放れており、リバウンドの動きを見せています。まずは節目の3000円をターゲットとしたリバウンド狙いですが、これをクリアしてくると2020年9月の高値3645円が意識されてくるでしょう。
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【オイシックス・ラ・大地(3182)】
出資するグリーンカルチャーが「植物性ゆで卵」の開発に成功
オイシックス・ラ・大地(3182)は、植物肉の研究開発を行うフードテック企業のグリーンカルチャーに、亀田製菓(2220)などと共同で出資。さらにオイシックス・ラ・大地の子会社であるCVCファンドのFuture Food Fund(フューチャーフードファンド)もグリーンカルチャーに出資しています。グリーンカルチャーは、2021年12月に植物肉開発に用いる物理化学特性を解析・再構築するコア技術を活用することで、植物性ゆで卵「植物卵(しょくぶつたまご)」を開発したことを発表しました。株価は3月の安値2058円をボトムに上昇が続き、2月の高値2559円を捉えています。13週・26週移動平均線が下値支持線として機能しており、目先的には2022年4月の高値3370円をターゲットとした上昇トレンドが期待できます。
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以上、今回は「代替卵」の関連銘柄を発掘しました。
卵は、昔から「物価の優等生」と呼ばれるほど低価格・安定供給を実現してきましたが、だからこそ足元の鳥インフルエンザの感染拡大やウクライナ戦争での餌の高騰による影響がより顕著に表れています。外食産業や食品販売においては卵料理のメニューがなくなるのは避けたいところなので、今後ますます「代替卵」を活用した商品の展開が増えてきそうです。
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