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インフレ(物価上昇)が鈍化する一方で、3月の金融不安に端を発した先行きの景気悪化懸念が和らぎ、さらに企業の景況感も改善しつつあるため、米国の株式市場は堅調に推移しています。
まず、インフレについてですが、4月12日に発表された3月の米・CPI(消費者物価指数)は前年同月比の上昇率が5.0%と2月の6.0%から鈍化し、市場予想の5.1%も下回りました。また、13日に発表された3月の米・PPI(生産者物価指数)は、市場は横ばいを見込んでいましたが前月比0.5%下落し、パンデミックが本格化した2020年4月以来の下落率となりました。
4月7日発表の3月の米・雇用統計を受け、バンク・オブ・アメリカやJPモルガンなど米国の金融機関の多くは「5月2日〜3日のFOMCで0.25%の利上げが決まる」との予想を改めて強調しています。今回CPIとPPIがインフレ圧力の大幅な鈍化を示唆したことで、この5月のFOMCでの0.25%利上げが“最後の利上げ”となる可能性が高まっています。
一方、4月17日発表の4月のニューヨーク連銀製造業景況指数は、10.8と5カ月ぶりに拡大圏に浮上しました。3月のマイナス24.6から大幅に改善し、市場予想のマイナス15も上回りました。また、需要を示す指数も大きく改善し、新規受注の指数は過去最大の46.8ポイント上昇となり、出荷の指数も伸びました。この景況指数の大幅改善を受けて、景気の先行き不安が和らいでいます。
その一方で、4月13日に発表された新規失業保険申請件数は、前週比1万1000件増の23万9000件と3週間ぶりに増加に転じました。FRBによる急ピッチの利上げ効果で、労働市場の軟化傾向が示唆されています。これも、5月のFOMCでの利上げ打ち止めの後押し材料と考えます。
「恐怖と強欲の指数」が今より2段階悪化しない限り、
米国株は引き続き堅調に推移する見通し!
このような状況下、4月17日のNYダウは反発し、前週末比100.71ドル高の3万3987.18ドル。ナスダック総合株価指数も反発し、同34.26ポイント高の1万2157.72ポイントでした。両指数共に、3月の金融不安時の安値から大幅に値を戻し、直近の高値圏での推移となっています。
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CNNが発表している「Fear&Greed Index(恐怖と強欲の指数)」は、4月17日時点で「GREED(中立よりも強欲寄り)」です。今後これが、2段階悪化して「Fear(中立よりも恐怖寄り)」にならない限り、引き続き米国株は底堅く推移する見通しです。
ですが、現状からもう一段改善して「EXTREAM GREED(強欲の極み)」になってきたら、米国株が天井をつける可能性が高まります。そのケースでは、日本株に関しても利食いを優先するべきと考えています。伝説的な投資家ジョン・テンプルトンの「強気相場は悲観のなかに生まれ、懐疑のなかに育ち、楽観のなかで成熟し、幸福感のなかで消えていく」という相場格言を思い出しましょう。
日経平均株価は、5日移動平均線を下回り、
かつ5日移動平均線自体が下向きに転じるまでは上昇が継続
日本株に関しては、今後も米国の株式市場の動向に右往左往する見通しです。米国株が目先天井を打って、値幅および時間調整の局面に入るなら、日本株も調整局面入りする可能性が高いと見ています。
日経平均株価については、4月18日の終値が前日比144.05円(0.51%)高の2万8658.83円と8日続伸し、非常に強い動きを続けています。
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テクニカル的には、5日移動平均線自体が4月12日に上向きに転じました。また、17日には、25日移動平均線が6日ぶりに上昇転換しました。そのため、現在は4月6日の2万7427.66円を起点にしたリバウンドが発生中と認識しています。今後「日経平均株価が5日移動平均線を下回り、かつ5日移動平均線自体が下向き」に転じるまでは、今回のリバウンドが継続すると見ています。そして、このリバウンドが終わるきっかけになり得るのが「米国株の調整入り」と考えています。
急落局面ですぐに買い向かえるよう、今のうちから
バフェット氏好みの「クオリティ株」を選定しておこう
ところで、世界的な投資家で「投資の神様」とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏は4月11日、日本経済新聞の単独インタビューで、日本企業について「考えている会社は常に数社ある」と追加投資を示唆し、すでに保有する5大商社株の保有比率をすべて7.4%まで高め、米国株以外では最大の投資になっていることを明らかにしました。そして、商社以外の日本企業への投資についても「今後10年、20年とうまく続いていくようなビジネスや人々を求めている」と語り、新たな候補を探っていると語りました。このバフェット氏の日本株への高い評価は、今後の日本株へのサポート材料になる見通しです。
バフェット氏はクオリティ株の長期保有を重んじるスタイルです。クオリティ株の明確な定義はありませんが、一般的にはROEが高く、財務レバレッジが低く、さらに競争力が高くて持続的に安定成長している企業の株が「クオリティ株」と見なされています。バフェット氏は、クオリティ株が割安圏に放置されているタイミング、または何らかのイベントで相場が急落し、他の銘柄に連れ安して割安水準まで売り込まれているタイミングで買い向かいます。そして、その後、当該銘柄の成長シナリオなどが変わらない限り、長期期間保有し続けるというのが「バフェット流の長期投資」と言われています。
「恐怖相場は優良企業を割安に買える“友”」と呼ぶバフェット氏は、2月25日、恒例の「株主への手紙」を公表しました。今回の手紙では「高値であれ安値であれ、時折ばかげた価格で株が取引されている点を理解するのが極めて重要だ」と述べています。つまり直近では、3月の欧米で金融不安が高まったようなタイミングこそ、バフェット氏が買い向かうタイミングなのでしょう。今後、あのような急落局面ですぐに買えるように、バフェット氏が狙うであろう「クオリティ株」を今のうちに選定しておくことをおすすめします。
それはさておき、足元の投資環境は日米ともに極めて良好です。相場が変調をきたすまでは、引き続き、積極的に市場に参加して収益獲得を目指すべきと考えています。
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