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健康上の問題がなく日常を送れる「健康寿命」を
伸ばすことが日本社会全体の課題に!
国立社会保障・人口問題研究所が2023年4月26日に公表した「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、2020年の日本人の平均寿命は男性81.05年、女性87.09年。さらに、今後も平均寿命は延び、2070年には男性85.89年、女性91.94年に達すると見込まれています。
最近では、高齢者に限らず、若者層の間でも健康を重視する意識が昔とは比べものにならないほど高まっており、飲酒や喫煙といった習慣も減少しているようです。飲酒に関しては、ノンアルコール飲料の商品充実度が一昔前から格段に増していることを肌感覚として実感している方も多いでしょう。実際、「お酒が飲めないのではなく、あえて飲まないライフスタイル」を指す「ソバーキュリアス(Sober Curious)」という言葉も生まれているほどです。医療技術の進歩に加え、広い年代で健康への意識が高まっていることから、「人生100年時代」が到来するのはもはや必然なのかもしれません。
平均寿命が伸びる一方、「健康上の問題に制限されることなく日常生活を送ることができる期間」を示す「健康寿命」は、2019年時点で男性72.68年、女性75.38年でした。つまり、男女ともに、寿命を迎える前に約10年前後、健康上の問題で何かしら制限のある生活を送っていることになります。「寝たきり老人」といった言葉が過去にメディアでさかんに取り上げられたこともありましたが、この平均寿命と健康寿命の差をいかに縮めるかが、個人個人、ひいては日本社会全体にとっての課題となっています。
「健康寿命」を伸ばすためには「適度な運動を行う」など
一人一人が健康的な生活を習慣づけることが大切
厚生労働省も健康寿命を伸ばすことを目指す「健康寿命延伸プラン」を2019年に策定。具体的には、2016年に男性72.14年、女性74.79年だった健康寿命を、2040年までに男女ともに3年以上も延伸し、男性75.14年以上、女性77.79年以上を目指すという目標を掲げています。同プランにもどづき、2011年から推進されている国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とした「スマート・ライフ・プロジェクト(SLP)」の促進や、スポーツ庁との連携強化、地域における健康づくりの促進など、さまざまな取り組みが行われています。
一方、健康寿命を延ばすには、私たち一人一人が「少しでも長く、健康であるために」という意識のもとに生活をすることも重要です。実際、医学の目覚ましい進歩により、かつては不治の病とされた疾病の治療法や新薬が開発されるようになりましたが、その一方で、高齢化を背景に、食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が発症の要因となる生活習慣病が急速に増加しています。
生活習慣病には、日本人の死因の上位を占める、がんや心臓病、脳卒中が含まれ、認知症にも関与しているとされます。「人生100年時代」を健康的に生き抜き、健康寿命を伸ばすためには、生活習慣病への対策が必須となるでしょう。
具体的には「適度な運動を行う」「暴飲暴食を避ける」「過度な飲酒をしない」「質の良い睡眠をとる」など、健康的な生活を習慣づけることが大切です。スポーツ庁も「スポーツを楽しみながら適切に継続することで、生活習慣病の予防・改善や介護予防を通じて健康寿命の延伸や社会全体での医療費抑制への貢献が期待」できるとしています。
そこで今回は「健康ビジネス」に関連した銘柄に注目しました。「健康ビジネス」には、健康を維持・増進するために行われる活動やサービスに関する市場を中心に、医療・介護サービスの提供、健康食品・サプリメントの販売、フィットネスジムの運営など、さまざまな業種が含まれますが、それらのなかから要注目の銘柄を選定しました。
【RIZAPグループ(2928)】
地方自治体と連携して「官民連携コンビニジム」を出店
日本には1700を超える地方自治体が存在しており、活用されていない空き店舗や余剰スペースは7万を超えると言われています。RIZAPグループ(2928)は、そうした余剰スペースを活用し、「官民連携コンビニジム」として「chocoZAP(チョコザップ)」を設置することで、地方創生に貢献する活動を推進しています。また、NEXCO中日本と中日本エクシスと連携し、2024年5月には新サービスとして、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)に「chocoZAP」を出店する計画です。SAやPAで適度な運動によるリフレッシュ機会を提供することで、物流の2024年問題などが取り沙汰されているドライバーの休憩や労働環境の改善にも寄与することを狙っています。株価は、上向きで推移する25日・75日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いており、直近で節目と500円をとらえています。いったんは達成感が意識されやすいので、押し目狙いのスタンスで。
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【カーブスホールディングス(7085)】
会員数の増加などで、第1四半期の営業利益が64%アップ
カーブスホールディングス(7085)は、女性向けの健康体操教室「カーブス」を全国47都道府県で展開。会員数の増加に伴うロイヤルティ収入などの増加や会員向け物販収入の増加に加え、広告効率の改善に伴うマーケティングコストの減少が寄与し、2024年8月期・第1四半期の業績は売上高が前年同期比8.8%増の75億4400万円、営業利益が同63.9%増の10億3600万円と大幅な営業増益となりました。なお、カーブスホールディングスは、従業員の健康増進のためにスポーツ活動の支援や促進に向けた積極的な取り組みを実施している企業をスポーツ庁が認定する「スポーツエールカンパニー」にも選ばれています。株価は、1月に昨年来高値を更新した後は調整を見せましたが、2月以降は200日移動平均線が下値支持線として意識されており、ここからのリバウンドに期待したいところです。
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【ウェルネオシュガー(2117)】
グループ会社がフィットネスクラブやホットヨガスタジオを運営
ウェルネオシュガー(2117)は、「カップ印」ブランドで有名な大手製糖メーカーです。砂糖などの食品事業のほかに、グループ会社の日新ウエルネスがフィットネスクラブの運営などの健康産業事業を展開。総合フィットネスクラブ「ドゥ・スポーツプラザ」などを運営しているほか、ホットヨガスタジオやコンパクトジムなどの店舗開発を行っています。また、指定された場所で行う「出張型健康プログラム」も提供しています。株価は足元で上昇トレンドが続いています。2月8日に2365円まで買われた後、一時調整しましたが、足元で13週移動平均線を下値支持線としたリバウンドを見せており、さらなる上昇が期待できます。
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【新日本製薬(4931)】
「朝イチスッキリ!」「美活プロテイン ココア」などを提供
新日本製薬(4931)は、クレンジングバームが人気の化粧品「パーフェクトワン」シリーズや、健康食品・医薬品などの通信販売などを展開。健康食品としては「朝イチスッキリ!」「美活プロテイン ココア」などを提供しています。2024年9月期・第1四半期の業績は、売上高が前年同期比7.4%増の99億4100万円、営業利益が同39.0%増の11億6700万円でした。株価は上昇トレンドが継続し、2月8日には1830円まで買われました。その後は調整を見せていますが、足元で13週移動平均線まで下げてきたことから、リバウンド狙いのタイミングと言えます。
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【明治ホールディングス(2269)】
さまざまな付加価値を加えた栄養食品を幅広く展開
明治ホールディングス(2269)は「栄養素をおいしく食べる」という考えのもと、利便性や健康機能性などさまざまな付加価値を加えた栄養食品を提供しています。健康志向商品では「脂肪対策ヨーグルト」「吸収サポート 野菜と一緒にのむヨーグルト」など、付加価値型栄養食品では「ザバス プロテインバー」やたんぱく質摂取量低下に対応する「TANPACT(タンパクト)」などを提供しています。株価は、足元で荒い値動きを見せており、52週移動平均線でのリバウンド狙いになりそうです。
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【エムティーアイ(9438)】
「ルナルナ」アプリが累計2000万ダウンロードを突破
エムティーアイ(9438)は、「ヘルスケア」「フィンテック」「音楽・電子書籍」「生活情報」などのサービスを展開する企業です。「ヘルスケア」では、女性の一生をサポートする健康情報サービス「ルナルナ」を提供。女性の健康全般をサポートするアプリで、累計ダウンロード数は2023年10月時点で2000万を突破しています。また、2023年10月からオムロン ヘルスケアと共同で、女性のプロアスリートを対象に基礎体温を活用した体調管理啓発プロジェクトを行っています。株価は足元で急伸し、昨年来高値を更新。長期的なトレンドとしては、2020年10月の高値1028円が意識されます。
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以上、今回は「健康ビジネス」関連銘柄を発掘しました。
健康は豊かな毎日を送るための「資源」とも言われます。医療の発達などによって100年生きられる時代だからこそ、趣味が合う仲間とスポーツを楽しんだり、地域のお祭りなど行事に参加したりなど、今後はますます人生を楽しみながら人とつながり続けることが重要になるはずです。そのために、健康的な生活を習慣づける商品やサービスを提供する企業に注目をしておきましょう。
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