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7月3日から20年ぶりとなる新紙幣が発行!
それに伴う設備投資の経済効果は約5000億円に
7月3日の新紙幣の発行まで、あと1カ月を切りました。20年ぶりとなる新紙幣の導入を前に、現在のATM・券売機の買い替えやシステム更新などの需要が増加しています。「日本自動販売システム機械工業会」によれば、新紙幣に対応するための更新投資による経済効果は、およそ5000億円に上ると試算されています。
しかし、現時点で新紙幣への対応はまだ十分とは言えない状況のようです。財務省の調査によると、2024年6月末時点で金融機関のATMは9割以上、スーパーやコンビニエンスストアのレジは8〜9割が新紙幣に対応できる見通しなのに対して、飲食店の券売機は約5割、飲料の自販機は2〜3割ほどしか対応できないと見られています。そのため、新紙幣に対応する機器やシステム更新を手掛けている企業への需要は、当面続きそうです。
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新紙幣対応の券売機や両替機への入れ替えを回避するため、
「キャッシュレス化」を選択する店舗も増加傾向に!
しかし、新紙幣対応の券売機や両替機の導入にかかる費用は、1台あたり最大で100万円以上かかるため、原材料が高騰するなか、飲食店など中小事業者にとって新紙幣への対応は大きな負担となっています。そのため、若い世代を中心に「現金離れ」が進み、キャッシュレス決済の利用が増えていることもあって、新紙幣発行を機に紙幣の取り扱いをやめ、電子マネーやQRコード決済などキャッシュレス決済のみの対応に切り替える動きも出ているようです。
キャッシュレス推進協議会がまとめた「キャッシュレス・ロードマップ2023」によると、2022年における国別のキャッシュレス化の普及率は、韓国の95.3%を筆頭に、中国が83.8%、オーストラリアが72.8%、英国が65.1%と高いのに対し、日本は36.0%にとどまっています。つまり、日本はこの先キャッシュレス化が進む「伸び代」がまだまだあるとも言えるでしょう。
そこで今回は、新紙幣発行が追い風となる「キャッシュレス化」関連銘柄を解説。具体的には、マルチ決済端末などを手掛ける企業を中心にピックアップしました。
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【NTTデータグループ(9613)】
クラウド型総合決済プラットフォーム「CAFIS Arch」を提供
NTTデータグループ(9613)は、クラウド型総合決済プラットフォーム「CAFIS Arch」を手掛けています。「CAFIS Arch」は、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、非接触決済、QRコード決済に加え、多通貨決済にも対応しており、インバウンド向けの決済機能も提供しています。スマートフォン形状の端末やPOSと接続・連動して利用する小型の据置端末など、端末のラインアップが豊富なのも強みです。株価は週足のチャートを見ると、足元で上値を切りさげる一方、下値は上向きで推移している26週移動平均線が下値支持線として機能しています。「三角保ち合い」が意識されやすく、煮詰まり感から上昇トレンドへの転換に期待したいところです。
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【シャープ(6753)】
NTTデータとキャッシュレス決済分野で協業を開始
シャープ(6753)は、2024年3月にNTTデータとキャッシュレス決済分野で協業を開始。第一弾として、前述した「CAFIS Arch」対応の決済端末と遠隔管理システムを共同で開発し、2024年の秋以降に提供を開始する計画です。株価は、5月半ば以降のリバウンドにより、6月3日には一時1048円まで買われました。その後は調整していますが、200日移動平均線が下値支持線として機能しているため、押し目狙いのチャンスと言えるでしょう。
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【スマレジ(4431)】
マルチ決済サービス「スマレジ・PAYGATE」を提供
スマレジ(4431)は、主要なクレジットカードや電子マネー、QRコード決済などに対応したマルチ決済サービス「スマレジ・PAYGATE」を提供。プリンター内蔵のマルチ決済端末で、4G回線を利用することにより店内はもちろん店外での会計も可能としています。また、決済端末に専用アプリをダウンロードするだけでレジ機能が搭載され、レジ計算から決済まで1台の端末で完結できます。株価は、2023年11月の高値3380円をピークに下落トレンドが継続。しかし、直近で2000円を下回って2023年7月の安値水準まで下げており、調整一巡感が意識されるため、押し目狙いのスタンスで。
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【三井住友フィナンシャルグループ(8316)】
グループ企業のSMBC GMO PAYMENTが決済サービスを展開
三井住友フィナンシャルグループ(8316)は、グループ企業のSMBC GMO PAYMENTが、専用端末を利用する「stera pack(ステラパック)」や、スマホを決済端末として利用する「stera tap(ステラタップ)」といった決済サービスを提供しています。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いており、6月4日には一時1万580円まで買われました。長期トレンドとして2006年4月の最高値1万3900円が意識されるなか、押し目を狙いたいところです。
⇒三井住友フィナンシャルグループ(8316)の最新の株価はこちら!
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【パナソニックホールディングス(6752)】
グループ企業のパナソニック コネクトがマルチ決済端末を手掛ける
パナソニックホールディングス(6752)は、グループ企業のパナソニック コネクトがマルチ決済端末を展開。例えば、据え置き型の決済端末「JT-VT10シリーズ」と「JT-VC10シリーズ」は、アプリ配信サービスに対応することで店舗のニーズに合わせた業務アプリを柔軟に追加・導入することが可能です。株価は、ボトム圏での推移が継続。下値の堅さが意識される一方で、13週・26週移動平均線に上値を抑えられており、両線突破からの上昇トレンドへの転換を期待したリバウンド狙いのスタンスで。
⇒パナソニックホールディングス(6752)の最新の株価はこちら!
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【楽天グループ(4755)】
楽天ペイメントがマルチ決済端末「楽天ペイ ターミナル」を提供
楽天グループ(4755)は、グループ企業の楽天ペイメントが楽天ペイや楽天Edy、楽天ポイントカードなどを通じて、決済ニーズを多角的にカバーしています。店舗決済サービスとしては、マルチ決済端末「楽天ペイ ターミナル」を提供。楽天ポイント用アプリやインボイス対応の領収書を発行できるアプリなど、業務アプリを端末にダウンロードして利用できるため、店舗運営が1台の端末で完結します。株価は、4月10日につけた高値920.5円をピークに調整が入りましたが、その後は26週移動平均線を下値支持線としたリバウンドを見せ、足元で13週移動平均線を上回ってきました。高値更新からのさらなる上昇が期待できます。
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以上、新紙幣発行により業績アップが期待できる「キャッシュレス化」関連銘柄を発掘しました。
なお、政府はキャッシュレス比率を、大阪万博が開催される2025年までに40%程度、将来的には世界最高水準の80%程度に引き上げる目標を掲げています。また、キャッシュレス決済は、訪日外国人観光客にとって両替の手間や現金管理の煩雑さを取り除く利便性の高いサービスとなるため、インバウンド需要を取り込みたい店舗や飲食店は積極的に導入を進めていくでしょう。
当コラムでも、今回取り上げた「マルチ決済端末」に限らず、今後も「キャッシュレス決済」関連銘柄をチェックしていきたいと思います。
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