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日経平均株価は、米国で早期利下げへの期待が高まった影響で
3日続落し、19日には一時、節目の4万円を割り込む展開に
今週(7月16〜19日)の日経平均株価は下落。週末の19日には一時、節目の4万円を割り込み、最終的に先週末比で1126.89円(2.74%)安い4万63.79円で終えました。
![日経平均株価チャート/日足・3カ月](https://dfinance.ismcdn.jp/zai/mwimgs/9/6/633/img_96ec81ce440d26e49d1401bfd7ee3f0f22392.png)
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先週末の7月12日に1000円を超える大幅な下落となったこともあり、祝日明け16日の日経平均株価は自律反発の動きを見せ、一時4万1500円を回復する場面も見られました。ただ、その後は自律反発の域を脱せず、最終的には小幅な上昇にとどまりました。
米国市場では今週、米・連邦準備理事会(FRB)による早期利下げへの期待が高まったことで、これまで相場を牽引していた半導体株が売られる一方、出遅れていた景気敏感株を買うローテーションの動きが強まりました。さらに、バイデン政権による対中規制強化に関する発言の影響もあり、日本市場では東京エレクトロン(8035)など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への売りが強まったことで7月18日の日経平均株価は4万100円台まで下落。トランプ前大統領によるドル高是正発言や河野デジタル相による円安是正発言により、ドル/円相場が大きく円高に触れたことも株価に影響を与えました。
![米ドル/円チャート/日足・3カ月](https://dfinance.ismcdn.jp/zai/mwimgs/8/d/633/img_8d0f6531c823236d22e63c54d8e80c1f20972.png)
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7月18日の米国市場はローテーションの動きが一服したことで、NYダウなど主要な株価指数が下落。この影響により、週末19日の日本市場では値がさハイテク株の一角にリバウンドの動きが見られましたが、東証プライム市場全体では7割ほどの銘柄が売られ、日経平均株価は一時4万円を割り込むほど下落しました。
来週の日経平均株価は、4万円付近を下値支持線とした自律反発が
期待できるが、当面は短期的な売買にとどまる見通し
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万9000 ~ 4万1000円
来週(7月22〜26日)の日経平均株価は、今週に引き続き、不安定な値動きが続くことになりそうです。また、米国で決算発表が本格化していることから、決算内容を受けた市場の反応の影響を受けやすいでしょう。
さらに、11月の米国の大統領選に向けてトランプ氏の再選機運が高まっています。今週はトランプ氏のドル高是正発言を受けて為替市場でドル/円相場が円高に振れましたが、来週もトランプ氏の発言に左右される状況が出てくる可能性があり、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られそうです。
テクニカル面を見れば、日経平均株価は直近で大きく調整し、一時は節目の4万円を割り込みましたが、同水準に位置する25日移動平均線を下値支持線とした自律反発が期待されます。ただし、半導体株の底打ちからの本格的なリバウンドを見せてくるまでは、短期的な売買にとどまりそうです。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
リベルタが+109.72%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキングのトップはリベルタ(4935)でした。7月12日、猛暑対策に特化した氷撃ウエアブランド「FREEZE TECH」シリーズの「FREEZE TECH 衣類用冷感ミスト」が、累計販売本数32万本を突破したと発表。これを手掛かりにストップ高を交えての上昇となりました。
値上がり率2位のChordia Therapeutics(190A)は7月12日に、2024年5月期・第3四半期の営業損益が11億8000万円の赤字だったことを発表。しかし、CLK阻害薬「CTX-712」を中心としたパイプラインの研究開発が順調に進捗していることが好感され、ストップ高を交えて上昇しました。
値上がり率3位はシンバイオ製薬(4582)。7月12日、泌尿器やリンパ組織などに感染しやすいポリオーマウイルスに対する抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル」について、非臨床試験を実施している米国のペンシルベニア州立大学医学部が研究成果を論文発表したことを公表。これを手掛かりに、こちらもストップ高を交えての上昇となりました。
一方、今週の値下がり率ランキングの1位はジェイフロンティア(2934)でした。7月12日に、同日に予定されていた2024年5月期の決算発表を延期することを発表。「一部の広告売上取引について、取引内容の精査が必要になることが判明」したとのことで、これが嫌気される形で下落しました。
値下がり率2位のクミカ(8887)は、7月12日に2025年5月期の連結経常利益の予想を1.8億円(前期比40.9%減)に、年間配当予想を6円(前期は30円)にすると発表。これが嫌気される形となりました。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +109.72 | リベルタ(東S・4935) |
2 | +81.32 | Chordia Therapeutics(東G・190A) |
3 | +60.87 | シンバイオ製薬(東G・4582) |
4 | +55.91 | メタプラネット(東S・3350) |
5 | +49.44 | IGポート(東S・3791) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −32.83 | ジェイフロンティア(東G・2934) |
2 | −24.38 | クミカ(東S・8887) |
3 | −24.08 | ELEMENTS(東G・5246) |
4 | −24.01 | クックビズ(東G・6558) |
5 | −21.30 | ベースフード(東G・2936) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 733,008,800 | NTT(東P・9432) |
2 | 537,355,100 | ランド(東S・8918) |
3 | 470,225,900 | ジャパンディスプレイ(東P・6740) |
4 | 330,272,400 | 三菱重工業(東P・7011) |
5 | 169,808,900 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ(東P・8306) |
【来週の主要イベント】
米国のPCEや米欧独のPMIなどの経済指標、米・マイクロソフトや
国内のニデックの決算、タイミーなどIPO(新規上場)に注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<7月22日(月)>
◆香6月消費者物価指数(CPI)
<7月23日(火)>
◆フィットイージー(212A)スタンダード上場
◆決算:ニデック(6594)、コメリ(8218)
◆欧7月消費者信頼感(速報値)
◆米7月リッチモンド連銀製造業指数
◆米6月中古住宅販売件数
◆決算:マイクロソフト(MSFT)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)
<7月24日(水)>
◆決算:オービック(4684)、日本航空電子工業(6807)、ジャフコグループ(8595)
◆独8月GFK消費者信頼感調査
◆独7月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆独7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆欧7月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆欧7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米6月卸売在庫
◆米7月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米7月総合購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米6月新築住宅販売件数
◆決算:イーベイ(EBAY)、IBM(IBM)、テラダイン(TER)
<7月25日(木)>
◆決算:中外製薬(4519)、新光電気工業(6967)、日産自動車(7201)
◆6月企業向けサービス価格指数
◆独7月IFO企業景況感指数
◆米4-6月期四半期実質国内総生産(GDP)速報値
◆米4-6月期四半期GDP個人消費 速報値
◆米4-6月期四半期コアPCE速報値
◆米6月耐久財受注
◆決算:ベリサイン(VRSN)
<7月26日(金)>
◆タイミー(215A)グロース上場
◆決算:信越化学工業(4063)、日東電工(6988)
◆7月東京都区部消費者物価指数(CPI)
◆5月景気一致指数/先行指数改定値
◆米6月個人所得
◆米6月個人消費支出(PCE)
◆米7月ミシガン大学消費者態度指数 確報値
【来週の注目銘柄】
「神戸物産」「アルフレッサ ホールディングス」
「ニコン」の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
神戸物産(2024年7月19日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
卸売業 | 東P・3038 | 3940円 | 40.4倍 | 7.25倍 |
インフレが止まらないなか、低価格商品に対する需要が拡大 低価格を売りにしたスーパーマーケット「業務スーパー」を運営しています。NB(ナショナルブランド)のほか、自社グループ工場で製造する商品や輸入商品をPB(プライベートブランド)として展開。輸入商品に関しては、全国展開しているスケールメリットを活かして大量に仕入れを行うことで「世界の本物」の商品を低価格で販売することを可能にしています。総務省が7月19日に発表した6月の全国消費者物価指数は、107.8と前年同月比で2.6%上昇し、伸び率は2カ月連続で拡大しました。このようにインフレが警戒視される状況においては、低価格商品に対する需要拡大が見込めます。ちなみに、米国では食料品価格の上昇に対応する手段として、Z世代を中心に友人や隣人などと協力してまとめ買いする動きが広まっているそうですが、国内でも同様の動きが見られそうです。株価は、5月の月次売上高の伸びが好感されて急伸しており、200日移動平均線を突破しました。ボトム圏から明確に上放れたことから、3月の高値4187円を意識した上昇トレンドが期待されます。 |
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アルフレッサ ホールディングス(2024年7月19日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
卸売業 | 東P・2784 | 2315円 | 16.6倍 | 0.90倍 |
調整が一巡した今、株主還元への期待から押し目買い意欲は旺盛 医薬品卸大手です。2025年3月期の業績は、売上高が前期比3.7%増の2兆9650億円、営業利益が3.0%減の373億円を見込んでいます。減益計画が嫌気され、決算発表後に急落しましたが、その後は2070円辺りでの底堅さが意識されるなか、足元でリバウンドの動きが強まっています。75日移動平均線を上放れ、200日移動平均線を捉えてきており、今期業績予想を嫌気した売りは一巡したと考えられます。配当は毎期増額(前期の記念配を除く)していることに加え、同業種のメディパルホールディングス(7459)が自社株買いを実施しており、アルフレッサ ホールディングスにしても株主還元への期待から押し目買い意欲は強いと見られます。200日移動平均線を突破してからの本格的な株価上昇に期待したいところです。 |
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ニコン(2024年7月19日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
精密機器 | 東P・7731 | 1736.5円 | 20.0倍 | 0.88倍 |
子会社のニコンソリューションズが、顕微授精に特化した新型顕微鏡を発売 光学機器大手です。子会社のニコンソリューションズが7月5日、体外受精の手法のひとつである「顕微授精」に特化したICSI/IMSI用の電動倒立顕微鏡を発売しました。不妊治療の件数増加に伴って胚培養士への負荷が高まるなか、顕微鏡操作の工程数を約75%削減し、顕微授精のワークフローを効率化。少子化は国内外で社会課題の一つであり、同製品も市場での注目が期待されます。株価は、6月17日に1510円まで調整した後、200日移動平均線を下値支持線に強いリバウンドを見せており、年初来高値を更新。2023年7月の高値1943.5円が射程に入ってきました。 |
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【※今週のピックアップ記事!】
⇒NISAで大人気の「オルカン」の基本と投資初心者が勘違いしやすい“3つの罠”を解説! 全世界株型とはいえ、6割は米国株でリスクも高め、円高では急落の可能性も
⇒人工タンパク質」関連銘柄に注目! Spiberと協業する「ゴールドウィン」「兼松」など、さまざまな業界での活用が期待される「人工タンパク質」関連の6銘柄を紹介
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