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新型コロナウイルスによる米国株の下落は、一時的な押し目! 再度の上昇局面に備え、要注目の「アトラシアン」「インテル」の決算と今後の見通しを解説!

2020年1月27日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
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新型コロナウイルスの感染拡大により、
その世界経済への影響を懸念される

 中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスは、これまでに患者数が1200人を超え、死者も41人に上っています。そのため、世界の投資家は、この新型肺炎が世界経済に与える影響を懸念しています。

 米国市場も、週間ベースでダウ工業株価平均指数(NYダウ)が-1.2%、ナスダック総合指数が-0.8%、S&P500指数が-1%下落しました。この下落幅は、去年の8月以来で最大でした。

■ダウ工業株価平均指数(NYダウ)チャート/日足・3カ月
ダウ工業株価平均指数チャート/日足・3カ月ダウ工業株価平均指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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昨年10月以降、上昇を続けてきた米国株は、
どこかのタイミングで「小休止」が必要だった

 もっとも、米国株式市場は去年の10月以降、息つく暇もなく一本調子に上昇してきましたので、どこかで小休止する必要がありました。

 したがって、先週の下げの原因をすべて新型コロナウイルスに求めることは出来ないと思います。“買い疲れ”になっていたところへ、たまたま新型肺炎のニュースが飛び込んできたのだと考えるべきです。

 今後の展開ですが、目先の米国株式市場は微調整を余儀なくされるでしょう。むしろ、このへんで押し目をつくった方が長期的には好ましいとすら言えます。しかし調整をするからといって、このまま米国株式市場が”長期弱気局面”に入るわけではないと思います。

S&P500採用銘柄の決算や長期金利を見る限り、
米国株に対して悲観的になる必要はない

 企業業績を見ても、米国経済は堅調です。2019年第4四半期の決算発表シーズンに関しては、現時点でS&P500採用銘柄の17%が決算発表を終えた段階ですが、そのうち73%の企業が1株当たり利益(EPS)でコンセンサス予想を上回っており、良い滑り出しを見せています。

 次に長期金利ですが、米国10年債利回りは1.69%と低水準であり株式にとって支援的です。

■米国10年債利回りチャート/週足・2年
米国10年債利回りチャート/週足・2年米国10年債利回りチャート/週足・2年(出典:SBI証券公式サイト)
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 これらのことを考え合わせると、いま米国株式に対して悲観的になる必要はないと思われます。目先の調整期間が過ぎれば、また米国株は「買い」のスタンスに戻って良いと考えます。

「EPS」「売上高」「ガイダンス」の3つすべてで
良い数字を出した企業が狙い目!

 さて、「その際、何を買うか?」ですが、これはいつも通り、良い決算を出した企業の株を素直に買いにゆけばよいと考えています。

 良い決算とは、1)EPS、2)売上高、3)ガイダンスの3つすべてでコンセンサス予想を上回るような決算を指します。なお、ガイダンスとは、来期、さらには今年通年の業績に関する会社側の正式予想を指します。

 今はまだ決算発表シーズンの真っ只中ですが、先週発表された決算の中では、アトラシアン(ティッカーシンボル:TEAM)とインテル(ティッカーシンボル:INTC)の決算が抜きん出て良かったです。

【アトラシアン】
次の決算は苦しくなりそうだが、
中長期的に見ると心配の必要はなし!

 アトラシアンの第2四半期(12月期)決算は、EPSが予想27セントに対して37セント、売上高が予想3.89億ドルに対して4.09億ドル、売上高成長率が前年同期比+36.7%でした。

 なお第2四半期決算がとりわけ良かった理由は、今期、アトラシアンのデータセンター向けサービスが初めて値上げされたことが関係しています。

 アトラシアンのソフトウェアは、欧州や日本などの海外市場ではマーケティング・パートナー企業によって売られています。それらの提携先の営業マンは、「今度値上げがありますから、その前に契約してしまいましょう!」という営業攻勢をかけました。その関係で、今回の第2四半期の売上が当初予想よりかなり良くなったのです。

 ただし、その反動で、次の第3四半期決算はちょっと苦しくなります。具体的には、EPSが予想22セントに対して新ガイダンス20セントが、売上高が予想3.97億ドルに対して新ガイダンス3.95億〜3.99億ドルが提示されました。

 しかし、これは上で説明したような「値上げ前の駆け込み営業」の反動ですので、あまり心配には及びません。実際、2020年通年のガイダンスを見てみると、EPSは予想1.02ドルに対して新ガイダンス1.03〜1.09ドルが、売上高は予想15.5億ドルに対して新ガイダンス15.9億〜16億ドルというしっかりした数字が提示されました。

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アトラシアン(TEAM)チャート/日足・6カ月アトラシアン(TEAM)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【インテル】
経営陣のコメントは用心深いが、
決算も良く、全体的には良い状況!

 インテルの第4四半期決算も素晴らしかったです。EPSは予想1.25ドルに対して1.52ドル、売上高は予想192.3億ドルに対して202億ドル、売上高成長率は前年同期比+8.3%でした。なお、ノンGAAPグロスマージンは60.1%でした。なお、前年同期は61.7%でした。

 部門別売上高は、以下の通りでした。

■インテルの部門別売上高
部門 売上高 前年同期比
データセンター 72億ドル +19%
IOT 9.2億ドル +13%
自動運転車 2.4億ドル +31%
NAND 12億ドル +10%
プログラマブル 5.1億ドル -17%
PC/コンシュマー 100億ドル +2%

 第1四半期のEPSは予想1.03ドルに対して新ガイダンス1.30ドルが、売上高は予想171.9億ドルに対して新ガイダンス190億ドルが提示されました。また、2020年のEPSは予想4.65ドルに対して新ガイダンス5.00ドルが、売上高は予想721.5億ドルに対して新ガイダンス735億ドルが提示されました。グロスマージンは59%を見込んでいます。

 インテルの設備投資額は170億ドルを見込んでおり、線幅5ナノメートル、ならびに線幅7ナノメートルの製品への投資がその50%を占める予定です。設備投資額は、去年より8億ドル多いです。

 なお、決算発表にともなうカンファレンスコールでは、経営陣は投資家の期待値を低く抑えることに努めていました。具体的には「2020年は、上半期こそ良いのですが、下半期は苦しくなると思います」ということを強調していました。

 これは、インテルの現経営陣独特の用心深い態度から出たコメントだと思います。

 具体的には、いまデータセンター向け半導体の需要がとても強いのですが、過去の事例を見ると、現在のような大量購買が出た後は顧客が新しい設備を消化する期間が必要となり、需要が細るケースがあったことが指摘されました。

 また、PC向け半導体はいま「ウインドウズ10」向けの売上が好調ですが、これは新製品サイクルにまつわる一過性の需要であり、いずれ沈静化すると見ています。

 さらに、携帯電話向けモデム半導体は、現在の出荷は好調なものの、いずれ5Gに移行した際に必ずしもインテルの半導体が採用されるとは限らないことが指摘されました。

 これらのことから、「2020年上半期は良いとしても、下半期はどうなるかわからない」というコメントになったのです。

 なおインテルは、現在、線幅10ナノメートルの半導体へ移行している最中ですが、これまでのところ“歩留まり”は良いようです。歩留まりさえ安定していれば、上に述べたような需要の浮き沈みは、ある程度までなら価格戦略によりショックをやわらげることが可能です。

 全体として、インテルの現在の状態は良いと言えるでしょう。
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インテル(INTC)チャート/日足・6カ月インテル(INTC)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【今週のまとめ】
現在の「押し目」に買い向かうときは、
足元の業績がシッカリしている銘柄を選ぼう!

 新型コロナウイルスのニュースで、米国の株式市場は調整局面を迎えています。ただ、これは一過性のものと考えられるので、ある段階でこの「押し目」は買い向かってゆく必要があると考えています。

 買い銘柄の候補を選定するにあたっては、足元の業績がシッカリしている銘柄を選びたいです。アトラシアンとインテルは、その基準に合格します。

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