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米国の雇用市場が暗転したが、
来月はさらに悪化することが予想される
先週の金曜日に発表された非農業部門雇用者数は、予想より大幅に悪い-70.1万人でした。
失業率も4.4%にジャンプしています。
今回の統計は、ロックダウン(外出禁止令)が出る前の3月12日までしか反映されていません。したがって、来月の数字はさらに悪くなることが予想されます。
ロックダウンの期間が1日延びるごとに、
経済へのダメージはどんどん拡大するジレンマ
アメリカの場合、ロックダウンの判断を下すのは連邦政府ではなく州政府です。各州によってロックダウンに入るタイミングは異なります。現時点では約30の州がロックダウンを宣言しており、全米の人口の8割をカバーしています。
ロックダウンになると、お店は薬局、食料品店を除いては原則的に閉まります。ほとんどのお店が閉まるわけですから、経済に与える影響は甚大です。だから、ロックダウンの期間が1日延びるごとに、経済へのダメージはどんどん拡大するわけです。
大雑把な目安になりますが、ロックダウンが宣言されてから14日後に新規感染者数はピークを打ち、そのピークから起算して14日後にロックダウンが解除できるという考え方があります。しかし、それが実現するためには、まず新規感染者数がピークを打たないといけませんし、その後、着実に新規感染者数が漸減する必要があるのです。その間、1カ月近く経済活動は半ば停止したような状態になります。
中小企業の中には、資金のやりくりに困窮するところが出てきています。また、サービス業などに従事していて、現在、自宅で待機している人たちは、その間の賃金を貰えないので家賃やローンの支払いができなくなっています。
米国政府は2兆ドルの景気刺激策を発表し、それらの企業や国民を救済することを決めました。しかし、国民の口座に1人13万円の現金が振り込まれるのは4月13日以降になる見込みです。
また、PPPと名付けられた中小企業向けの緊急融資は先週の金曜日から銀行の窓口で申し込みの受付を始めたのですが、細部の詰めが甘く、初日は貸付け事務が混乱しました。
これらの人々にとって一日一日が戦いなのであり、ロックダウンが早く解除されなければ倒産の嵐となり、雇用は永遠に失われるリスクがあります。
NYにおける新型コロナウイルスの新規感染者数が、
今後のアメリカ全体の行方を占う「先行指標」に
ニューヨークは最初にロックダウンに入った都市であり、感染者数が多く、また商業の中心地であるため、その情勢を全米が息を詰めて見守っています。今後のアメリカ全体の行方を占う「先行指標」になっています。
ニューヨークの場合、3月22日からロックダウンに入っているのですが、そろそのその効果が表れ、今週のどこかで新規感染者数がピークを打つと期待されています。
注目すべきは、前日比の新規感染者数です。
残念ながら、ニューヨークの1日あたりの新規感染者数は依然として増え続けています。今週のどこかでこの増加が止まって減少傾向に転じないと「ロックダウンは失敗だった」という悲観論が台頭し、不況色が一段と濃くなることが懸念されます。
もちろん新規患者数がピークをつけ、その後いい感じで漸減し、4月下旬にロックダウンが解除できる可能性もまだ残っています。
今は「消費安定株」や「ヘルスケア株」など、
“ディフェンシブ”なセクターを重点的に攻めよう
上に述べたように、ロックダウンは「イチかバチか」の危険な賭けであり、日に日にリスクが高まっています。ロックダウンが早期に切り上げられるかどうかを別にしても、もうある程度経済にはダメージが出てしまったと考えることも出来ます。
このような局面では、投資家はディフェンシブ(防御的)なスタンスを取ることが重要です。いまは景気が弱く金利も低いわけですから下の図の左下のセクターを重点的に攻めるべきだと思います。
具体的には、消費安定株やヘルスケア株などになります。
銘柄としては、クラフト・ハインツ(ティッカーシンボル:KHC)に注目しています。なぜなら食品株は不況に強いからです。
クラフト・ハインツは、あまりに効率経営を目指し過ぎて、マーケティング費用を絞り込み過ぎた結果、マーケットシェアの低下や売上の伸び悩みなどの問題を抱えました。基本、現在も経営立て直しの途上にありダメージの修復にまだ何年もかかると思いますが、今回のロックダウンによる買い溜め特需でクラフト・ハインツの製品は良く売れています。
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また、ダラー・ゼネラル(ティッカーシンボル:DG)も注目です。ダラー・ゼネラルは、日本で言う100円ショップのような存在です。アメリカ南部の過疎地帯を中心に店舗を展開しており、「他に買い物できるところがない」というような立地をわざと選んでいます。
品揃えは食品や日用品が主であり、ロックダウン期間中も日常生活に欠かせない商品を提供している店として営業を許されています。多くの商店が閉店を余儀なくされている中で営業を続けられるということは、普段より一層売り上げが伸びる可能性があることを示唆しています。
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銘柄選びの参考にしてください。
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