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政府はインターネット上における「誹謗中傷対策」を検討!
法律改正などを視野に、年内には方向性をまとめる方針
TwitterやFacebookといったSNSの利用が急速に広がった結果、誰でも簡単に人と繋がったり、意見を公に発信したりすることができるようになりました。
しかし、そうした良い面がある一方で、ネットの匿名性を利用して、承認欲求を満たしたいがために過激な発言や嘘の発言をして注目を集めようとしたり、昔であれば繋がることができなかった著名人に対して過度な誹謗中傷を行ったりするような事例が増加し、社会問題化しています。特に最近では、新型コロナウイルスの感染防止に伴う外出自粛で国民全体にストレスが溜まっており、そのはけ口としてSNSが利用されてしまっている面もあるでしょう。
こうした状況を踏まえ、政府・与党はインターネット上における誹謗中傷や嫌がらせへの対策を検討していると各所で報じられています。法律改正などを視野に年内には方向性をまとめるとして、まず月内にも提言が出てくる見通しです。詳細については改めて確認する必要がありますが、侮辱罪の時効期間の見直しや厳罰化を求める意見などが出ているようです。
また自民党は6月1日、インターネット上の誹謗中傷対策について検討するプロジェクトチームの初会合を開き、匿名の発信者の身元を速やかに特定できるよう法律の改正を訴えました。
今や企業にとっても重要な問題となった
「炎上・誹謗中傷対策」の関連銘柄に注目
インターネット上における「誹謗中傷」は、今や個人の問題に留まらず、企業にとっても大きく関係してくる問題となっています。
例えば、従業員やアルバイトが就業中に撮影した不適切な動画をSNSに投稿したことがインターネット上で「炎上」し、企業イメージを低下させる事例が多発したこともありました。その投稿が不衛生な内容だった場合、仮に飲食店であれば客足に大きなダメージを受けることになるでしょう。ちなみに「炎上」とは、ある物事や行動・発言に対して、批判や擁護の声が殺到して収拾が付かない状況を指すネット用語です。
また、近年は企業が自社のSNSアカウントを運用することが珍しくなくなっています。企業アカウントで面白い発言や話題になる投稿をするために、「中の人」と呼ばれるSNS運用担当者の自由裁量を高めることが一定の効果を上げていますが、一方で、担当者の不用意な書き込みによる炎上リスクも高まっています。
こうした最近の流れから、今回はインターネット上における「炎上・誹謗中傷対策」に関連する銘柄に注目したいと思います。情報の氾濫が留まるところを知らず、利用者側のネットリテラシーの急改善も現実的には期待できない中で、「炎上・誹謗中傷対策」の関連事業が活躍する場は多いでしょう。
「炎上・誹謗中傷対策」の主な関連銘柄はSNSやWebサイトにかかわる分野で、業種としては情報通信セクターが中心になります。大枠では「サイバーセキュリティ」関連銘柄が主になりますが、その他、膨大なSNSデータを自動的に監視する必要があるため「AI」関連銘柄も関係してきます。
それらの中から、四季報や会社情報といった季刊誌などを活用して、「炎上対策」「監視」「訴訟」などのキーワードを使って銘柄を抽出しました。
【エルテス(3967)】
AIと人の目による「Webリスクモニタリングサービス」を提供
エルテス(3967)は、24時間365日、AIと人の目でインターネット上の投稿を監視することにより、炎上リスクのある書き込みを早期に検知することができる「Webリスクモニタリングサービス」を提供しています。また、炎上した際には、その内容を把握し、適切な初期対応がとれるよう支援します。2020年5月29日には、ネット上での誹謗中傷や風評被害に苦しむ人に向けたリスク最小化サービス「モニタリアン」を月額980円から試験提供することを発表しました。
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【イー・ガーディアン(6050)】
企業のSNS運用・分析などをトータルサポート
イー・ガーディアン(6050)は、SNSやWebサイト、ブログなど、インターネット上のさまざまな投稿を収集し、誹謗中傷や情報漏洩などを検知するサービス「E-Trident」を提供しています。また、各種SNSにおけるメディアポリシー作成から運用・分析までトータルサポートする「ソーシャルメディア運営設計サービス」も魅力です。
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【アディッシュ(7093)】
いじめ匿名連絡サイトの運営など、学校向けサービスにも注力
アディッシュ(7093)は、ソーシャルメディア上での口コミを監視するソーシャルリスニングサービスを、企業向けに提供しています。また、ネットリテラシー講座やいじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」など、学校向けサービスにも力を入れています。さらに直近では、個人向け「誹謗中傷対策サービス」の開始を発表。被害者が損害賠償請求を考えている場合など誹謗中傷の内容を保存しておきたいときに、アディッシュが本人に代わって証拠データを収集、報告します。
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【ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス(3657)】
ネット掲示板やSNSなどへの投稿内容をチェック
ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス(3657)は、デバッグ・検証事業のほか、ネットサポート事業を行う企業です。ネットサポート事業では、ネット掲示板やSNSなどへの投稿内容を顧客の依頼に沿った判断基準に基づいてシステムと有人を組み合わせてチェックするネットモニタリングサービスを提供しています。また、アディッシュと同様に、学校の非公式サイトの調査・パトロールも手掛けています。
⇒ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス(3657)の最新の株価はこちら!
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【弁護士ドットコム(6027)】
ネット上で法律相談ができる「弁護士ドットコム オンライン相談」を開始
弁護士ドットコム(6027)は2020年6月1日、オンライン上の面談で法律相談ができる「弁護士ドットコム オンライン相談」の提供を開始すると発表し、関心を集めています。今後、プロバイダー責任制限法の改正が進む中で、開示請求など誹謗中傷に対する対応のハードルが下がれば、利用者増が期待されます。
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【サイバー・バズ(7069)】
SNSアカウント運用代行サービスを提供
サイバー・バズ(7069)はインフルエンサーを主軸としたソーシャルメディアマーケティング事業を展開する企業で、「炎上対策」との関連度合いとしては他の銘柄より若干下がりますが、同社が提供するSNSアカウント運用代行サービスに注目しました。業務効率化や炎上防止の観点から、プロにSNSアカウントの運用を依頼する企業が将来的に増える可能性を想定し、今回の発掘銘柄に追加しています。
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将来的にインターネット上の誹謗中傷は、ある程度は制限できても完全になくなることはないでしょう。それに伴い、企業は自社の評判や従業員を守るために可能な限りの対応するようになると考えられるので、今回紹介したような「炎上・誹謗中傷対策」へのニーズは、ますます高まっていくと考えています。
蛇足となりますが、確かにSNS上の「炎上」や「誹謗中傷」は、対象となる人の軽率な発言がきっかけとなるケースも少なくありません。社会的に影響力のある人であればなおさら、誤った知識による情報発信や、扇動と捉えられる発言をすれば、批判を浴びてしまうのは避けられないことです。そのため発信する側は細心の注意を払う必要があるのですが、だからといってうかつな発言をした発信者を必要以上に攻撃し、誹謗中傷をしていい理由にはなりません。
「公の場」において意見を発信する意味や必要性について、SNSの利用者全体で改めて考えなければならない時期に来ているのだと思います。SNSの力をできるだけ良い方向で活用できる世の中になっていくことを、私個人としても期待しています。
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